狂う歯車2
『バハムートだぁ?』
僕のスマホから父の驚く声が聞こえる
「うん、今は小さい竜になってもらってるけど武士の姿…召喚石の力で人化できるようになったとか…」
『なるほど…分かった。俺も何かしら調べよう』
そう言って父は電話を切った
「さて、ドルン。君はどこから来たのかな」
『我は栄光なる地より参りました。』
「栄光なる地…僕の召喚獣達とは違う場所だな…それでなんで僕の召喚に応じたの?」
『それは…天より一筋の光が我に向かってきたのです。その後は我はこの地におり召喚されたのだと悟りました。そして我を召喚した流様が倒れていたのです』
うーむ、ますます分からない。深く考えていると肩を誰かに掴まれる
「流〜?」
あっ、そうだ。忘れていたことそれは…
「なんで俺のこと忘れるのかなぁ…俺悲しいぞ…」
「だから、ごめんってば」
僕は慧に謝りながらドルンを紹介し経緯を説明する。
「つまり…召喚事故…みたいな?」
「うーん、召喚事故とは違う気がする」
召喚事故とは契約召喚をした時何かしらの原因で召喚が失敗しスライムが召喚されてしまう。ただそのスライムは本来召喚されるはずの召喚獣の技を持っていたりするので父はたまにわざと失敗させていたりする。
「まぁ、召喚されちまったものはしょうがねぇよな。だからさぁ…流よぉ」
あ、これは嫌な予感
「早速、召喚バトルしようぜ!」
やっぱりな…
「分かったからくっつくな!暑苦しい!」
「よっしゃ!なら、バトルフィールド展開するぞ」
【アプリ(一族の契)】には一族同士を鍛えるため訓練…召喚獣を戦わせることで鍛えることが出来る。
「領域展開!!」
【アプリ(一族の契)】はその訓練をする時にのみ発動できる領域を展開できる。これを発動すると展開されは場所は現実から隔離され一時的に別空間となる。つまり、現実への損害は0だ。
「いっけぇ!ネコ吉!九尾!ねこねこねこ!」
慧は自らが契約している召喚獣を全て出してくる。危険度【F】の猫又のネコ吉、危険度【s】の九尾、危険度【c】の猫塊のねこねこねこ
「あれ、慧…九尾なんていたか?」
「ふふ…流よ。昨日運試しに契約召喚したら召喚出来たんだ。」
今まで猫系しか出てこなかった彼にとっては嬉しいのだろう
「出てこい!僕の獣よ!」
僕は危険度【?】バハムートのドルン、危険度【B】のドッペルゲンガーのドルっぺ、危険度【F】のカマイタチのカマカマを召喚する。
「ドルン。君の実力を見たい。全力で行ってくれ!」
「おまかせを我が主よ!」
「「バトル開始!」」
結論から言うと…ドルンは強すぎた。
ドルンがブレスを一閃すると慧の召喚獣は達一瞬で蒸発した。危険度【s】の九尾を一撃で葬られた慧は只今放心状態だ。
だが、ドルンは強い。とても頼もしい召喚獣と契約できたのは嬉しいことだ。