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011 いい湯だなぁ、こいつがお風呂回って奴か悪くねぇな

 一悶着あってエミと手を繋いで宿まで帰ってきた。今までの俺達の距離を知っている全員が突っ込むレベルで縮まった。物理的に。


 わかり易くいうとエミがデレた。もうそんなにっ!? っていうレベルで。今も俺の腕に抱きついてきている。


「あらあら、若いっていいわねぇ」


 この宿の女将さんにもニヤニヤしながらいじられる始末。恥ずかしすぎて顔から火が出るかと思った。


 部屋に戻るとまずはステータスを確認する。




<名前> タケト=マツモト

<種族> 人族

<年齢> 17

< LV >39

<HP>790/790

<MP>790/790

<攻撃力>790

<防御力>790

<素早さ>790

<命中率>790

<会心率>790

<魔攻力>790

<精神力>3280

 装備:下着一式、私服一式、アイテムポーチ

 所有金額:350683エン

 スキル:【全てを見通す目】【剣術Lv.89】【体術Lv.68】【初級回復魔法Lv.99】【中級回復魔法Lv.99】【上級回復魔法Lv.22】

 固有スキル:【年功序列】

 簡易設定:【自動換金 ON】



 


<名前> エミ・リコルレット

<種族> ダークエルフ(奴隷)

<年齢> 2896

< LV >12

<HP>2600/2600

<MP>0/69577200

<攻撃力>200

<防御力>200

<素早さ>250

<命中率>250

<会心率>120

<魔攻力>200000

<精神力>50

 装備:下着一式、私服一式

 スキル:【初級火魔法Lv.99】【中級火魔法Lv.99】【上級火魔法Lv.99】【超級火魔法Lv.26】【初級水魔法Lv.99】【中級水魔法Lv.99】【上級水魔法Lv.26】【初級雷魔法Lv.99】【中級雷魔法Lv.68】【初級風魔法Lv.99】【中級風魔法Lv.99】【上級風魔法Lv.99】【超級風魔法Lv.56】【初級土魔法Lv.1】【無詠唱】【魔力増大】【魔攻力増進】

 異常状態:成長抑制(13%崩壊)、魔法使用不可(11%崩壊)、魔力枯渇(5%崩壊)



 おお、久々に見てもエミのステータスは凄いな。賢者の石の効果で異常状態も少しずつは回復しているようだ。ただ今日は服屋の試着の時から舐めさせてないからそこまで効いてないっぽいな。


「エミ、どうやら飴の効果で少しずつ異常状態も回復しているようだから、明日からまた舐めてもらうよ」


「っ!? ほんとですかっ! 絶対無理だと思ってたのに……ありがとうございますっ!」


「っぐぁ!」


 すかさず抱きついてきているエミ。そのままベッドにダイブする。嬉しいのだが、勢いそのままにこられても対処できないのが辛い。


 そのまま頭を撫でてやる。嬉しそうな表情をするので続けているとエミの抱きしめる手が強くなる。


「ちょっとエミさん、力弱めて貰えます?」


「ご主人様? どうされました?」


 固定された笑顔のままでさらに力を強めてくるエミ。不味い。痛いわけではなくエミの胸の感触が……。


「やめて! マジでダメだって!」


「ご主人様、私のこと嫌いですか?」


 笑顔のままで胸を押し付けてくるエミ。この子わかった上でやってる! しかも笑顔で……もうあの一件から躊躇が無さすぎなのでは?


「分かってるだろ! 当たってるんだって!」


「当ててるんですぅ」


「キャラ変わりすぎだろ!」


 なんとかエミの束縛から逃れ、荒い息を整えてからこれからの事について話す。


「明日、エミにはギルドで冒険者として登録してもらう。その際に俺のパーティーに入ってもらおうと思う」


「了解しました」


「気になっていると思うがこれにはメリットがある。俺の固有スキルに関係するんだが──」


 俺はエミに固有スキルのことを話した。パーティーが増えるほど強くなり、スキルを得て、アイテムも貰えること。女性に年齢を聞くのは失礼だと聞いたことがあるが、年齢の高いエミはこのスキルに適合してること。


 固有スキルは重要なものだから誰にも話さないつもりでいたがエミはこれから仲間になるし、信頼もしている。隠す気はなかった。


「そのような重要な事を教えてくださるなんてありがとうございます」


「ああ、信頼してるから話しただけさ。でも一応保険はかけさせてくれ。【主よりエミ・リコルレットに告ぐ。『俺の固有スキルについての一切の口外を禁ずる』】」


「承りました。この事は墓場まで持っていきたいと思います」


「重いな……それと前も言ったけど、これからずっと一緒に行動するんだからもうちょっと砕けた口調で構わないぞ」


「いえ、しかし」


「俺がして欲しいの」


「わかりました。善処します」


「それそれ! 『善処します』じゃなくて『気をつけます』位にして! 貴族でもないのに恥ずかしいから」


「き、気をつけます!」


 そしてそのまま俺の横に照れながら寄り添ってくる。


 俺はエミとの隔たりが1日でなくなったことの実感が未だ湧いていない。解ってはいるが急にここまで来ると信じられない。特に女性と関わりを持つことのなかった俺の立場上。


「そ、そろそろ風呂にでも入るか?」


「はいっ!」


「じゃ、お湯入れてくるから。俺から先入るよ?」


「えっ!?」


 突如エミが絶望した顔でこっちを見てくる。


「エミ!? どうした!?」


「一緒に入って頂けないのですか?」


「そりゃまずいだろっ! 色々と!」


「でも、今までは一緒に入ってたじゃないですか!」


「あれは治療中と、その後少しの間だけだろう。怪我人に安静にしてもらうための応急処置だ」


「ご主人様はやはりエミのことを……」


「そのネタを持ち込むのはズルイぞ」


 ジト目で応戦するも一向に引く様子を見せないエミに屈した俺は結局一緒に入る事にした。


「背中流しますね」


「あ、ああ頼む」


 しかしこの宿は値段安い割に各部屋に浴槽付きとかどんだけ神装備されてんだ、と改めて感心する。多分この宿の素晴らしさを知ったらほかの宿にはいけない、そんな確信がある。飯も美味しいし。


「前も流しますね」


「だ、大丈夫だっ、自分で洗えるっ!」


「そんな、ご主人様の手を煩わせることは」


「無理だって! 俺の理性は限界なんだっ!」


「私の準備はできますっ」


「だからキャラ変わりすぎだってば」


 体を洗い終わり湯船に浸かろうとするとエミに止められた。


「ご主人様、奴隷である身で不躾なのは分かっいますがお願いしたいことがあります」


「俺はエミを奴隷として見てないし、そもそも奴隷という制度自体気にしてない。主従の関係はあるかも知れないけど別にそれも気にしない。だから叶えられる範囲なら別に願いなんていくらでも聞いてやる」


「治療中の様に私の体も洗って貰えませんか?」


「へ?」


「治療中の様に私の体を洗って貰えませんか?」


「oh………」


 しばらく思考回路がとまる。俺の頭はショートしてしまった様だ。


「治療中の様に私の体を洗って貰「聞こえてないわけじゃねぇ!!」」


 どうする。それをすれば元には戻れない気がしてならない。


「やはりこの願いは叶えられる範囲ではなかったようですね。すみませんでした」


「あーもうわかったよ」


 エミの悲しそうな顔を見るのは嫌だ。そしてその原因が俺になるなんてもっと嫌だ。決してエミの綺麗な体を合法的に触れるからというやましい気持ちは一切ない。一切ない。


「痛かったら遠慮なく言えよ」


 エミの背中を布で擦りながら尋ねる。


「丁度いいです。慣れてますね」


「俺が普段から洗ってるみたいに言うな」


 全く性格が変わりすぎて対処しきれないぞ。ついこの前まで片言で声も小さかったのに。まぁ、明るくて自分の気持ちをすぐに伝えてくれる今のエミも負けず劣らず魅力的で可愛いけど。


「終わったぞ」


「前もお願いします」


「ほら自分で「前もお願いします」」


「だか「前もお願いします」」


 俺は溜息をつきながらエミの前に回り込み、なるべく視界に入らないよう目線を逸らしながら洗ってやる。


「ご主人様、背中の時とは打って変わって雑な洗い方になりましたね」


「し、仕方ないだろ」


「治療中の時は……」


「あの時は俺も必死でそういう気持ちがなかったから事務的にできたんだよ」


「そうですか」


 何故か満足気なエミの声はとても弾んで聞こえた。

 2人て向かい合って湯船に浸かっていると、エミが真剣な面持ちで話しかけてきた。


「ご主人様、私のステータスを見て何も言わないんですね」


「まぁ、わけアリなのは察するけど別に言いたくないなら言わなきゃいいさ。なんにせよ、態度を変える気はさらさらないから安心しろよ」


「ご主人様ならそう言ってくれると思いました。私の過去について聞いてくれますか? 大した話ではないですけど」


「急にどうした?」


「何も知らずに私を大事にしてくれるご主人様に対してせめてこんな体になった理由(ワケ)だけでも知って欲しくて。黙ったままなのは嫌だったので」


「そうか」


 エミが話していいと判断したなら、俺はどんなに辛い過去だって聞き届ける。


「私は物心ついた時から檻の中で暮らしていました───」

次回はロリエミ目線です。

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