狂う歯車1
「よう、流!」
教室への扉を潜り扉が消えた瞬間肩を叩かれる
「おはよ…猫」
「だから、猫って呼ぶなぁ!」
彼は猫又 慧…幼馴染でみんなから猫って呼ばれてる。
「流のお陰で猫と話せるから楽しいぜ」
僕は彼にアプリ【一族の契】を渡している。彼はやはり猫系のモンスターに好かれるらしい。契約召喚でも猫系…特に猫又が多い。
契約召喚とはその名の通り召喚したモンスターや召喚獣と契約するモノだ。召喚に応じるのは大抵ランダムだ。いわゆる…ガチャだ。
「今日の放課後…契約召喚しようと思うんだけど…」
「まじ!?見る見る!!」
「じゃあ…放課後…僕の家ね。」
「がってん!了解!!」
まぁ…今日は午前だけで終わるから慧も上機嫌だ。
〜放課後〜
「じゃあ…家に帰るから捕まってくれるかな…」
「おう。」
そう言い彼は僕の肩に手を添える。それを確認した僕は扉を呼び出し自室に帰宅した。
「さて、契約召喚は庭でやるから庭に行こう。」
「あれやろうぜ!あれ!」
「あーはいはい。」
「「我!契約召喚に突入す!!」」
馬鹿馬鹿しい…某戦艦ゲームでやってくれ…
そう思いつつ僕は契約召喚をするための準備をする
「あ、流!お前召喚石50個もあるじゃん!」
「召喚獣達をお世話してたらお礼にくれたんだよ。10回連続契約召喚するよ」
「ゲームで言う10回ガチャだな!!」
そうともいうな…。召喚石を持って僕は魔法陣を展開する。
展開した魔法陣の真ん中に召喚石を置く。
「我れは欲する!新たな仲間を!新たな力を!獣達よ!!我が声に答えよ!」
魔法陣の回転画早くなる…一つ…二つと召喚石が光り始める。
「…?」
何が起きた?召喚石が一瞬で消えた。
「おい…流…?何が起こった…?」
「……分からない。こんなこと初めてだ。」
魔法陣が光を増した。地面にあった魔法陣が空中に浮き始め僕の前で一際光を増した。
「この光景…どこかで…」
気づくと僕は誰かに抱えられているようだ。慧だろうか…いや…こんなに手が大きい訳がない…
「んっ…?」
「気づかれましたか?主君よ」
「………えっと…貴方様は?」
「はっ!我が名はバハムート…主君の声に応じ参上いたしました!」
バハムート?バハムートとはドラゴンのイメージが強いがどう見てもこのバハムートは武士である
「バハムートって召喚獣…」
「主君の天の石が私に人化の能力をお与えくださりました…」
天の石…?あぁ、召喚石のことか。
「え、じゃあ…ドラゴンの方にもなれるの?」
「はい勿論!今ここでお見せ致しましょうか?」
「いえ、結構です。あと、口調は無理しなくていいからね」
こんなところでドラゴン形態になってもらっては困る…
「バハムートって名前じゃ呼びにくいから…よし!バハムート!お前は今日からドルンだ!」
召喚主と召喚獣との契約がいま結ばれた
「我が名はドルン…主君の誠実な下僕で御座います。なんなりとお申し付けを…」
「そうだな…まず小さなドラゴンになれる?」
できますと言ったドルンは可愛らしい幼竜の姿になる
『これでよろしいですか?主君よ。』
「うん、いいよ。あと主君はやめてくれ。流でいいよ。」
『心得ました流様。』
ドルンはどうやら常に召喚されたままになれるらしい。異例だ。今までにない事例だ。とりあえず、ドルンには僕の護衛をするよう言った。
不思議な事だらけで何か忘れてるような……まぁいいか。父に相談しなくては。