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予定

「大変だったね、あんなに借りる人いるとは思ってなかったよ」


文月先生が図書室に来て見た光景に驚いているようだ。

俺もびびっている。

去年まではこんなことはなかった。

普通に静かにのんびりと出来てたんだけどな。


「いつもじゃないんですか?」


俺と先生が珍しい人の多さに驚いていると神谷は逆にそれ不思議に思っているようだ。


「いつもはもっと楽よ。ゴールデンウィーク前だったからかな?」


そうだとしたらあの俺が対応した男子生徒は可哀想だな。

お目当ての本じゃなくて落ち込んでたもんな。


「そうなんですか、ドラマとは違うなぁって思ってたんですけど」


ドラマ通りだよ。

そんな大変だったら俺が二年連続でやるわけないだろ。


「相馬くんも手伝ってあげなよ」

「や、俺もやろうとしましたよ。でも誰も来なかったんで」


コンビニのレジのお待ちの方どうぞ的な感じでやったんだけど全く見向きもされなかった。

譲り合ってた感じもしなかったんだよな。

早く借りて早く帰りたいとか思わないんかね?


「これも今回だけでしょう。次はもっと楽だと思うよ。じゃあ私はここで」


そう言い文月先生は職員室に向かう。

よって必然的にこの場は俺と神谷の二人になる。

帰ろうかと思っていると神谷がノートを取り出し何か書き始める。

え、それ今後ずっとすんの?


『ゴールデンウィークの予定話したいから喋っていい?』


書き終わりこっちに向けてきたノートにはそんなことが書かれていた。

あー、そうだな。それ話さないとどうしようもないな。

ほんとは話したくないけど約束だし仕方ない。

筆談は立てっては面倒だから今回だけは喋ること許すか。


「はいはい、どうぞ」

「ありがと、じゃ一緒にかえろっか」


神谷が笑顔になり調子に乗り始める。

ダメだ、喋らすんじゃなかった。


「嫌だ」

「えー、帰りながらの方がいいじゃん」


まぁそうなんだよな。

図書委員でいつもより帰るの遅くなってるから早く帰りたいのは確かだ。

話しながら帰れば早く帰れるのも間違ってない。

でもこいつ言うこと聞きたくないんだよ。

これ以上調子付かれたら最悪だろ。


「話すだけ」

「ふーん、じゃファミレスでも行く?」


行かねえよ。

なんで余計にひどくなんだよ。

一緒に帰らないって言ったんだからファミレスに一緒に行くわけないだろ。

真面目に話す気がないように感じてくる。


「一人で行ってこいよ」

「え、話さないの?」


神谷が驚きの声を上げる。

いや、別に驚くことじゃないだろ。

話すだけしかしないんだって。


「話すだけなら今ここでできる。手早く話せばさっさと帰れる」

「あーあ、相馬くんは私と帰りたくないのかぁ」


そう言い突然窓の外を見始める。

何、突然黄昏てんの?

話すならさっさと話してくれ。

話さないなら帰るから。


「私ってそんな魅力ないかな?」


顔だけこっちに向けていつもとは違う悲しみの交じったような笑顔で聞いてきた。

あ、はい。また演技ですか。

俺の仲良くならない話したんだから魅力がどうとかじゃないってわかるだろうに。


「話す気ないなら帰る」

「ごめんって、話すから帰らないでよ」


神谷に引き止められたので帰るのをやめる。

話す気があるなら最初からそうしとけばいいのに。


「勉強教えてほしい」

「それは聞いた」

「話の腰を折らないで。まだ途中だから」


うっざ、もうぜってぇ反応しねぇ。


「で、勉強は今度の中間テストのためのなんだけど」

「……」

「相馬くんって勉強出来る?」

「……」

「ねえ?」

「……」

「なんか反応して」


めんどくせぇ、どっちなんだよ。

喋るなみたいに言ってきたくせに今度は喋れとか、ほんと自分勝手だなこいつ。


反応しないと予定聞けないんだろうか。

なんか相手したくないって気持ちが強くなってきたからこのままさっさと帰りたいんだけど。

でも連絡先の交換とか絶対したくないんだよな。

こいつと交換してもほんと迷惑被ることしか予想できない。


「それなりにはできる」

「じゃあ教えて」

「……正直やだ」

「え、なんで?」


神谷が俺が嫌がったことで驚いている。

なんでって言われてもお前と二人で勉強だよ?

この前の遊園地でさえだいぶ逃げようとしてたのになんでまた同じようなことしなきゃなんないんだよ。

こいつが真面目に勉強するかも不安だし。


「……人に教えるの苦手なんだよな」


とりあえず適当な理由で諦めてもらおう。

二人が嫌ってはっきり言ってもいいんだけど、それは大前提から否定することになって連絡先ちょうだいとか言われそうだからやめておく。


「人に教えたことあったの?」


俺が遠回しに言ったはずなのに神谷がはっきりと聞いてくる。


「ない。だから教えれない」

「まぁまぁ、大丈夫大丈夫。みんな最初は初めてだから」


ダメだな、諦めてもらえない。

もっと粘るべきだとも思うけど、神谷相手だとどうせやること変わるだけで状況は変わらないだろう。


「ちなみにどこでやるんだ?」

「え、どっちかの家でいいんじゃない? 近いし」


それって完全に二人きりってことじゃんかよ。

まぁ図書館とかで周りの目があるとこも嫌なんだけど。

やっぱり神谷といるの自体が嫌だな。


「どっちの家にしよっか。私の家広いからこっちでいいけど」

「じゃあそれでいいよ」

「日程はゴールデンウィーク大体空けとくから、お願いね」


人気女優なのにそんなことできんの?

いっぱい仕事してくれていいんだけど。

つーか、一日じゃねーのかよ。


「それじゃ話終わったから帰った方がいいんでしょ。先帰るよ」


そう言いちょっと不満そうにしているが笑顔で手を振って帰っていく。

ちょっと待って、俺が先に帰りたいんだけど。

それよりもまだ時間について聞いてなんだけど。

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