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子ウサギは竜王様に甘え倒したいっ!16

「やっ」



 ぷくぅっと頬を膨らませ、ツーンとした態度を取るレインに姉上は先程から必死で機嫌を取ろうと狼狽えている。

 金の燐粉を空中に舞う様に舞散らせ、普段ならば喋らなければ淑女と言えなく…も…無いような?(思わず疑問系になってしまうのはまぁ、仕方無い)容姿なのだが、喋ると中々の変わり者なんだよな。



『の、のぅ?ええと、何て呼べばいいのじゃ…』



 ちなみに先程の姉上の"お持ち帰り"発言で、私から離れるのは嫌だとレインは拗ねてしまっている。

 拗ねてくれるのはとても可愛いのだが、どうもこう…いや、うん。照れ臭い…嬉しくて仕方が無いのではあるが。



「…」


『はぅぅ、冷たいのもまた堪らんかも…あ、いやいや、それはちょっと…妙な属性が芽生えそうじゃってヤバイのぅ、かわゆやのぅ』


「姉上、気持ち悪いですよ?」



 くねくねしながら鼻息を荒くし、我を忘れて興奮気味の姉はハァハァとまでは言っては居ないが変態一歩手前迄いっており、レインがドン引きして私の背に小さくなって身を隠している。

 …これってウサギの時の防衛本能か?ああでもよくレインを見ると、目が半目だ。

 気持ちが悪いと思ってるな、これは。



『ぬぬぅ、可愛い子に嫌われたのじゃ』



 がくーと肩を落とし、空中に浮かんでいた姉はフラフラと空気中に漂いつつも床にゆっくりと落下し、



『かなしやのぅ』



 と床にのの字を書き出す始末。



「姉上」


『…』


「程々に願います。正直ウザイです」


『…はひ』



 泣きたくなるのぅと呟きつつも、懐から一通の手紙を取り出す。その手紙には仕掛けがしてあり、風魔法で小さく折り畳まれたソレは私が触れると折り目もなく封が切れ、中身の手紙が出て来る。



『グリンウッドの件について、ファンダムの代表からなのじゃ』



 やはり目的はこちらかと姉上を睨み付けると、素知らぬふりをしながらレインを眺め、おや?と言う顔。

 何だ?

 手紙を手に取って中身を見ていると、レインが此方をじっと見詰め、鼻を上にしてスンスンッと何かを気にして仕切りに匂いをかぎだし、小首を何度と傾げてキョトンとした顔をしてくる。

 レインと姉上の二人共か、一体何だ?

 そう思って居ると、



「ぴっ!」


「わっ」


『なんじゃ!?』



 ばふっとレインが急に姉上ことミトラを抱え、次いで私の上に飛び乗って来た途端、


 ドォォオオンッ


 と、爆音が響いた。



「レイン!」


「やぁ!」



 もうもうと煙が部屋中に立ち込め、視界が真っ白になる。

 先程まで私の上に飛び乗って来たレインの重みはなく、室内で何かと誰かが争うような物音がし、



「やだぁ!離して!やあ!いやーー!竜王様ぁ!」




 ***




 話は少し前に戻る。



「何ですかこれは?」



 魔法が苦手なマミュウは私の背後、御嬢様の部屋の前で固唾を飲んで見守っている。

 私はと言うと、配下の一族の者であるカデンツァと共に御嬢様の部屋に一歩だけ踏み込むと、御嬢様の頭が触れるか触れないかの微妙な位置に蜘蛛の糸が一本。しかもご丁寧に『精神操作の魔力』が練り込まれて居る。



「これは御嬢様用では無いですね…カデンツァ、他にありますか?」


「窓辺に一本と、後何か小さい物が引っ掛かります」


「小さい物?」


「はい、少しお待ちください。今探索しておりますので」



 カデンツァが探索をしているうちに入り口付近の蜘蛛の糸を魔力で切断し、室内を見渡す。



「マルティン様、もしかしたらベットの裏側かも知れません。失礼して持ち上げて頂いても宜しいでしょうか?」



 多分それぐらいで爆破等はしないでしょうが一応と言うことで、御嬢様のベットの周囲のみ結界を敷く。

 そして御嬢様のベットを持ち上げると、コロコロと黒い拳大の大きさの小石が転がって来たと思ったら…



「な!」



 みるみるうちに巨大化し、成人した人の大きさにまでなったのっぺらぼうの人形が表れた。



「ホムンクルス!?」


「マルティン様下がって下さい!」



 呆気に取られた為に瞬時に動けず遅れを取った為にホムンクルスからの蹴りに対応出来ず、腹部に受けてしまう。

 壁まで飛ばされ慌てて体勢を整い、次の蹴りに即座に対応してスライディングしてドア付近迄移動し、阿吽の呼吸の如く部屋に入って飛び蹴りを喰らわせたマミュウは次いでホムンクルスに膝蹴りをし、ホムンクルスの手(?)を持ち上げて背負い投げをし、倒れかかった所に追撃のドロップキックを食らわせ、壁に激突させた。



「マルティン様!」


「大丈夫です!」



 少し内蔵に来たかも知れないが、ソンナモノは"死せる躯"の身には無意味だ。それより、



「カデンツァ、このホムンクルスの弱点分かりますかっ!」



 どうも身体強化されているようで、あの御主人様でさえ堪えたマミュウの攻撃にさえびくともしない。

 その間にもマミュウとホムンクルスの闘いは続き、埒が明かないと思ったのか、ホムンクルスは急に姿勢を低くしたと思った瞬間、轟音を立てて結界を突発。御主人様達が居る部屋の真上にまで走り抜け、そのまま床を破壊しーー



「やだぁ!離して!やあ!いやーー!竜王様ぁ!」


「レイン!」


「御嬢様っ!」



 御嬢様を拉致した。


…あれ?どんどん番外ってより本編っぽく…


『竜王様の執事見習&メイド、番様の護衛やらせて頂きます。

子ウサギは竜王様に寵愛されたい番外』

アルファポリスのみ掲載中←

一話のみ3月16日活動報告にて載ってます。



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