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GIANT KILLING 〜荷物持ちのファンタジア〜  作者: ふぐ実
第一章 貧民区のお嬢様
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chapter 36 本当なのか嘘なのか

ご愛読ありがとうございます

 〜 キノコダンジョン 〜


 お化けキノコとのバトルは続いている。武器は弱いし、後衛は栞さんだけなので簡単には倒せない。


 もう一つのバトルも激しくなりそうだ!


「あのヒーラー優秀ね。反応がとてもいいし、詠唱も驚くほど速いわ」


「ウチの要だから当然よ」


「武器も良さそうね? 彼女は『ガチャ』が当たったようね。他の人はハズレのようだけど」


 ハ、ハズレじゃないぞ! ちょっと失敗したけど……


 

「あなたが来ると思って今日は私が普段飲んでいる特製の紅茶を用意してあるのよ。飲むでしょ?」


「準備がいいのね。頂くわ」


 僕のリュックサックからティカップを()()取り出して黄金の瓢箪(ひょうたん)から紅茶を注いだ。


 それを優雅にミンフィーが飲んだ。


「私の瓢箪(ひょうたん)から飲み物をあげたのはアナタが初めてよ」


「あら、それは光栄だわ」


 スカーレットさんがティカップに口を付けようとして止めた……


「あ、アンタ……」


 ま、まさか! 毒とか盛ってないよね?


 ミンフィーは全く気にする様子も無く、変わらず優雅に紅茶を飲んでいる。


「どうしたのかしら? この瓢箪は常に良い温度で飲める優れ物よ? 熱くはないはずだけど?」


「グッ……」


 猫舌なのかな? だったらイジメだよ……


 イジメ! ダメ! ゼッタイ!


「こんな物を昼間から平然と飲んでいるなんて……」


 そう言ってスカーレットさんが紅茶を飲んだ。


「ゴホッ! ゴホッ! アンタ入れ過ぎよ!」


「何の話かしら?」


 やっぱり紅茶に何か入れたのか……


 砂糖の入れ過ぎで甘いのかな?


「モッシュ! また集中が切れているわ」


 早く倒して向こうのバトルを止めないと大変な事になりそうだよ! でも武器が弱くて中々倒せない。


「ぜ、全部ウソだったのね!」


 ようやくキノコを倒せた! フェンとスノウも何とか倒せたみたい。


「何を言っているのかサッパリ分からないわ。私は嘘なんてついた事が無いわよ」


「こ、この紅茶には……」


 スカーレットさんの様子がおかしい。


 物凄くフラフラしているよ……大丈夫かな?


「ブ、ブランデーが入っているじゃないの!」


 えええ!? ブランデーってとても高級なお酒だよね?


 しかもかなり強いやつだったような……


「美味しいでしょ? いくらでも飲めそうだわ。あなたもおかわりするでしょ?」


「こ、こんな濃いお酒! 飲める訳ないでしょ!」


「私の紅茶が飲めないと言うのね……」


 ミンフィーがとても悲しそうな顔をしている!


 アルハラ! ダメ! ゼッタイ!!


 そして、ミンフィーが紅茶を立て続けに2杯も飲んだ!


「し、信じられないわ……あ、悪魔め……」


「最高の褒め言葉ね! 次の敵は全部、私が倒すわ」


 ミンフィーはまた紅茶をおかわりして優雅に飲み始めた。


 本当にブランデーが入っているのかな?


 ミンフィーはあんなに飲んで大丈夫なの?


 敵がポップするのをみんな静かに待つ。スカーレットさんもフラフラしているけど何とか耐えているみたい。


「キツければウチの超優秀なビショップに治癒魔法を頼んでもいいのよ?」


「こ、これくらい大丈夫よ!」


 お化けキノコが3匹ポップした!


 ミンフィーがスッと立ち上がって少し前に出た。


 ドン! ドン! ドン!


 凄い音がしたと思ったらキノコが壁に張りついている……


 ミンフィーが攻撃したみたいだ!


 全く見えなかったよ……


「ば、化け物め……」


 そう言ってスカーレットさんはユラユラしながら立ち上がった。


「栞さん、彼女にキュアを唱えてあげて。これではキノコも倒せないわ」


「は、はい。キュア!」


「クッ……コロセ……」


「かなり酔ってますよね?」


「ウン! も、もう一度お願い……」


「キュア!」


「あ、ありがとう……」


 スカーレットさんはようやく普通に歩き出した。


「あ、あの……入口まで送りましょうか?」


 あまりに心配なので声をかけた。


「大丈夫よ……こんな悪魔とよく組めるわね……」


「ミンフィーは最高のギルドマスターです!!」


「そ、そうなの? とても信じられないわ……」


 まだヨロヨロしているのでちょっと様子見で後ろをついて行くと襲ってきたお化けキノコを1撃で倒している。


 ホッ! 大丈夫そうだね。


 狩場にしていた部屋に戻るとミンフィーが立って待っていた。


「もう行った?」


「何とか無事に帰れそうだったよ」


「モッシュ、ちょっと来て」


 ミンフィーが呼んだので近くに寄ると……


 フラフラっと僕に倒れかかってきた!


 慌ててミンフィーを抱きかかえた!


 ……すっごくお酒臭い……


「キュアを……」


 ミンフィーが小さい声で呟いた。


「栞さん! ミンフィーにキュアをお願いします!」


「え!? あ、はい! キュア!」


 ミンフィーの息がとても荒い! 全然効いてないみたい!


 どうしよう?


 そ、そうだ! 飲み物だ!


 ミンフィーを座らせて空のティカップに飲み物を出す!


「酔いを覚ます飲み物出ろ!」


 酔い覚ましの水をミンフィーに飲ませてあげる。ミンフィーは必死にその水を飲んだ。


 お酒に強いのは嘘だったのかな……


「ミンフィー……何でそこまでするの?」


 ミンフィーはかなり酔いが覚めてきたみたい。


 栞さんにキュアを3回も唱えてもらったらしい。


「モンクの弱点は魔法防御と状態異常よ。それを克服したと思わせたかったのよ……」


「そんなに弱点があると思われるのが嫌なの?」


「必死に強くなるあなたを見て私も変わったわ。あなたと同じ志を持っていたいのよ」


「うん! 一緒にSクラスのギルドを目指そう!」


「私がやるからには世界最高のSクラスを目指すわよ!」


 世界最高ですか!?


 まあいいか! やる気なんだしね!


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