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私は餌

唐突に始まりました。

どうかよろしくお願い致します。

最終的には照れるようなラブラブになれたらいいな~

(^ー^;A

 私は餌だ。

 只今産まれてから味わったことの無い絶望に、絶賛体験中である。


 …

 ……

 ………


 絶賛って何だよ!!

 誉めてどうすんだよ!!

 むしろ恐怖体験中だよ!!


 何故かって、私の前には巨大なこの世界の食物連鎖の頂点、力関係でも頂点の『竜』が立ちはだかっているからだ。


 死ぬ。

 も、無理。

 あれだ、せめて楽に死なせてくれ。

 何時もなら私達種族の弱点であるお腹を晒す等決してしないのだが、予想外の事態発生に、私のような最弱の生き物にはどうしても覆らない生存の危機に、全てを諦めーー


 そっとお腹を上にして体を横たえた。


 無理です。

 全身から震えが止まらない。

 圧倒的過ぎる存在感に、成す術は何も思い付かない。

 せめて自慢の脚力である脚が怪我していなければ…


 それでも無理かも知れないけどね。


 さあ、速く喰ってくれ。

 こんな小さな体じゃ満足等しないかも知れないけど。

 せめて死んでこんな大きな竜の糧になるなら、いっそ誇らしい。


 普段会話の語尾に「☆」何てつけてた私だけど、あの時の兄弟ウサギは無事テイムされたし、きっと今頃は名前を貰って、あのとても綺麗な人に大事にされているだろう。


 羨ましいが、私の兄弟が生きていてくれるのは誇らしい。

 何よりあの子は心根が真っ直ぐで優しい子だ、きっと主人の役に立つだろう。


 せめて付けて貰った名前知りたかったな。


 それは叶わぬ夢だ、よし、諦めた!


 さあ!

 さあさあさあ!

 喰えっ!

 喰えったら!

 喰えよっ!!


 ……もしかして見えてない?のか?


 先程から恐怖のあまり、ずっと瞑っていた目を片方のみゆっくり開けると、巨大な竜の顔が目の前にあった。


 ふぅっと遠ざかる私の意識。



 …

 …

 ……


 私、何でまだ生きてるの?

 はっ!もしかしてここは天国?いや地獄?私悪いことした記憶は無いけど!


 辺りを見渡し、そして事態は何も変わって居ないことに気が付いた。


 竜、竜がっ!

 何故私を真ん中に抱え込むようにして寝てるのぉ~!?



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