ヒューカ
ミウ視点に戻りました。
暫く続きます
side.ミウ
「ミウちゃんも来たんだね」
「まぁね」
クラスが変わってから全く逢うことも無くなった彼女、ヒューカ・グランデ。
以前と言うか去年の『美少女ミウちゃん雷獣変身事件』で強制クラス変更されてから会うことが出来ず、また先日から寮から実家の竜王の古城に戻ってしまった為に更に周囲の人間関係に警戒しなくては為らず、ウサギ以外の友達は特に作る気が無かった。
いゃあ、元々天真爛漫な美少女である(そこ、自分で言うなって突っ込み禁止!)ミウちゃんには中々どうして苦痛ですよ。だってクラスでも話すのって軽度ならいざ知らず、殆んどはウサギオンリーだもん。
そりゃあウサギは可愛いし大好きな友達で親友だけど。
他の人とも話して刺激が欲しいってのもあるんよ。
だけど上の立場と私の住む実家の問題もあって残念ながら人を選ばないと為らない。
まして男性諸君は弾かないと不味い。
そうしないと後程嫉妬に狂った義理の父親のマルティン様と竜王のレノ様辺りの怒りを買ってしまうと命が危ういし、何だかんだ言ってアドニス様の御気に入り。他にも然り気無く城内の従者一同に可愛いがられて居るウサギの事を考えると末恐ろしい。
ほぼ全員敵にまわる…
特に恐ろしく身近に居るウサギの召還獣のハイカーバンクルの『カー君』の怒りを買うのが恐ろしい。
と言うか、一番恐ろしい様な気がする。
本来なら一番怖い筈のレノ様ってどうもウサギに弱い所しか聞いてないから実感ないし(ウサギに恋ばなお願いしたら、見事な天然ノロケを喰らって瀕死の重症を負ってしまったわっ)、マルティン様って何だかんだ言って一瞬で殺されて終りな気がするし。いや、それも怖いけど。
でもカー君。
あれは駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ。
大事なので何度も言うよ!
暴力なんて容易い言葉だけじゃねー!
あれは危険だーーー!
怒った瞬間着火剤かと言う位に火が付いた様に怒り狂う様は、普段の愛くるしい姿からは想像が出来ん!
むしろどうやった!
例の(ウサギに手を出そうとした男子の件)一件でカー君の怒りを買うことの恐ろしさを見せたから、下手に男子供がウサギに群がろうとしないから助かったけどさ。
おっと、思考を飛ばしすぎたみたい。
不思議そうな感じでヒューカちゃんがこっちを見てるぞ。
「ふふ、ミウちゃんのそう言うとこ変わってないね」
流石にあの場に居て話すには気を使うから二人で少し場所を移した。
とはいってもウサギの姿は見える範囲のが安心出来るから、見える範囲でだけど。そんなこんなですぐ傍にあるテーブル、立食式でも食べられる用に綺麗に配膳されているコーナーへと足を運ぶ。
「うん、うまそー」
「やっぱりミウちゃん変わってない」
嬉しいとクスクスと笑い微笑むヒューカちゃんを見て疑問に思う。
さっきから変わって無いってなんだ?私は私で普段から変わってるとは言われるけど他は無いぞ?むしろ早々に性格なんて変われるもんじゃないと思うけど。それこそ何か重大な事でも無い限り。嗚呼あったわ、しかも去年。
…変身したもんねぇ。
「私ね、学園に入る時にお母さんにミウちゃんに接近しろって言われてたの」
「私に?」
「そう。ミウちゃん寮に入って実家の『古城』とは一切関係ありませんってしてるけど、それでも私のお母さんみたいな大人はそうは思わないの。ミウちゃんに取り入ってコネを作れって」
うわぁ…それでもしかして友達になってくれたのか。それはそれでちょっと、いやいやかなり胸が痛いぞ。こんな可愛いヒューカちゃんに親は変なモン教えるな!何しとるんだっ!おぅ、コネ作りたかったのかーぃ。
でも私って親が城勤めのだけな兄妹の末っ子なダケだからなーんもコネなんて出来ないんだけどね。それに寮に即入っちゃったから城勤めの大人と数年交流が無いから無理過ぎだし。
その辺考慮してくれよ、マジで。ヒューカちゃんのお母さんや。時間の無駄ですよ。
「でもね無理だって即分かったの」
「あーそりゃ私が入学直後即寮に入ったからね~」
「ううん違うわ」
うん?違うってどういうこと?と首を傾げていると、
「ミウちゃんが寮に入ってようが無かろうが同じだと思ったのよ。だってミウちゃんってコネなんてやりたがらないでしょうし、城の大人たちに我儘言ってやらせるなんて出来ないでしょ?」
御名答、それは事実だ。
所詮ちっこいただの子供。おまけにしがない竜王の城の料理人の末っ子。そんなお子様にはコネなんて作っても無駄としか言いようが無い。時間の無駄である。
でもそれらを判断出来ない大人が多いからお兄ちゃんは苦労をした。だからコネを作れなかったと言っては「所詮使用人の子供だよな」と何度か見下された事がある。
それってブーメランだからな。
たかが使用人の子供にさえコネを作れないのはお前たちだろ?って言いたかったが、アルバお兄ちゃんからは「あんな大人(その子供も)は俺たちの視界に”すら”入らないんだよ」と言われ、それからは警戒心を上げて周囲をよく見る様に心掛けた。利用する事しか考えてない大人に等使われるのは嫌だし、何よりこんなちっさい子供の私にだってプライドがある。
天真爛漫に見える私だって見るものは見ないと為らないし、誰だって勝手に利用されるのは嫌だもんね。それが友達だと思っていた相手の親だとしても断固拒否だ!
「だからね、私はミウちゃんと友達になったの」
「それって?」
「ふふ、利用しようなんて思わないわ。だって”友達”だもの」
おおおおお!?それって!勇者かっ勇者きたかーーーーっ!
「でも今は”元友達”なのよね」
ふぐぅっ。
確かに今は元クラスメイトなだけですしね。
「でもね、ふふ」
何か楽しそうに笑うヒューカちゃんに「?」と思っていると、
「おや、ヒューカお友達ですか?」
「ええ、お父様」
ん?
んんん?
「おやミウさんも来ていたのですね、そう言えばウサギ様もいらしてましたし…成程、マルティン様ですね、連れられて来たのでしょう」
私は、ミウとしての私はあっけに取られて離し掛けて来たヒューカちゃんの『お父さん』と呼ばれた人を見詰めてしまう。
だって、その姿はー…
パソコンのキーを打つ環境に戻りました!
そして、スマホの時と違う為か感覚が狂ってます。
あれぇ?(・ω・`;)
大体これぐらいだよな~と本文書いて置くと平気で6000文字。あれ?ん?ン?
増えてる!(๑•̀Д•́)و✧
一応今回直して半分位にしました。
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m(__)m




