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子ウサギは竜王様に寵愛されたい  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
3章 モーザ・ドゥーグの影
162/256

ウェストミンスター

下の方にグロ表現があります。

(ノ_<。)

御注意下さい。


 

「ウェストミンスター…」


 ボソッと呟くとギクッと動揺したのか身体が揺れた。




 やはりウェストミンスター出身か。


 このウェストミンスターと言うのはエトナ神聖国に隣接している小国で、国の名前はウェストフィールド。ウェストミンスターはその国の旧首都があった地方の名だ。

 そしてマルティンの商会に手を出す様な真似をしている"カシージャス商会"の本店がある国だ。


 この世界の冒険者ギルドの本店があるのもその国だ。


 だからこそウサギの正体がバレ無い様に、また私達の様な精霊は(ばれると厄介な為)保証や保護が商業ギルド程には効かない為、冒険者ギルドに所属せずに商業ギルドに所属した。

 何かと融通が効くし、おまけにマルティンが商業ギルドの創業者だからな、色々と助かる。


 それに冒険者ギルドの場合、登録時にウサギの様な精霊には不備が起きる。

 冒険者に渡される身分証明書カード。

 これが我ら精霊には適合しないのだ。


 昔まだ若かったフローが世界を旅しに出歩いて居た最、魔が差してどうせなら人間の様に身分証明書が居るかと思って冒険者ギルドに登録しに行ったのだが、渡されたカードに確りと【第六番目 火の精霊 フロー】と、魔術で自身を偽造していったのに記載されてしまった。

 最初にその話を聞いた最に掛けた魔術が弱かったのかと思ったが、マルティン達に確認して貰った所、冒険者ギルドのカードには"表向き"には犯罪防止の為に全ての登録カードには隠蔽が効かずに記載されてしまう様になっている様だ(あくまでも裏向きは。察してくれ)。

 さらに産まれた地でしか冒険者ギルドの場合には登録する事が出来ず、異世界移転して来たアドニスの場合は冒険者ギルドのカードを所持して居なかった。

 その為、今では移転者を守る為に商業ギルドと薬師ギルドが結託し、移転者保護の為にカードを独自に発行させている。

 お陰で当初の頃には商業ギルドと冒険者ギルド、薬師ギルドの間にトラブルがあったが、今では"表向き"としてでは協定を組んで解決している。


 裏は…金が絡むと人格が変わる輩も居るからな。

 世の中色々だ。


 余談だか、フローは冒険者ギルドでカード発行時に当時の登録に赴いたギルドで大騒ぎになり、慌てて逃げて飛び出して来て、マルティンが居る商業ギルドに駆け込んで来たそうだ。

 その際ぼや騒ぎを起こし、こっぴどく叱られたらしい。

 フローらしい。


「ウルッサィイイ!」


 此方がつい昔の事を回想してしまっている間に、カー君や雷獣(幼獣)に変身したミウに次々と蹂躙されつつあった片言の男は発狂したかの様に大声を出し、懐から水晶球を取り出して大地に叩き付けた。



 パリンッ



 二つに割れた水晶球からもうもうと灰色の煙が上がると、その煙が更に真っ二つに割れ、割れた空間から…


「すけるとん?」


 ウサギが小首を傾げて何故か「あれ?」と呟いて居る。

 む?

 召喚獣のカー君やみーちゃん迄も首を傾げてる。


「すけるとん、かな?召喚獣だよね、多分。糸が切れてるよ?」


「ピキュッ」


「キュー」


 と二匹の召喚獣に確認する様に言い、二匹の召喚獣もうんうんと頷いている。…と言うか糸?


「ハ、ハハハッ!化物共行ケェ!」


 笑い出した男の周囲に居た男の仲間達が、顔を青ざめさせて焦り出している。


「ナ、ナニヲ馬鹿ナコトヲ!」


「気デモ狂ッタカ!?ワレラにコレハ扱エヌゾ!」


「ウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイ!様ハ殺シテデモ死体デモ連レテ行ケバイインダロッ!」


「ナニヲ馬鹿なコトヲ!」


「指示ニ逆ラウノカ!?」


「生カシテコソダ!」


「愚カナ」


「ムシロ操作出来ヌワレラのが…」


 その時ビュッと空気を切る音が聞こえ、先程迄高笑いして居た男の首が血飛沫を上げてゴトリと音を立て落ち、首なしの身体も大地の上に崩れ落ちて行った。


作者のモチベーション維持の為、ブックマーク及び評価をどうか宜しくお願い致します

m(__)m

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