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2.5 不機嫌なウサギ14

前半マルティンside

後半ウサギside


分かりにくくてすいませんm(__)m

「はにゃぁぁぁ…」


 すっかり照れまくり、何故かベットのシーツを頭から被って居る御嬢様は端からウサギ耳やら片足やらが出ており、御主人様がその様子を穴が空くくらい見詰めて居ます。

 …どうやら今回カブリスが製作し、御嬢様に着せた服は御主人様のストライクゾーンだった様で、心の中が見れたならきっと御嬢様の事しか考えて居ないでしょうね。ええもう、それは呆れるくらいに。断言出来ますよ。「ああ可愛い…」ほら、今もまた御主人様の無意識に放った言葉に御嬢様がビクッとなってます。

 まるで小動物のように、って元はそうでしたね。


「ええと御主人様、お身体は宜しいので?」


 ああアドニス様が呆れまくった顔で御主人様を見ておりますがそれはそれ、先程の話をしないといけません。ですがその前にと、ポケットから懐中時計を取り出し時間を確認。先に昼食にすべきでしょうか。


「体調はかなりいい。熱は下がったと思う」


 寝ていたベットから上体を起こした御主人様に、御体を冷やさない様にと壁に掛けてある上着を掛けようとし、手を止める。これは御主人様の大人用の寝間着…?しかも上着だけ。

 チラリと御主人様を見ると視線が横に。

 ほんっと分かりやすい。大方御嬢様と共にお昼寝でもしたのだろう。だから御嬢様は今朝と違う服装をカブリスに着せられたのでしょうね。成る程。


「では遅くなりましたがお昼にしましょう。御嬢様は其処から出ましょうね?」


「はいぃ…」


 小さな声に少し、口許のみで苦笑した。





 ***




「…(モグモグ)」


 何だかアドニス様の視線が痛いです。

 あれからお昼ごはんって事で私は退出しようかとしたのですが、竜王様が引き留めて、尚且つ手を離さなくて今は左手が竜王様に捕まれたままです。何か物凄い生温い空気を感じるのだけど~…

 これ、私が居ない方がいいお話をする気じゃないのかなぁ。案の定アドニス様の目線が痛い。とは言え私に刺さってるワケでは無くて、竜王様にアドニス様が"察しろよ!"とばかりに視線に力を込めているけど、柳に風と言う風に視線を受け止めて居る竜王様は我関せずと言う風にすましている。


「レイン、あーん」


 そして私は苦行の最中です。

 うん、ごはんの味がしないよっ!


「御主人様程々になさって下さい、御嬢様が困ってますよ」


 そうですそうです!この苦行の状態から解放してっ!


「せめて手を離してあげて下さい」


 ってそこ…いや、手を解放してくれるのは嬉しいけど、出来たら部屋から出たい。そして餌付けから解放されたい!


「断る。レイン、ほら」


「………」


 うん、諦めた。

 口を開けると満面の笑みの美少年。何だかなぁ。


 せめて草が食べたい…


 別にオットー達の作ってくれるごはんが不味いワケじゃない。でもね、生まれてからずっと草原の草がごはんだったのに、急に人間になったからと言ってもどうしても食べられ無いと言うか、受け付けられない物がある。

 それはお肉。

 所謂デンジャー!

 美味しいんだよ?でもね、食べると時間がたってから何だかこう、段々と胸の辺りがムカムカしちゃってね~…胸焼けっていうのかなぁ?非常に困る。

 で、今それが入って居るサンドイッチが目の前にあるわけで。

 …。

 あのお肉勧められたらやだな…。

 そう思ってじっと見ていたら、竜王様がそのお肉入りのサンドイッチをお皿の端に寄せた。

 …ん?

 あれ?と思って竜王様をみたら、アドニス様に「食うか?」と聞いてる。


「竜ちゃんいいのっ!?」


 アドニス様凄い勢いですね。好きなのかな、お肉。


「レインはこっち」


 と、私の前にサラダが沢山挟まったサンドイッチ。

 レタスにキュウリにトマトが入っていて、少しだけお塩が掛かって居る私の好物っ!ちょっと野菜ではないチーズがあるけどこれは好きーっ!ってあれぇ?これハム入って無かったっけ?と思って居るとアドニス様がハムをモグモグしてる?


「レインは肉が苦手だろ?」


 等と竜王様は言い、自分の分のサンドイッチを一口。

 あれ?話したっけ?と思って居ると、


「普段無理して肉を食べて胸焼け起こしてるだろ?無理しなくていいから。魚は平気か?今チーズを食べたが、チーズは大丈夫か?」


 うんうん、チーズとお魚は好き。牛と豚のお肉は受け付けにくいけど、他は分からないと答えておく。

 実は鶏肉は物によって平気だからね。卵も平気だし。


「だ、そうだ。マミュウ、今度から無理強いしないように。それとオットーに言って今度から彼女には牛と豚は避けるように」


 あれ?マミュウさん何時の間に来たの?あ、謝らなくていいですっ!私も最近分かったのだし。逆に言わなくて御免なさい。

「実はずっと気になってたんだよな」って竜王様?「前に肉を口にした時辛そうな顔をしてた」って。

 ぅぅ失敗、顔に出てたっ


「で、さ。そろそろいい?俺竜ちゃんと嬢ちゃんのラブラブ状態見てるの苦痛なんだけど~…」


 等と言いつつもアドニス様はモグモグと貰ったサンドイッチを食べつつ、時々「うんまー」とか呟いてる。


「その前にマルティン、別室に居るミトラ姉上を連れて来てくれ。来てから皆で話した方がいい。それにレインにも関係してる事もありそうだ」


「え、私?」


 驚いて竜王様を見詰めると、


「グリンウッドの件で少しな」



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