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020 異世界では薬草依頼が衰退しました

 宿に帰ってから夜まで、新しいスキルとアイテムについてエミに説明しながら確認した。


 とは言えエミにはスキルで得た全報酬のうち3割程度しか話していない。すべて話すのはこのタイミングではない気がしたためだ。特に【忠誠の腕輪】などだ。


 取り敢えず、【優等生】を使ってステータスを見やすくした。



<名前> タケト=マツモト

<種族> 人族

<年齢> 17

< LV >51

<HP>1168/31430(+200)

<MP>1168/31430(+300)

<攻撃力>31430

<防御力>31430

<素早さ>31430

<命中率>31430

<会心率>31430

<魔攻力>31430

<精神力>339200

 装備:下着一式、防具一式、アイテムポーチ

 所有金額:248827エン

 スキル:【全てを見通す目】【鷹の目】【顕微鏡】【聖剣術Ⅰ】【体術1度】【隠蔽】【制御リミッター】【生活魔法1度】【回復魔法Lv.Ⅲ】【火魔法Ⅰ】【水魔法Ⅰ】【雷魔法Ⅰ】【風魔法Ⅰ】【土魔法Ⅰ】【聖魔法Ⅰ】【闇魔法Ⅰ】【虚魔法Ⅰ】【性魔法Ⅰ】【空間魔法Ⅰ】【古代魔法Ⅰ】【自学自習】【超頭脳】【暴飲暴食】【超生成】【無効化Ⅰ】【咆哮】【優等生】【自在魔法】【錬金術Lv.1】【切磋琢磨】【経験値効率上昇】【吸収】【使役】

 固有スキル:【年功序列】

 簡易設定:【自動換金 ON】



 統一のされ方は次のようになった。ほかのスキルが増えるにつれ、新たに統一されることもあるかもしれない。さすればもっと見やすくなるに違いない。

【並列思考】+【高速思考】=【超頭脳】

【生成魔法】+【生成魔法具】=【超生成】

【物理攻撃無効化Ⅰ】+【魔法攻撃無効化Ⅰ】=【無効化Ⅰ】

【無詠唱】+【想像魔法】+【高速魔法】+【並列魔法】=【自在魔法】


 ちなみに未だ解放されていない固有スキル【????】は見にくいので非表示にしておいた。

 流石は【優等生】、ノートまとめが上手だな。相当見やすくなった……気がする。

 ちらっとエミのステータスも覗いてみる。




<名前> エミ・リコルレット

<種族> ダークエルフ(奴隷)

<年齢> 2896

< LV >12

<HP>2600/2600

<MP>0/69577200

<攻撃力>200

<防御力>200

<素早さ>250

<命中率>250

<会心率>120

<魔攻力>200000

<精神力>50000

 装備:下着一式、私服一式

 スキル:【火魔法IV】【水魔法Ⅲ】【雷魔法Ⅱ】【風魔法IV】【初級土魔法Ⅰ】【無詠唱】【魔法強化】

 異常状態:成長抑制(18%崩壊)、魔法使用不可(19%崩壊)、魔力枯渇(8%崩壊)




 どうやら一度使うと他の人のステータスも俺から見ると統一されてしまうようだ。


【魔力増大】+【魔攻力増進】=【魔法強化】と統一されたらしい。


 しかしエミのスキルを見ると俺のスキルが産まれたての小鹿に見えてくる。まだ立つことも難しく足をプルプルさせてる感じの。


 エミはMPが治れば間違いなく俺より強い。えげつないくらい強い。俺も頑張らんとな。


 俺とエミの新たなステータスから魔法系統のスキルの表し方はⅠ~Ⅴまでの5段階だろう。


「エミ、ちょっと自分のステータス確認してくれ」


「わかりました、ステータスオープン!」


「……どうだ?」


「表示が少し変化しています。前より見やすくなっていますね、これが【優等生】のスキルの効果ですか?」


「まぁ、そんなもんだな」


 やはり、パーティーメンバーも俺のスキルの恩恵を受けるようだ。


「さすがご主人様です。かっこいいです!」


「いや、俺は何もしてないから。むしろエミのおかげで強くなってるから」


 エミが盛大な勘違いをしているので直してやると、ぱぁっと顔を輝かせて「そうですか! 私はとっても幸せです」と嬉しそうに言ってきた。


「よかった、とか嬉しいじゃなくて幸せなのか?」


「はい、私の過ごした苦痛な時間もご主人様のお役に立っているならこれ程幸せなことはありません」


「······エミ」


 エミは辛い思い出を口にして尚本当に幸せそうに、いや、実際幸せなんだろうが微笑んでいる。そんな姿を見て俺は思わずエミを強く抱き締める。


「ありがとな」


「······はい」


 ここで「すまん」や「ごめん」の謝罪よりも感謝を伝える方がエミは求めている気がした。


「明日からはゴブリン狩りだな」


「早く助力できるように頑張ります!」


「いや、エミは飴舐めて後ろで待機しててもらうからね」


「え?!」


 俺の予想外の提案に固まってしまったエミ。理由を説明すると渋々納得してくれた。

 

 今晩は明日のために少し早めに寝た。



 ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎



「りゃあああああぁぁぁぁっ!! っそおぉぉおいっ! おらっ! おらっ! おりゃあああぁ!!」


 勘違いしないで欲しい。決して全力で阿波踊りに興じている訳では無い。ゴブリンを利用してのレベリングだ。


 森の中で十数匹で構成されたゴブリンの群れを剣で蹂躙していく。


 正直ステータスが上がりすぎて今までは命の危険すら感じることのあったゴブリン刈りは唯の作業と化している部分はある。


制御(リミッター)】を最大限使ってこの余裕。数値的には6000強もあるのだから当たり前なのは当たり前なのだが。


 さっさとレベルを上げてもっと強めの【制御(リミッター)】をかけれる様にしたいものである。力に振り回されて技術が伸びないため、普段は身の丈にあったステータスで生活して行きたい。


 後ろから飴――ではなく石を舐めながらひたすらに俺を観察しているエミ。後方の安全な位置から俺の剣術をまずは見せることから教えることにした。


 これでも【剣術】はかつての訓練の成果で一般人よりはレベルが高いため、見ているだけでも覚えれると踏んだのだ。


 エミは魔法重視の戦闘になるだろうが、万一枯渇のことを考えて、最低でも自衛をできるくらいまでは鍛えるつもりでいる。


 それに【経験値効率上昇】に加えエミが対象の【切磋琢磨】でエミのレベリングも兼ねているという完璧過ぎる作戦なのである。


 美味すぎるにも程がある。


 大量のゴブリンをアイテムポーチに詰め込み、ギルドに帰って前の残りと合わせて全部売り払った。

 ゴブリンの死体なんて使い道がないし、素材も質が悪い。売って僅かにでも金になるなら売るのが常だろう。


 受付嬢からクエストの賞金を貰い受け、エミを連れて昼食をとろうと外に向かおうとすると、受付嬢に呼び止められた。


「あ、あのタケトさん! ランクの昇格試験が明日有るのですが受けますか?」


「え? ランク上がれるんですか?!」


 思わぬ呼びかけについ驚きながら聞き返した。


「はい、ええと、タケト様はFランクの依頼を着実にこなして、更に礼儀もいいとのことで昇格試験の資格を得ています」


「依頼はともかく礼儀とかも見られるんですね」


「はい、私達受付嬢や職員、普通は気づく方はいませんがギルドマスターも一般人の格好でよくウロウロしてますよ」


 ギルドマスターは暇人なのか。忙しそうな職なのに案外そうでもないようだ。


 それに礼儀って、鋼鉄のなんちゃらさんはあんな素行の悪そうな感じなのに。よく昇格できたな。


「昇格試験はパーティーメンバーも受けれますか?」


「はい、ランクがC以下の昇格試験はパーティーメンバーも同時に昇格に挑戦できるようになっています」


「ならエミも受ける事にしてください」


「わかりました。内容は筆記のみです。筆記用具などは全てギルド側が準備しますのでこれといった必要物はありません」


 エミはフードをかぶってだんまりだが受けたいという意思は伝わってくる。体が弾んでいるからだ。


「そうだ、なら今の時点で残ってる薬草採取の依頼を全て受けたいんですが······」


「確かにランクが上がると自分のランク以下の依頼は受けないという暗黙の了解を破ってしまうことになります。還元率の高い薬草採取の得意なタケト様はFランクとしての悔いを残さないために最後まで食い散らすおつもりなんですね?」


 なんだそのディスりながらの実況風長口は。


「そうですけど、食い散らすって随分と酷い物言いですね······」


「ふふふ。冗談ですよ。まぁあながちそうでもないんですけど」


 そう言うと受付嬢は奥の部屋から山のようになった依頼書を持ってきた。それを受付の俺の前にドンッと置くと笑顔で「これら全部採取の依頼ですよ」と言ってきた。


「ええええええぇぇぇ!? 幾ら何でも多すぎでしょ」


 驚き呆れるとはこのことだろう。何故こんなに依頼を溜め込んでいるのか。ギルドなら依頼書を貼るなり、低ランクの冒険者にお願いしてやってもらえばいいのに。


「採取の依頼を受けるのはタケト様位のものですよ。普通冒険者は討伐メインなので。薬草採取得意なタケト様は暫くどこかに行って今の今まで採取の事も忘れてましたよね? 新しい冒険者もスリルがないだの見分けがつかないだのめんどくさいだの……誰も受けてくれなかったんですよ」


「心中お察しします」


 俺は心からそう言った。


「ちなみにどれくらい取ってくれば全部達成になりますか」


「もう月日が経ってタケト様の薬草発見の感覚が鈍っていれば厳しい数。鈍っていなくとも厳しい数です」


「え、それはつまり」


「はい、さすがの薬草マスターでも無理だと思う数です……」


 一体どれだけの数溜め込んだんだ。引き伸ばして焦らすから緊張して生唾を飲み込み、受付嬢の次の言葉を待つ。


「その数はざっとですね」


「ざっと······」


 ゴクリ、と生唾を呑み込む。


「3万と言ったところでしょうか」


「おっふ」


 ファッツ?? ワタシスウジワカリマセン。


 ぐぬぬ、しかしやり遂げればランクFとはいわずCやBあたりでも喜ぶ報酬のはず。そしてランクアップしてしまえば最早手を出せない案件······ならばっ!


「昇格試験の筆記は難しいですか?」


 唐突に逸れた話題を持ってきた俺に疑問を浮かべながら答える受付嬢。


「名前を書けば受かると言われているくらいですから」


「わかりました、エミには悪いが飯を食べてから徹夜で採取してきますっ! 受けるってことでお願いしますね」


 時間が無い。俺は急いでエミをお姫様抱っこで食堂を探しに出たのだった。

 フードに隠れたエミの顔は大層幸せそうだったそうな、めでたしめでたし。




 ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎




 エミが本で薬草の見分け方を知っており、俺の【全てを見通す目】とエリの『8割合っている薬草を見分ける目』を合わせて朝までにどうにか薬草を用意できた。

 昇格試験も2人とも合格。


 ランクがひとつ上がった上、大金を手にし良いこと尽くしだ。

 ただ、森から薬草が概ね消えてしまったことだけは良いこととは程遠いが。


 その晩、エミを抱きながらマイホームが欲しいなと考えながら眠った有頂天な俺がいた。今日のところはこれぐらいでいいだろう。


  一晩で荒稼ぎしたんだ。それくらいの考えをしたって誰も文句は言わないよな?

次回は明日朝七時に投稿します。

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