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GIANT KILLING 〜荷物持ちのファンタジア〜  作者: ふぐ実
第二章 辺境のお嬢様
118/166

chapter 118 ライバル

ご愛読ありがとうございます

 〜 レザムールズ領 ギルド協会 〜


 各冒険者ギルドに西の魔女のダンジョン探索のミッションが発令された。

 ミッションは任意の通常クエストとは違い、強制力のある物だ。ミッションが発令されたら優先して解決するのが冒険者の大事な使命とされている。非協力的なギルドには罰則が適応される。


「西の魔女のダンジョンは悪辣なトラップが多いらしい。ダンジョンのランクなんて関係なしって話だ」


「シーフ・レンジャーをパーティーに入れる様に協会が推奨しているしな」


「他の都市に行って良いシーフ・レンジャーを探しに行った奴らもいるぜ」


「何でそこまでするの?」


「弱い敵からも宝箱が出るって話だ。結構、儲かるらしい」


 冒険者ギルドは多少の戸惑いはあるものの、儲けるチャンスだと盛り上がっていた。



 ミシェルの元に1通の書簡が届いていた。


 Sクラスギルド フラッグシップからの書簡だ……


「困ったわ……あのダンジョンをクリアされる訳には行かないのよ……」


 西の魔女のダンジョンならクリアして破壊しなければならない。その協力をギルド フラッグシップが申し出てきたのだ。


「あのダンジョンは()()()()()()()()()クリア出来てしまう」


 レザムールズ領ではミンフィー達Bクラスのギルドが最高クラスだ。近隣の領地も辺境地なのでAクラスが少数あるだけ。Sクラスのギルドは周りにいないので大丈夫だと思っていたのだ。クリアされると普通のダンジョンだと発覚してしまう。


「ミンフィーさんに相談するしかなさそうね……」


 

 〜 エストアール王国 王都 〜


 Sクラスギルド フラッグシップは聖都セントフォースから王都へと移住していた。

 聖剣エクスカリバーを持つ勇者オルフレッドを中心に素晴らしい活躍をし、その名を轟かせている。


 勇者オルフレッドのもとに同級生のミンフィーから手紙が届いた。



 協力の申し出ありがとう。こちらは大丈夫なので()()()来ないで下さい。 ミンフィー



「ははは。絶対にか! また何か面白い事をやっているな」


「オルフレッド様。いかが致しましょうか?」


 側近のSランク冒険者がオルフレッドに問いかけた。勇者オルフレッドは現在Aランクまで登りつめていた。

 ミンフィー達が辺境地に追いやられ、もたついている間に追い抜かれてしまったのだ。


「計画は中止だ。行かない方がもっと面白い事になる」


「我々が気にかける様なギルドなのでしょうか?」


 勇者オルフレッドは聖剣エクスカリバーを見つめた。


「ああ! レザムールズにはこの聖剣を持てる男がいる」


「何ですって! その聖剣は英雄にしか持てぬ物です!」


 勇者と名乗る者は大勢いた。だが聖剣エクスカリバーを持てた者はほとんどいない。


 オルフレッド、モッシュ……


 そして聖都セントフォースにいるミンフィーのライバル


 Sランクギルド ダイアモンドスターのスカーレット


 この3人だけだ。


「ライバルが潰れては楽しくないと思ったが。要らぬ心配だった様だな」


 勇者オルフレッドはライバルとお互いを高め合ってこそ面白いと考えていた。


「スカーレットが自分を取り戻してくれればいいんだが」


「厳しいかと……」


 スカーレットは権力でミンフィーを追いやってしまった。それはオルフレッドの知るスカーレットのする事ではなかったのだ。


「全てはあのガチャで変わってしまった……」


 スカーレットがガチャで転生者を得たその時から……


「ミンフィーの所にも転生者がいたな……」


「調べますか?」


「ああ。だが用心してくれ。アレは普通の者とは思えん。行ったついでにキャンプグッズを少し買って来てくれ。評判が良いらしい」


 Sランク冒険者は音も無く姿を消えてしまった。


 

 〜 聖都 セントフォース 〜


 旧レザムールズ区には多くの裕福な聖心教徒が入居してきた。その近く、大通りに面した店舗が問題なっていた。


「あのレザムールズの支店は販売員こそ聖心教徒ですが経営者はモッシュという冒険者です」


 白いローブを着た男が密告する様にスカーレットに報告を持ってくる。スカーレットはモッシュを知っていた。


「確かサポーターの男ね。なかなかの商才があったのね」


「はい……連日、盛況で大きな利益を得ています」


「……でも税はしっかり納めているのでしょう?」


 スカーレットはイージスの盾を見つめた。絶対に壊れる事のない正義の盾だ。


「はい……」


「働いている店員達は不満でもあるのかしら?」


「いえ……かなりの高待遇で休みもしっかり貰えるそうです。近隣の者はあの店で働きたいと言う程です」


「税を正しく納め、他の店の模範となる様な店。そこで聖心教徒が喜んで働いている。何の問題も無いわ」


「はい……」


 スカーレットは自分が正しいのか分からなくなっていた。気付けば周りに知っている者達が居なくなっていた。


 オルフレッド……そしてミンフィー……


 あんな事を望んではいなかったのだ。

 

「余計な手出しは認めないわ。絶対によ!!」


「はい……」


 薄気味悪い従者にもウンザリしてきた。もう自分で決めれる事はほとんど無い。白いローブの男が立ち去るとスカーレットはホッと安心する。


「せめてあの店くらいは守らなければ……」


 イージスの盾を見つめて悲しい声で呟いた。

 

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