2.5 不機嫌なウサギ13
最初に言います。
今回は遊びましたぁっ!!
すいませんm(__)m
なお、カブリス独走しております…。
私、カブリスは只今幸福の絶頂期を迎えております。
はい、意味がわかりませんね?それでいいのです。ええ、普通の方は分かりませんから。
「ええと、コレを着るの?」
お昼寝から起きた御嬢様は何時の間に着替えたのか、竜王様の白い寝間着の上だけを着て居たので正直、「何処の新婚夫婦ですかっ!?」と叫びそうになったのは秘密です。
これ、絶対に竜王様であられる御主人様のお陰ですね。
福眼です、有り難う御座います。
そしてこの様な薄着の格好ですと、目で見ただけで採寸しなくても大体ですが御嬢様のサイズが分かります。
成る程、ホンの少しですが成長なされましたね、御嬢様。ああ女の子はほんとに可愛らしい。至福で御座います。
で、何が至福かと言いますと。私子供は居ますが全員男。
いえ、男も可愛らしいのです。勿論愛情もありますし、大事に育て上げまして、皆元気に巣だって行きました。
ですが、残念ながら女の子は一人も生まれなかったのです。
…ですから、いい機会です。生まれなかった女の子の代わりに、お洋服を作り倒して御嬢様を可愛がりたいのですっ!勿論メイドとしての可愛がり方ですよ?愛でてよし、服を沢山作って可愛くしてもよし、今風にリメイクした服を着せてもよし!
ああ、何て至福なんでしょうっ!
でも私は御嬢様付に為れません。はい、何せ被服関係が得意と言う事柄もありまして、普段はボタンのつけ直しやらシーツや服のアイロン掛け(この世界のアイロンは、鉄の容器に熱湯を入れて皺を伸ばす方法と、その容器に魔石を入れて発熱させて使う方法があります)やら洗濯やらといった事柄に時間を取られ、尚且つ開いた時間を趣味の服作りに費やしております。
勿論一族の一員としての仕事もあり、その際はメイドの仕事は一切出来なくなり、尚更御嬢様と言う可愛らしいお洋服を作り倒したいお相手から遠ざかると言う涙、涙無くては語れない状態になります。
そんな私ですが、今っ!
空前絶後のっ!
稀な現象に包まれ幸福に浸ってますっ!
…何てね。
本当は偶々お昼寝から起きたばかりの御嬢様が、御部屋に誰も居ないから着替えに困って部屋から出てメイドを呼んだだけなのです。しかも本来ならここにキーラとマミュウが居る筈なのですが、キーラは学校ですし、マミュウは呼ばれて席を外しており、その代わりに私となっただけです。
はい、有り難う偶然!
こうなればこんな機会は二度と御座いません。でしたら殺るべき、いやいや違った、やるべきでしょう。兼ねてから計画していたあの服装をさせることをっ!
無論お着替えは竜王様の隣の御嬢様の御部屋にてササッと致し、髪型はツインテール。御嬢様の細い華奢な足にはずり落ち無いように黒いリボンが付属したストッキング、実は髪に巻いてあるリボンとお揃いであります。その髪の毛の黒いリボンにレースが付いている可愛らしい物を巻いて上品に仕上げています。そしてお顔には少しだけ目元にパールの粉をほんのりと光が当たると輝くように着け、唇には仄かに色づく桃色の耀き。白く細い首には真珠(模造品で申し訳ありませんっ!)の黒いリボンのチョーカー。
美少女!目の前に美少女がいるッ!!
「ええ、と、あのぅ…」
オロオロとして居る御嬢様に、私はニーッコリと満面の笑みで答えます。
「最ッ高に可愛らしいです御嬢様。よくお似合いですっ!」
「そうなの?」
何か頭が元の状態になったみたい~と話す只今の御嬢様の格好は所謂メイドで御座います。ただし、普通のメイド服では御座いません。私特性の【ウサギ耳を着けた超ミニスカートメイド服】で御座います。とは言っても超ミニスカートは下着が見えない様に何枚も何枚も重ねに重ねたパニエを着けており、強力な絶対領地を死守しております。
フッ
捲ろうとしても見えませんからね竜王様ッ!と言う宣戦布告な程に搭載させております。勿論脱がされたら意味はありませんが。
なお、後ろ姿には御嬢様の可愛らしさを引き立てる為、ウサギの尻尾をフェイクファーで着けさせて頂いております。
さぁ!さあさあさあっ!どうですか竜王様ッ!
御嬢様を見てやって下さい!
私やり遂げましたわっ!
これまたササッと部屋から部屋に移動をし、何故か変な音を鳴らす廊下に"?"となりながらも、竜王様の部屋に御嬢様を連れて参りました。途端目を見開き固まる御主人様。
「竜王様、あの、似合います?」
ちらっと上目使い最高です御嬢様って、何処で覚えたのですかそんな高等テクニック!私にも教えて下さい!
…あ。
御主人様、そういえば熱あったんでしたよね。
お顔を真っ赤にして卒倒なされてしまいました……。
いや、平時でもアレかも知れませんが大丈夫ですか?
え?ウサギ耳が可愛いやら尻尾やらが堪らないと?口許が色っぽくて目が離せないと?フフフ頑張った甲斐があるってものです。
え、次は猫耳で頼むと?ではコスチュームは何になさいますか?可愛いければ何でもいいと?あ、御嬢様が「ひゃぁぁあっ」と照れまくってますね。
「…何やってるのですかカブリス」
声がした方を振り向くと、マルティン様とアドニス様が呆れまくった顔をして佇んで居ました。が、私後悔はしておりませんわっ!




