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2.5 不機嫌なウサギ32

「久し振りだな、エイミー」


 ニカッと笑うパウルに向けて、エイミーさんは何時もとは違う微笑を称えている。

 あれ?どうしたのかな?と、眠って居る竜王様のベットに寄って腰掛けると、私の手のひらの上に少し小さくなった竜王様の手が乗る。

 白い、少しだけ私より大きい手。

 起きたのかな?と思って竜王様のお顔を覗き込むと、スウスウと規則正しい寝息と整った、でも少し幼いお顔。

 ちょっと、可愛い。

 大人の時の端正なお顔とは違い、お鼻も少し低くて目元もあどけないし、輪郭も少しだけ子供っぽく丸みがある。ほんと、美少年だ。よくよく見てみると、子供だけど切れ長な目付きはやはり竜王様であって。

 こうしてよく見ると、ハイエルフみたいだよな~って思う。

 一度だけグリンウッドで見たことがある、あの色白のハイエルフ。

 あの時は私と弟はまだ産まれてから数日しか経って居なくて、あの時はまだお母さんも生きていた。

 そのハイエルフが何故か私達の棲む巣穴にまでやって来て、『お母さんとお話』をして、弟に『何かを言って術を掛け』、私にも『何かの術』を掛けた。


 あれ?

 あの人、確か名前ーー…『めいゆ…』!?

 もしかしたらお母さんとお父さんが言って居た、メイユンってこの人の事?人の名前だったの?てっきり何かの物の名前かと思ってた。

 去り際にこのハイエルフの人は私に、『君がもう少し大きくなったらまた逢おうね』と言ってた気がする。




 この人なのかなぁ…




 等と私が思って居ると、


「何時までも此処で燻ってる場合ですか?貴方らしくもない」


「面目ねぇ。ちーと情報が欲しかったのと、嬢ちゃんの事とか驚く事が多すぎて休憩しちまった。お?その子が土の?」


 え~驚く事の【主】なのが私っぽく聞こえるんだけど?と思って見ていると、側に飛んで居たミトラさんの精霊のルーナちゃんが「うんうん確かに~」と頷いて居る。

 むむ~竜王様やアドニス様じゃないけど、解せぬ~!


 パウルさんが近寄り土の精霊に触れようとすると、


「やー!!ままーママァ!」


 と火が着いた様に泣き喚き出した。



「わりぃ、俺昔から赤ん坊と子供には好かれなかったっけ」


 カリカリと困ったなと後頭部を掻いている横に並び、


「エイミーさん、赤ちゃん貸して下さい」


 と言って受け取ったら、泣き喚いて居た土の精霊の赤ちゃんが、


「ママ!」


 と、涙を引っ込めて嬉しそうに笑って抱き付いて来た。



「あ、えーと、嬢ちゃんの赤ちゃん?」


「竜王との子供!?」


「うえええ!?マジ!」


 今、土の精霊の赤ちゃんって言ったじゃ無いですか………

 三人の国の重鎮さん方ってもしかしてボケてるのかしら?

 それともワザと?


 ガックリと肩を落として項垂れたら、腕の中に居た赤ちゃんが「ママ?」とキョトンとしていた。

 うん、ママ疲れたょ……







 ***







 魔力も使ったし、ちょっと眠くてグッタリし始めた私にマミュウさんとエイミーさんの二人によって、他の人達はやや強引に別の部屋に移動する事になった。

 勿論眠って居る竜王様を気遣ってと言うのもあるのだろうけど。


 …何故か知らないけど、大統領のパウルさんが赤ちゃんに寄ると泣き喚いてしまう為、エイミーさんがパッパッと皆を移動させてくれた。

 エイミーさん有り難う。

 あのまま話し込まれると、竜王様起きてしまいそうで嫌だったのよね。


「ママァ」


 甘えて来る土の精霊の赤ちゃんを一度ベット脇に降ろして、このままじゃあ落ちちゃうかな?危ないかも?と思って部屋の中をキョロキョロする。

 するとエイミーさん達と入れ替わりに来ていたキーラちゃんが、


「御嬢様、此方の一人用のソファーの上なら丁度いいかと思います」


 と、ベット横に持ってきてくれた。

 お礼を言ってソファーの上にタオルを置き、その上に赤ちゃんを下ろすとキャッキャッと上機嫌になる。

 あれ?なんでかな?と思ったら、


「パパ~」


 と、寝ている竜王様に手を振って1つ大きな欠伸。

 どうやら赤ちゃんが居る位置から竜王様が見えるみたい。

 どんな感じ?と思って、赤ちゃんが居る高さに頭を持って来るとーー…


 やだ。

 どうしようっ

 き、綺麗なお顔が目の前にっ!

 私が移動したらまるで示し合わせた様に竜王様が寝返りを打ち、私の至近距離にお顔がっ!



 ひゃぁあああっ!!



 急に来たから心臓が飛び出るかと思ったー!

 そして私エライ!


 驚いて大声を出しそうになった途端赤ちゃんの事を思い出し、慌てて口に両手を当てて後退る。

 視線を下に向けて赤ちゃんを見ると、欠伸し終わった途端に寝入ってしまったらしく、スヤスヤと眠りに付いていた。


 良かったぁ起こさなかったとほっとして居ると、キーラちゃんが赤ちゃんにタオルを掛けてくれ、


「さ、御嬢様も少しは御休みになって下さい。とは言え何時もより短い睡眠になりますが。明日は【朝日が昇る前】に起こしに来ますからね?」



この国の重鎮さん達はノリが変な様です。

約一名本気で言ってる人が居そうですが、冗談です。多分。きっと。

………一人以外は。



最近少しスランプ気味で書くペースが落ち気味です。フェアリーキス物を書いているのですが、上手く書けず何度も何度もやり直しをしたり、別作品を書いたりしてみるのですが、途中で躓いてしまいます。令嬢物って読むのと書くのでは随分と違うのですね~。とても難しい………

資料を見返し、文章の粗を取ると見事に躓き、と繰り返して居ます。

これはアレだ。

資料の挿絵の昔の衣装が西洋の昔の衣装で、サビ○ルなのが悪いっ!あの襟!何故皆襟巻き蜥蜴かパイプオルガンの蛇腹みたいにビラビラ折って襟立ててるのっ!資料見てると腹筋崩壊しそうで困るっ!!図書館で最初肩揺らして笑ってしまったわっ!

あと1つは…パン焼き機購入してしまい、余りの美味さに二日に一回焼いていて、色々試して作り倒して居るせいかも…。

パン美味しい………

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