表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/256

そろそろ新章の支度をば

第一番目原始の精霊 またの名を精霊王

ーー不在


第二番目原始の風の精霊 精霊女王 ミトラ

ーーファンダム在住(前グリンウッド)


第三番目原始の光の精霊 

ーー消息不明


第四番目原始の闇の精霊

ーー消息不明


第五番目原始の水の精霊 竜王

ーーウイングダス(前グリンウッド)


第六番目 火の精霊 フロー

ーーグリンウッド


第七番目 土(地)の精霊 アニタ

ーーグリンウッド(亡)


第八番目 木の精霊

ーー代替わり後不明


第九番目 識 種族不明

ーー不明


第十番目 時 種族不明

ーー不明


ーーーーーーーーーーーー

第十一番目 来 不明 (隠蔽)

ーーあるのかどうか不明。




「何だ?最後の「来」ってのは」



机に乗せられた調査報告書を読んでいたこの国の第36代目大統領、パウル・ハイデッガーは眉を潜める。

部屋に居る者は自身を含めて影の様に立って居る者のみ。

その者が恭しく礼をした後、



「初代の時から記載されておりますが、よく分からないのです」


「分からないってよぉ…」



ガリガリとパウルは自身の頭を掻き、「ぬぉ、竜王来てるじゃねーか」と呟く。

掻いた頭から自身の獣耳ーー…虎耳を掻き、不機嫌そうに虎柄の尻尾が唸る。



「第五番目はこっちの国柄有名だからわかるけどよ、何なんだ?太古?」


「太古は産まれ落ちてから死ぬこともない、不老不死と言われていますね。実際はよくわかりませんが」


「は~つまり神ってことか」


「いえ、精霊ですね。大精霊とも言いますね」


「ふーむ、それじゃ第六番目からは太古って付かないのは?」


「不老不死では無いからです。代替わりするらしいですよ」


「ってーと七番目の(亡)ってのは」


「先日認識出来なくなったようです」


「へぇ…」



つまり死んだと。

寿命なのか何なのかわからないが、



「やけにグリンウッドに精霊ってのは居るんだな?」


「大自然ですからね、精霊にとって居やすいのでしょう。現に第五番目の古城は断崖絶壁の自然の要塞として有名ですが、同時に自然界の妖精達が大量に居ますし。それだけ精霊達が居る場所は豊かな土地になりますしね」



だからこそ、和の国が狙って居るのだが。



「自然、ねぇ。…和の国の調査はどうなった?」


「ほぼ壊滅的ですね。昔はあんなに豊かな土地だったのに、今は妖精さえ寄り付かない土地になっております」


「…外交は?」


「良くないですね。隙あらばっと言う雰囲気が隠す気もなく漏れて居ますよ」


「やべえなそれは」


「ええ」


「戦争する国はなんつったかな」


「斉の国ですね。和の国の隣の小国です」


「は~やだねぇ…」


「どうしますか?」


「ふむ、和の国の食料提供停止と国交停止、資金も停止だな。抗議は放棄しろ、どうせ構ってもろくな事にならん。あとは…難民は引き受けろ。ほっといても竜王が引き取るだろうしな」


「御意」


「そうだ、近いうちに竜王に会いに行く。日時の調整頼む」



返事の代わりに礼をして去って行く部下を見詰め、パウルは懐から巻き煙草を取り出す。

火をつけ、紫煙を上げる、



「一年ぶりかな、あー不味い…」



そう言いつつ、プカプカと上手そうに吸う。

襟に回しているネクタイを剥ぎ取り、窓辺に行儀悪く乗り上げ座る。


「この国もどうなるかねぇ」



"誰も人は居ない"室内に訪ねると、『知りませんよ』と声が掛かってくる。



「ま、どうにかなるわな」



そうですね、とまた声がする。

誰も人は居ないのに。


ククッとパウルは笑い、室内に目を向ける。



「全く、結界でもしかねーとなぁ。この国は恩恵が強すぎらぁ」



キラキラ煌めく室内にいる妖精に笑い、その妖精もパウルに笑いかける。

困ったもんだと呟きつつ、その妖精の笑顔に苦笑をしつつーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ