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043 番外編2 忘れないうちにやっておくッス

番外編とりあえずラストです。

最初と最後はそれぞれミーシャ視点、松本武人視点になっています。

分かりにくかったらごめんなさい。

 こんにちはー。ミーシャはミーシャ・ティフォンってゆーッス。


 ミーシャは小さい頃、商人のパパといろんなところに行ってたんスけど、商売に失敗しちゃって今は奴隷落ちしちゃったッス。


 そして今は馬車の中。どーやら新しいあるじはこれから王都へ向かってるらしいスすね。


 マツモト・タケト。それがミーシャのあるじの名前。

 好きに呼べって言われたけど、正直なんて呼べばいいかわかんないッス。


 だからとりあえずは『あるじ』って言うことにするッス。


 今は横になって寝ちゃってるッスけど。


 でもでも、凄く優しそうな人だったッス!

 アリスとエミも、凄く幸せそうッスもん!


 あ、アリスとエミってゆーのは同じ奴隷仲間の名前ッス。


 エミはー、えと、あるじの一番奴隷です。すっごいあるじのこと好きですって感じスね。

 ちょっとお姉ちゃんっぽいッス。


 アリスは二番奴隷ッス。ちっこくて可愛いからちょっと妹みたいって思うッスね。でも、凄く大人びてる感じもあるッス!

 二刀流みたいな? あ、違うッスかね。


 三人と話してみた感じはすごーく優しい感じで、超ホッとしてるッス。


 そんで今なんですけど、馬車に揺られて絶賛会議中ッス。


「それでですね。皆さんの意見を聞きたいんですよ。ご主人様には、勝手に決めていいと許可は貰ってありますので」


 エミが御者席の方からそう提案してきたんス。


「まぁ、マスターはちょっと適当すぎる部分もあるからそこはアタシ達が支えなくちゃならないしね」


 今話し合っているのは、新しいパーティー名のことッス!

 どうやら話を聞く限りでは、あるじは『ねーみんぐせんす』なる物を持ち合わせていない……とかなんとか。


 よくわかんねぇッスけど、ここで良い意見を出して二人ともっと仲良くなるッス!


「ミーシャは『マタタビーズ』なんて良いと思うッス!」


「「却下です(ね)」」


 辛いッス! 結構良い線いったと思ったっスけど。


「ミーシャ。もしかしてマスターと同じで……」


「アリスは何か良い案あるんですか?」


「……話を逸らしたわね。まぁいいわ、そうね無難に花の名前とかでもいいんじゃない?」


「花の名前ならいっぱい知ってるっスよ」


 伊達に大陸回ってないッス!

 花も沢山見てきたッスもん!


「やるわね! じゃ、適当にいくつか言って見てくれない?」


「お願いします」


 おお! ミーシャは今頼られてるッス!

 二人からめちゃくちゃ頼りにされてるッスよ!


「そうッスね。ラベンダー、カトレア、カーネーション、ガーベラ。商品として人気なのはこの辺ッスかね?」


「確か、花言葉と言う概念がありましたよね? その意味合いも教えて貰えませんか?」


「もちろんいいッスよ」


 ミーシャは、記憶を掘り起こしながら頑張って教えるんス。


「ラベンダーは『あなたを待ってます』『期待』、カトレアは『品格と美』『高貴な美人』。カーネーションは色によって違うッス。赤、白、黄のそれぞれに『愛を信じる』、『尊敬』、『軽蔑』になってるッス。んで、ガーベラは『常に前進』って感じスね」


「よく知ってるわね。感心したわ」


 えへへ、褒められたッス。


「小さい頃の記憶って、どうしても抜けないもんなんスよね」


「確かにその通りね」


 あれ? 一瞬アリスの表情が曇ったような……気のせいッスかね。今はいつもの表情ッス。


「確か宝石なんかにもそういうのありませんでしたか?」


 エミがそう聞いてきたッス。なかなか物知りッスね。こう言うことって普段触れない人からしたら全く興味わかないッスもんね。


「石言葉のことッスね。パーティー名にするのに良さそうなの考えてみるッス」


 うーんと、あれとかあれとか……よしこんなもんスかね。


「『勇気』『行動力』『成功』のアゲット、『達成』『開放』『冒険心』のカルセドニー、『威厳』『成長』のコーラル、『成功』『美徳』『気品』のフローライトなんてどうスか?」


「「おお」」


 二人とも頷いてくれたッス。

 ミーシャのチョイスが良かったんスよ。うんうん。


「これで良さそうなのが出揃いましたね」


「えぇ、少なくとも今の『F』よりはマシね。アタシ達はもうランクC、もうわけわからなくなってるわ」


「パーティー名が『F』なんスか?! わかりにく過ぎッスよ……」


『ねーみんぐせんす』ってやつ、大事なんスね。


 言葉の意味分からんかったスけど、なんとなくわかったッス。


「二人は今の中で気に入った名前はありますか?」


「アタシは『フローライト』ね。アタシにピッタリだわ!」


「どんなところがですか?」


「美徳と気品はもちろんのこと、賢者として成功してるとことかに決まってるじゃない!」


「はぁ、そうですね」


「めんどくさがらないでよ!」


 二人はやっぱり仲がいいッスねぇ。


「ミーシャはどうですか?」


「そーッスね。『マタタビーズ』が――」


「「それは駄目です(よ)‼︎」」


 えー。結構しっくり来ると思うッスけど。

 なら。


「『カトレア』ッスかね。パパが昔、美人さんになれるようにってプレゼントしてくれた思い出の花ッス」


「ものすごくいいじゃないですか」


 えへへ。パパとの話を褒められるのは嬉しいッス!

 エミはやっぱりいい人ッスね!


「私はガーベラです。常に前進って凄く冒険者らしくていいじゃないですか」


「どれもいいわね。こう考えると、名前って結構手間がかかるのね」


「そうッスねぇ。なかなか難しいッス」


「このままだと、決まるのに時間がかかりそうですね。ご主人様が目を覚まされたら聞いてみましょうか」


 えぇ?! 『ねーみんぐせんす』が無いのに大丈夫なんスか?


「流石のマスターも、選択肢の中からなら変なことにはならないでしょ」


「なるほどッス!」


「ミーシャは考えてることが表情に出てしまってますよ」


 ホントッスか……知らなかったッス。

 なんか恥ずかしいような……。


「まぁ、さっきでたのを聞いてればいいんじゃない?」


「ご主人様が起きるまで、ミーシャにはもっと詳しく私達のことを説明しておかないといけませんね」


「その方が、もっと絆も深まるしね。アタシもミーシャのこともっと知りたいわ」


 二人ともそんな風に言ってくれるなんて。

 奴隷ってとっても扱いがひどいーって聞いてたけど、案外悪くないのかもしれないッス。


「ミーシャももっと仲良くなりたいッス。よろしくお願いしますッス!」


 結局、夕方になるまで雑談で盛り上がったッス。

 なんだかこれからがめっちゃ楽しみッスね!






 ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎






 楽しそうな声で目が覚める。


 どうやらエミ達が楽しそうに話しているらしい。

 凄く盛り上がってんじゃん。


「おはようございます、ご主人様」


「あら、おはよ。マスター」


「あるじ! おはようッス!」


 そんな言葉を聞きながら横になった体を起こす。


「あぁ、おはよう」


 馬車のせいで体が痛い。後でストレッチでもしよう。


 それに今日も後少し進んだら寝るか。


 エミも頑張ってくれてるし、流石に疲れただろう。いっぱい回復魔法かけてやるからな。


「ご主人様、パーティー名の案がいくつか出たのですが」


「ああ! 話し合ってくれたのか?」


 一同自慢げな顔をする。

 優秀だなぁ。俺はもうすっかり忘れてたなんて言えないよ。


 最終候補の三つの中から選んだのは『ガーベラ』。


 花言葉もそうだけど響きがかっこいいかなって。

 え、それくらいの感覚で決めちゃっていいよね?


「なら今日はこの辺で夜を明かそうか。エミ、お疲れ様」


「はい! ありがとうございます」


 そんなこんなしながら、徐々に王都へと近づいていく俺達だった。





次回から二章スタートです。

投稿予定は4/21の日曜日お昼頃です。

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