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子ウサギは竜王様に寵愛されたい  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
3章 モーザ・ドゥーグの影
172/256

閑話 迷い 1

遅れましたm(__)m


少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

 ■注意■


 このお話はウサギ達が街に行く前日になります。


 ***

 side.ウサギ(レイン)


 明日はレノと初の街へお出掛け。

 視察って言うのかな?でも学ぶだから下見かな?私の勉強を兼ねて居るのだし。

 視察って言うのは偉い人が様子を見るって言うことで、下見って言うのはその逆の立場の人が様子を見るって事だった筈。

 違ったかな?

 後でザシ先生に聞かないと。


「何か疑問に思ったらキチンと聞いて下さい。それが学ぶ事になりますから」


 って普段から教えて貰ってるし。

 忘れない様にメモして置かないと。

 自室にある机に座って引き出しからノートを取り出す。

 ノートって言っても普通の紙では無いんだよね~これ。

 何とフロー御兄ちゃんがくれたのだ!末妹の勉強様にって。

 嬉しくてつい大事に取ってたけど、御勉強用なのだから今使っちゃわなくちゃね。真新しいページを捲って見るとフワンと薫る花の香り。

 ふわぁ~良い匂い!

 何処かで嗅いだことある匂い。梔子かな?甘い匂いがする。高かったんじゃないかなぁ?今度ちゃんとお礼しなくちゃ。





 ***




 疑問に思っていることを書き終えてノートを片付ける。

 夕食も御風呂も全部終らせて、今は部屋に一人。

 最近はアニタちゃんが寝る前にグズってメイドさん達に部屋に連れて来られる事が多いから待機してるのだけど、今日はアニタちゃん夕食中から爆睡しちゃってたからあのまま寝ちゃったかな?

 さっきから待ってるけど…

 うん、来ないね。

 寝るにはまだ早い時間帯。

 部屋の中からドアを見る。

 リアムさんとキーラちゃんがドアの前で控えている気配があるのを確認し、窓辺に向かう。

 まどの外には球状のタマちゃんがコツコツと音を立てており、窓を開けて部屋の中に入れる。


「お散歩してたの?」


 時々タマちゃんは夜、お城の外に散歩に出掛ける。

 何時もは誰か他の精霊さんと共にお散歩に行くのだけど、今日は一人だったみたい。


「お邪魔するよ~」


 って、違った。

 黒猫のアドニス様が窓からタマちゃんと共に入って来た。


「庭をノンビリ散歩してたらさ、タマがいつの間にか尻尾にまとわり付いててさ~」


 そう言って真っ黒い尻尾をくるんっと自身の体に納めて座り、「ちょっと痒かった」と愚痴るアドニス様。でも散歩って言いつつ警備って言ってる様に聞こえた。アドニス様の本体はずっと地下に居るみたいだし、気晴らしも兼ねて居るのだと思うけど。

 タマちゃんはタマちゃんで、黒猫の黒い尻尾が気になるのかふよふよとアドニス様の尻尾の周囲を飛んで居る。


「タマちゃん、アドニス様痒かったらしいよ?ほどほどにしてね」


 するとタマちゃんはスウッと尻尾から離れてアドニス様の顔の横に移動し、スリスリとし始めた。


「嬢ちゃんこれって」


「タマちゃんは話せませんからこうして態度で謝ってるんですよ」


 ごめんねって言ってるんだよね?と言うと、タマちゃんは頷くのの代わりに上下にふよふよと動く。


「お、わかりやすい」


「でしょ?」


「タマ可愛いな」


 嬉しいのかタマちゃんはその場でピョンピョンとボールが跳び跳ね出した様に動いて居る。そして空中でクルリと一回転。


「お?」


 アドニス様が驚いて居るけど、タマちゃんは球状の精霊。一見すると一回転したかどうか見分けが付きにくいのだけど、アドニス様は気付いたみたい。


「タマって結構活動的だなぁ」


 アドニス様の言葉に頷く様にまたピョンピョンと跳び跳ね出したタマちゃんは、突如ピタッと止まって動かなくなった。


「おや?」


「疲れたって言ってます」


「そりゃそんだけはしゃいでたら疲れるわな」


 クククと黒猫姿のアドニス様は笑い、金の大きな目で此方をむき、にゃ~とベルの声で一鳴きし、


「で、嬢ちゃんはまだ寝ねえの?」


作者のモチベーション維持の為、ブックマーク及び評価をどうか!

宜しくお願い致します~!

m(__)m

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