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掌編小説集2 (51話~100話)

コナゴナ

作者: 蹴沢缶九郎

夕飯の後片付けを手伝っていた時に、手元が狂い、お皿を落として粉々に割ってしまった。見ていた母親に、


「ああ、あんたは何やってんのもう。お皿は割れやすいんだから気を付けて。」


と注意をされる。


次の日の放課後、学年一のイケメンと噂の二階堂君から呼び出しを受け、


「俺、実は君の事が気になってたんだよね。好きだから付き合ってよ。」


と告白されるが、いくらイケメンだろうが私は二階堂君の事をあまり知らないし、そもそも全くタイプではないので「ごめんなさい。」とお断りした。二階堂君は自分が振られると思っていなかったのか、


「は? いやいや、断るとかないから。」


とか何とか言っていたが、好きでないのだからしょうがない。私がその場を去ろうとすると、


「ふざけんなぁー!!」


と襲ってきたので、二階堂君の鼻っ柱めがけ、思いきりグーパンチを叩き込み、前屈みで倒れる二階堂君の顔面を蹴り上げた。やり過ぎたかなと思ったが、これは正当防衛ってやつだ。伸びている二階堂君を放置して私は教室に戻った。


教室に戻ると友人達が「どうだった?」と聞いてきたので、説明するのが面倒だった私は「告白されたから殴ったよ。」と教えてあげた。友人達の頭の中は「???」だったろうが、間違ってはいないし嘘もついていない。


翌日から二階堂君は学校を休み、一週間経った頃、自宅の裏庭で首を吊って亡くなっているのを家族に発見される。


私は思う。割れやすいのはお皿だけでなく、無駄に高いプライドも割れやすいようだと。それにしても、二階堂君には少し悪い事をした。

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