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039 Just Do it!!

やる気の出る動画大好きです。


次回040話で毎日投稿を終了します。

それ以降も三日に一話かそれ以上のペースで出していこうと思っています。

 俺達は昼食を宿で済ませ、新たな武器を求めて武器屋へと来ていた。


 前の武器屋では比較的安価なものしかなかったため、張り切って新しい店に来てしまった。未知の開拓って事で。


「へぇ、いろんな武器があるのね。アタシには必要ないけど」


 アリスは様々な武器に興味津々だ。

 エミも瞳を輝かせながら杖のコーナーへと向かっていった。


「アリスもお札入れみたいなの買っておいたらどうだ? ポケットなんかじゃ収まる量も限りがあるだろ」


「いいの⁈」


「そっちの方が戦いやすいなら買ってもいいよ」


「ありがとう、探してくるわね!」


 タッタッタっとかけていくアリス。二人とも楽しそうだ。

 オラもワクワクすっぞ。


「兄ちゃん、どんな武器をお探しで?」


 店の奥から無精髭を生やしたごっつい体系のおじさんが出てきた。ラグビーとか強そう。


「新しい剣と杖を探してます。奥に行った二人もそれぞれポーチと杖を探してますね」


「兄ちゃんは剣と杖、どっちも使えんのかい?」


「まぁ、齧った程度ですけど」


 ふむ、と考え込んだ様子のおじさん。

 そして壁に飾ってある禍々しい剣の鞘を鷲掴みにする。


「持ってみな」


「どうも」


 今まで使ってきた剣より若干重い気がするが、【自由制御(フリー・リミッター)】の調整で扱えるだろう。


 若干制御の割合を下げて軽く振るう。


「いい太刀筋だな。そいつは魔法回路が組み込まれているもんで魔力を込めれば魔法も放てる。精度も威力も上がるし、斬れ味もいいだろ?」


「へぇ、なかなか高機能ですね」


「鞘を反対に持てば、そこにも魔力を流せるようになってるから、不意打ちなんかにも使えるぜ」


 面白い武器だな。買っちゃおっかな。


「でも高いんでしょう?」


「チッチッチ」


 人差し指を振りながら、キメ顔するおじさん。

 そんな決まってないけど。


「それがたったの十万なんだわ」


 そんな安くないじゃん。普通じゃん。

 でも機能的には控えめなのか?


 俺の表情が良くなかったのかおじさんは弁解に入る。


「え? これで十万は安いぞ? 兄ちゃん武器買った事ないか?」


「前にこれ買ったきりですね」


 以前から使っている傷だらけの剣を見せる。


「めっちゃ安物じゃねぇか。これと比べんなよ。お嬢さん達の方も安くしとくぜ」


 うーん、まぁ幸いお金には困ってないし使っちゃうか。


「なら買います」


「おお! 話のわかる奴じゃねぇか! しっかりサービスしてやっから安心しとけって」


 ちょっ、肩バンバンすんのやめてって! 痛いんですけど。


「なら嬢ちゃん達のも見に行くか」


「お願いします」


 まずは杖コーナーへと向かう。エミの方からだ。


「あ、ご主人様……とお店の方ですか?」


「おう、嬢ちゃんの杖のアドバイスにきたぜ」


「そうでしたか、お願いします」


 そこから、エミの魔法の特徴について伝えた。

 すると火力の高い魔法を連発しても痛まず頑丈で、精度が上がりやすいものを探してくれる。


「ここら辺が合ってると思う奴だな。あとは嬢ちゃんの好み次第だ。持ち心地で決めるもよし、デザインで決めるもよし」


 最終候補まで残った杖は三つ。その中でエミが手に取ったのは一番シックで小さめの杖を手に取る。


「一番振りやすかったのはこの杖ですね。他は少し重くて扱いにくいかもしれません」


「ならそれでいいか?」


「値段が気になりますが……」


 二人でおじさんを見る。


「まぁ、安くしてやるよ。五でどうだ?」


「四でお願いします」


「まぁ、さっき安くするって行っちまったからな。それでいいぜ!」


 やったぜ。ありがとおじさん!


「残りの小柄な嬢ちゃんは何を探してるんだ?」


 武器コーナーから離れた、雑貨コーナーを探し回っているアリスをみておじさんは疑問を口にした。


「お札サイズの紙を収納できる、ポーチのようなものを探してるんですよ」


「変わったもの探してんだなホルダーみたいなもんか?」


「そうですね。良さそうなのありますか?」


「あるぜ。個人の魔法の波長を感知して、本人しか開けることができないやつとかな」


「それ、とってもいいわね!」


 さっきまで探すことに夢中になっていたアリスが喰いついた。


「こいつなんだが。しかも魔力を加えればサイズも変えられる機能付き! どうだ嬢ちゃん。そそられんだろう?」


「これ欲しいわ! マスターお願い! 頑張るから‼︎」


 怒涛のおねだりを連発するアリスに、俺は値段も確認せずにオッケーを出してしまう。


「ありがとう! マスター大好き!」


 抱きつかれてしまった。


「アリス、人前ではしたないですよ!」


 引き離そうとするエミ。悔しそうな顔をしているのが一目瞭然だ。

 二人をなだめて、会計を済ませる。


「ありがとうな! 兄ちゃんと嬢ちゃん達!」


 店員が店の前まで送ってくれるのは、すこし嬉しいな。

 次に武器を新調する頃にはこの町にいないだろうが、覚えておこう。


「これで一件落着だな。まだ夜まで時間あるけどどうしようか」


「やはり、新しい杖を試してみたい気持ちがあります。ご主人様も、剣の切れ味を試してみるのは如何でしょう?」


「そうだな。何かクエストでも受けてみるか……アリスもそれでいいか?」


「ええ。ホルダーから取り出しながらの動きなんかも確認しておきたいし、それは嬉しい提案ね」


 一同の意見が揃ったので、早速ギルドに行ってクエスト受注だ。


 今回受注したのは『オーク一匹の討伐』だ。これはCランクから受注可能だが、難易度的にはBランクよりのクエストらしい。


 最近は森に多く頻出して、商人達が被害を被っているために受注可能なランクの範囲を拡大しているらしい。


 アリスが言うには、俺達のレベルなら三匹までなら余裕で相手できるという。今回は単体を相手にするし、オークはそもそも群を成さないらしいので受けることにした。


「よし、なら出現地点まで行くか」


 今はまだ徒歩でクエストへ向かっているが、いずれ【空間魔法】のレベルを上げればある程度の距離を【転移】でカットできるはずだ。


 習得できるのは長い目でみておくことにしよう。取らぬ狸の皮算用をしてもアレだしな。


 こうしていつも通り――いつもよりは奥だが――森へと歩いていった。





 ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎






「マスター、あれがオークよ」


「うわぁ、グッロいなぁ」


「初めて見ました」


 いつもよりも森の奥に来た俺達は、すぐにオークを発見することができた。森の急勾配を利用して、上の方から気づかれないようにその姿を確認する。


 緑色と黒色の絵具をまばらに混ぜたような分厚く、皺が多い皮膚。


 骨格が非常に大きく、巨人をも思わせる威圧感に溢れた、その巨大な体格。


 顔面には巨人の頭と豚の顔を無理やり継ぎ接ぎしたかのような異様な容姿。


 とにかく、この世のものとは思えないほど異様に感じた。

 単独で乗り込むのであれば、その異質な空気感に呑まれてしまいそうだ。吐気を催しても納得してしまう。


 ――が、今ここにいるのは三人だ。なんとか平静を維持できる。


 本当にこれを倒すのか。できない気がしてきたのだが。


「不安に思ってるんでしょうけど、アタシ達の実力なら脅威にはなり得ないわ。安心して、マスター」


 不安を顔に出してしまっていたのか。二人の主人である俺が。なんとも情けない。


「すまない。初めて見ると異様に感じてしまってな」


「ご主人様は、この命に代えましても守ります。ご安心下さい」


 エミが安心させようと意気込んでいるのか、そんな言葉をかけてくる。


「そう言うことはするなって言ってるじゃないか。まぁ、今の俺にとってはそのやる気と気持ちは物凄く助かる。エミもアリスもありがとな」


「べっ別に、それくらいいいわよ」


「どういたしましてですよ、ご主人様」


 再度、オークとやらを見据える。


 大丈夫。さっき程恐怖を感じない。やっぱり怖いものは怖いけど。


 最初の村人よりも低かったステータスから、比べ物にならないほど成長した。技もある。仲間もいる。


 この世界でも多くの時間を過ごして、沢山の経験も積んだ。


 ――最初のゴブリンを殺した時を思い出すな。あの頃もこんな風に手に汗握ってたっけ。


 いつか殺したゴブリンに、今は恐怖は感じない。


 なら、踏み出さなければ。


 あの時も踏み出せたのだ。


 俺は一歩ずつでも乗り越えてきた。


「二人とも待たせたな。ろうか」


「ええ!」「はい!」


 アリスの閃光の合図で、俺達は怯んでいるオークへと走り出す。


 戦闘開始だ――

















































 ――この後、俺は不相応なステータスを享受した報復を受けることになるとも知らずに。





次回、過去最大のピンチか?!


もし楽しみにして頂けている方がいらっしゃると、励みになります。

今後ともこの小説で少しでも楽しんでもらえるように頑張っていきますので、よろしくお願いします。

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