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036 今日はもっとクリエイティビティな部分についてディスカッションしていこう

流石にこのサブタイトルのネタは分かりにくかったかもしれません。

 宿に着くと、新たなスキルやアイテムを一通り確認した。


 そこでわかったのは今回の固有スキル【年功序列】の発動に関しては思ったよりも効果が小さかったということ。


 これは推測だが、【年功序列】の発動の際にレベルアップと同じ様に、最初は恩恵を受け易く、徐々に恩恵は薄れていくということだ。


 エミとパーティー申請した際、物凄い数の魔法使いに属するスキルを得た。数にすると当時スキルを統合していなかったが、三十ほど。それと比較すると、アリスによるスキル増加の恩恵は数にして七つ。


 これだけ見るとアリスの約一万年というとんでもない年齢の恩恵が割りに合わないかも知らないが、実はそうでもない。


 レベルとステータスの増強がエミの時よりも大幅に拡大した。


 数値的には二倍以上の伸びがある。


 レベルアップは最初は段階が低く、それはレベルに依存して高くなっていく。そのハードルを考えればとんでもないレベルアップを果たしたと言っていいだろう。


 以上の理由から恐らく、固有スキル【年功序列】はレベルアップと同じ形式での発動だと予想される。


 だが実は、もう一つの可能性にも気がついた。


 それは種族の違い。


 エミの時に魔法スキルが大量に増えたのは、ダークエルフつまり、魔法を得意とする種族であったため。今回のアリスの時は、種族は恐らく人間ではなく賢者でカウントされた為、レベルアップの方に恩恵の振り分けが偏った。


 この可能性も捨てがたい。


 いずれにせよ、【年功序列】の発動回数がまだ二回と少ないために、どの様なものか分かりきっていないのが実際のところだ。


 この後に発動回数が更に増えていけば【年功序列】の特徴もきっと見えていくだろう。


 よし。これにて考察終わり。

 真面目に考えてめっさ疲れたわ。


 あ、ちなみにアイテムについては、今回はあまり役立ちそうなものはなさそうだ。


「二人とも今日はゆっくり休んで明日からまたクエストに出かけようと思う」


「ご主人様、この町をいつ頃に出発するつもりでおられるのですか?」


「そうだな。正直なところ近いうちに此処より大きな街、具体的には王都に行きたいと考えている」


「なら、アタシがマスターに特別も特別。大判振る舞いでお勧めの大陸を教えてあげるわ」


 なんでそんなに偉そうなんだか。

 別に妹みたいで和むから良いんだけど。


「それはね、セ・ティーヤなんてどうかしら?」


 エミはなるほどみたいな納得の表情。だけど俺からしたらなんじゃいそこはって感じなんだけど。

 エミが察したのか説明をしてくれる。


「セ・ティーヤ国はこの世界の六つある大陸の一つにある獣人の国です。だけど近年では娯楽場が多く建設され、観光客である魔族や人間の割合も増えてきている国ですね。特に王都近郊には物凄い数の人口が集まると聞きます」


 ネコミミ王国ってことか。


「良い提案だなアリス。ところで此処からどれくらい離れているんだ?」


「そうね。馬車を持ってることを前提で考えても海を渡らなくちゃいけないから二週間ってところじゃない?」


 ちょっと遠いかな。


「いえ、既に大陸を円状に繋いだ巨大な橋が建設されているので一週間で着きますよ」


「え?! そんなのできてるわけ?」


「はい」


 アリスよ、これがジェネレーションギャップってやつだ。

 大陸跨ぐって聞いたから一週間はとても早い様に感じる。


 大陸俺はできれば人間の国の王都に行きたい。もしかしたら協力してくれるクラスメイトがいるかもしれない。


 困った時に助け合える間柄を構築しておくのと、クラスメイトの強さの相場を把握しておきたいっていうのもある。


 相性の悪いクラスメイトが多いが、少ないながら友達だっている。まずは、魅力的なネコミミ王国を断腸の思いで断念する。


「人間の国の王都にはどれくらいでかかる?」


「恐らく一週間程だと思います」


「え、結構かかるのな」


 ネコミミ王国の方が行きたくなってきてしまうよ。


「はい。ご主人様はここ、ケルキトラの町が大陸のどの辺りにあるか知っていますか?」


「真ん中?」


「端っこです」


 そうなんだ。


「王都は大陸の真ん中に位置していますのでそれくらいかかってしまうのです」


「エミがマスターは獣人大好き人間だって言ってたから言ってみたんだけど、お気にめさなかった?」

 

「いや、魅力的ではあるけど。まずはこっちでやりたいこともあるから人間の国優先で」


「わかりました」「わかったわ」


 さっきはなんの話してたっけ? これからのクエストの話か。

 脱線してしまったので話を戻す。


「さっきの続きなんだけど、これからクエストを多くこなして行きたいと思う。理由は単に、王都に行く前にランクを上げておきたいのと、俺たちがどこまで戦えるのかを知っておきたい。それにパーティーとしての戦い方も練習しておこうと思って」


「そのこと自体には賛成なんだけど、パーティーの構成ってどういう風にするの? エミは魔法が得意だから後衛にするとして、アタシは最初に用意しておけば、前後ろどっちでも使えると思うわよ」


「アリスの言う通り私は後衛しか無理そうですね」


「一応俺も剣術と魔法を鍛えてきたから頑張ればどっちでもいけるかな。最近は魔法ばかりで剣を扱ってなかったけど」


 もしかして俺たちバランス悪い?

 新しく買う予定の奴隷もその辺を考慮して買った方が良さそうか。


「クエストとは、やはり討伐系のものを中心に受けていくのですか?」


「そのつもりだけど」


 するとアリスが口を開いた。


「あのねマスター、アタシ達のパーティーランクってEよね? そのレベルになると多分全部魔法で瞬殺になるわよ」


「確かにゴブリンなんかには、高火力の魔法だけで一網打尽になってしまいますね」


「なら【自由制御(フリー・リミッター)】を使って練習がてら依頼を完遂して、金もランクも上がるのってのはどうだ?」


「悪くはないと思いますが、早めにランクを上げて上位のクエストでした方が、実績とより良い経験となにしろ金銭面で効率的な気がします」


 確かにその通りだった。あんまり考えてなかったから思いつかなかった。盲点だな。


 アリスもそうだと言わんばかりの首肯をする。


「確かにその通りだな。なら明日からはランクを上げることを優先的にして、上のレベルのクエストを軽くこなせるようになってから王都に向かう準備に入ろうか」


「アタシもそれでいいと思うわ」


「私も賛成です」


 はい。これでこれからの目標は決まったな。

 普段から真面目な話をしないからこういう話合いをすると脳も身体も疲れるな。


「よし! もう疲れちゃったな。風呂に入って明日のために体を休めるぞ」


「お任せ下さい。ご主人様の体を隅々まで洗うのが私の仕事です!」


「アタシにもやらせなさいよ」

 

 当面の目標は決まった。明日からは少しだけ忙しくなりそうだ。

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