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2.5 不機嫌なウサギ16

 あの後、ちょっと私には分からないお話を竜王様達がして、その中で解ったことは私と弟にはグリンウッドを活性化させる力があり、そのせいでファンダム周囲の木々は枯れずに居るのでは?と言う仮説を聞きました。

 とは言え今は只の仮説でしか無いのですが。

 私はむしろ御父さんやお母さんが居たからじゃないかな?と思い、皆に話しました。私と弟を産んだ両親が、第三第四の光と闇の精霊であったと(最も産んだ時はお父さんもお母さんもノーブルウサギだったのだけど)。

 でも光と闇の性質的に木々には光は兎も角、闇はあまり作用しない(少しはするみたいだけど)ので違うのでは?となり、そこで取り合えずお開きとなりました。

 勿論竜王様やマルティンさん達は今後の対策を練る事になり、流石に私は渋る竜王様を説き伏せて部屋を退出させて頂きました。

 いや、だって分からないし。

 それよりなら理解出来るようにお勉強です!


『うぬぬぬぬぬ…』


「ふっふーん降参かぁ?」


『まだまだじゃっ』


「えーメンドクセー」


『少しは待たぬか、御主そんなことじゃまた女神と喧嘩するぞ?』


「うげ」


『待つことが出来ぬ男はモテぬからの』


「…うぇぇ」


 横で聞こえるボートゲーム(アドニス様曰く、前の世界のチェスに似たような物らしいです)で遊んで居るアドニス様とミトラさんの声を耳にしながらも、私こと元ウサギはペンを持って文字の練習中です。最近はウサギとレインと言う文字が書ける様になり、マルティンさんとマミュウさんのお名前も書ける様になりました。ちなみに竜王様の文字はちょっと難しくてまだ出来ません。お名前予定の"ファレノプシス"も文字で書くのも禁止らしく、仕方無いので短縮したお名前書いて良いですか?と聞いたら、「あだ名をつけてくれるのか?」と物凄く喜ばれました。

 …何ででしょ?

 兎に角、何故か『庭に出た方が良いのじゃ』と言うミトラさんの指示に従い、今私は玄関横のお庭に居ます。

 ちなみに、竜王様曰く精霊達の警備も付いたし、マミュウさんやキーラちゃんにリアムさん達か護衛が居れば、玄関横のお庭ならば外に出るのはOKとなりました。また、夜ならば屋上もいいらしいです。精霊さん達有り難う御座いますっ!


「な~ミトラ」


『なんじゃ』


 コトンと言う音がし、やっと駒(と言うのかな?)を動かしたミトラさんに対し、アドニス様が伺う様に見つめ、


「何で嬢ちゃん此処に連れて来たんだ?」


『それはの、仮説の立証みたいなもんじゃな』


 ぐぬぬぬぬと唸るミトラさんの駒の前に立ち塞がる駒に、アドニス様が「ほれ、そろそろ後が無いぞ」と言いつつ、


「立証?」


『そうじゃ、そろそろいい具合に集結しとるしの』


「何が?」


『ふふ、なってからのお楽しみかの』


「なんだそりゃ」


 むむむ?とアドニス様は唸ってミトラさんを見詰めます。


『まあまだ仮説じゃからの』


 コトンッと音がし、同時に「ぬぐあっ!」とアドニス様の声が響きました。


「ふおおっ!ミトラ何時の間にっ!」


 あらあらと言うマミュウさんの声が聞こえます。どうやら形勢逆転し、アドニス様が押されてるようです。

 ちなみに私はマミュウさんを先生にしています。きちんと丁寧に教えてくれるのでとっても頼りになります。

 えへへ~マミュウさん大好きです!


『ふふん、どーじゃ?妾もやるようじゃの。と言うかこのゲーム、ファンダムやアベントに普及させたいのぅ、身体が弱い者や子供にも喜ばれそうじゃな』


「あ~これまだ試作品なんだよな、もう少し改良したら幾つか職人に作らせるから持ってくか?勿論材料費とかは職人と検討して支払って欲しいが」


『ふむ、それなら商人を通した方が良いかの』


「ならばマルティンの領域かな、後で話しとくわ」


 何でもマルティンさんは、城下街で商人の鑑とまで言われているとか。何だか凄い人だったのですね、マルティンさん。


 あ、そうだ。竜王様のあだ名を考えないと。

 …あんなに嬉しそうにしてたからちゃんと考えないとね。

 ファレノプシスを短縮でいいのかな?文字で書くとどんな文字になるか分からないから、そのまま短縮でいいかな?


 うーん…

 ファシス?ううん、何だか違うような?

 ノプシスって確か"もしかして"って意味だから違うなぁ。

 シスは…何か却下。違う気がする。

 レノ?短縮しすぎかなぁ?でもこれかな?私のレインの一文字あるし、って、………ひゃぁぁあっ!


「御嬢様?」


「ぴっ!」


 ふわっ、つ、つい変な声出ちゃったよっ!


「どうしました?急に顔が真っ赤になられて」


「ぇええっあ、あのっ」


 ワタワタしてたら、背後にある(と言っても結構な距離があるけど)玄関の扉が開いて、竜王様とマルティンさんがゆっくりした歩調で歩いて来る。

 その隙に赤面した顔を元に戻さなきゃ!


「姉上」


『…来たかの』


「やはり此方に?」


『ふむ。この古城の辺りが今は一番空気が清浄じゃし、力に満ちとるからの』


「成る程。約500年振りですかね、こうして見られるのは」


 何の会話だろう?二人だけで解る会話なのかな?と思ったら、マルティンさんも理解してるのか、此方を見て少し微笑んでくれる。

 これはマルティンさんも知ってるんだろうなぁと思ったら…あれ?

 って、あ!


「空が…」


『ふむ、皆来たかの』


 上空を見ると埋め尽くす程の数々の精霊達があつまって来ており、私と目が合うと「うさちゃーん!」と手を振ってくれる。あの手を振ってくれてるのは先日来た子かな?顔に見覚えがある。此方も手を振って返したら、「キャーッ!」と言う声が聞こえて来た。


ストック無くなりました(´・ω・`)


活動報告にも書きましたが、フェアリーキス用の作品を書き上げたかった為に在庫切れ。

少し書き貯めます(;^_^A

(しかも〆日今月と勘違いしてた…駄目すぎ)

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