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子ウサギ、餌になる

いゃああああっ

何なのこれっ

またなのぉっ


世の中の理不尽ってモノは唐突だ。


今!

正に!

味わってる最中だ!


確かに私が悪かった。

迂闊すぎた。


寝ている竜の中から何とか抜け出て、中は中でもお腹の中でなくてほんっとーにっ!良かったよ~!と思いつつ脱出。

痛む脚を酷使しながらも、あの竜から離れたくて森の中から何時もの草原へ。


本当はここ、あまり来ない方がいい。

草原は私達のご飯も豊富だが、私のような子ウサギ一匹で日中に来るのは自殺行為に近い。

来るのならば夜間のが圧倒的に安全性が上がる。


何せ私達は他の肉食獣の餌だ。

狼や大鷹、各種獣やモンスターにとっては只の餌でしかない。


しかもこの草原は見渡しが良い為、隠れる所が一切無いのだ。



何時もなら何匹かの仲間のウサギと共に行動したりして居るのだが、今日は誰とも出逢わないし姿さえ見えない。


おかしいな。

何時もなら、森で会わないなら草原で何匹かの仲間が居るのだが。

やはりあの巨大な竜に喰われたのだろうか?

もしそうだとしたら、自分は何故喰われなかったのだろう?


ーー不味そうに思われた?


それはそれで不名誉な気分になるのだが、生き延びられたのだから文句はない。

怪我していたから何かの病にでもみられたのかな?とも思ったが、そんな訳は無いので却下だ。むしろ他の肉食獣は怪我した草食獣から狙うのが常だ。


そこではたと気が付く。


もしかして、他の獣が居ないのはーー…







囲まれてた。

私、バカだ。

怪我をして、一番警戒しなくちゃいけないのに…


匂いから多分狼系。

数は5匹かな?

草葉の陰から長い耳をそばだてる。


前一匹。

左右に一匹ずつ。

後ろに二匹。


詰んだ。

私、餌だ。

餌にしかならない。

竜の時は理由はわからねど、見逃して貰えたのだと思う。

恐らく竜はお腹か減って無かったのだろう、うん。

でも今は違う、空腹の獣がギラギラした目で私を狙っている。


ジリジリと距離を詰めてくる!

脚、私の脚、動いて、お願い!


恐らく前か後ろに居る奴が襲って来たら、咄嗟に交わさないと噛まれて終わりだ。



ーー来るっ!!



えっ?嘘っ!

何で!?

前の奴が襲って来たから咄嗟に右斜め下に跳んで回避したら、其処に狼がいた。

肉食獣の獰猛な太い牙を私に向け…



やだ。

誰か助けて!

やだぁあああああっ!!





『グァアアアアアアッ!!』



「「キャン!!」」


「「ギャンッ!」」


「ギャワワンッ」



私は目の前の光景に、ただ小刻みに震えていた。


何故?


どうして?


わからない、わからない、けど…


さっきの竜が、狼に喰われそうになっていた私を庇ってあっという間に鎮圧。

狼達は一目散に逃げていった。

残ったのは震えが止まらない私と巨大な竜のみ。


どうしてなの?

餌の苦悩再びっ

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