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第一章 

人生に疑問を抱き、生きていくのは実に面倒だ。ここで思ったのだが、いっそ疑

問なんざ持たない人生を送ってみないか?実に楽そうだ。・・・まあ、そんなこ

とできたら苦労はしないだろう。人生は少し、疑問があって苦労をした方がいい

と思う奴も居るようだしな。俺は別にどっちでもいいが・・・。


  第一章 黄昏の中で

 

 俺の腹時計は正確なのかどうかはしらんが、森くんと話終わったのはだいたい

一時五十五分ぐらいだ。

すると急いだ方がよさそうな気がするな。

 俺は階段を上りながら考え、三階の踊り場で今よりすこし足を速く動かした。

 六時間目は確か学活だ。授業に少しでも遅れると担任の縞田しまだに怒鳴

られる。学活は担任が行うため遅れた瞬間注目の的になっちまう。決して遅れら

れない!

 俺は四階の廊下を早歩きし、教室へ向かった。 

二年四組が見えてきた。時間は・・・一時五十八分。よし余裕だ。俺は、二年三

組の時計をみて安心し、もうすぐそこの二年四組へとさっきより若干遅く歩いて

いった。

 ・・・しかし、ここで悲劇が起こった。

 俺が、四組に入ろうとした瞬間だった。突然、横から何かがぶつかってきたの

だ。

俺は間もなく、その何かに押し倒された。すんごい勢いだった。反射的に手も出

やしない。

そして、その何かも俺にぶつかり倒れた。見る気もしない。てか、頭からいった

ので、そんなとこじゃない。

「いっ・・痛ってぇ〜。」

 頭を両手で抑え、思わず出た言葉を切り捨て、現状を把握する。

 ・・・ひとまず何がぶつかったのかを確認しよう。俺はかち割れそうな頭から

手をはなし、立ち上がった。

さきほどものすごい勢いで俺にぶつかってきたのはどうやら人間らしい、詠進中

のジャージを着た奴がうずくまっている。

俺はひとまず声をかけてみることにした。 

「おい、大丈夫か?」

うずくまっている奴は、俺が知ってる奴じゃない。顔は解らんが、こいつのハー

フパンツの名札には俺の知り合いの苗字には該当する奴がいない。

「おい、生きてるか?」

 再び声をかけると、ゆっくりと顔をあげた。(・・・しまった!チャイムなっちまた!早くしなければ!)

「うん。大丈夫。」

初めて見る顔だった。今まで気ずかなかったが、女の面をしている。どうやら女子にぶつかられたようだ。・・・そんなことより二年にこんな奴いたか?・・・ってか教室に入らないとやばい!はやく起きろ!

「ごめんね。そっちこそ大丈夫?」

 立ち上がりながらそう言ったこいつは、低い身長と短い髪、そして結構童顔であるため「本当にこいつ中学生か?」と思っていまう。え〜と名前は・・・相原さんというのか。

「まあ大丈夫だ。」

「そう、じゃあね。」

相原はそう言うなり俺の組の逆方へ走り去った。俺は頭の痛みを隠しつかれたのもあり教室へと戻った。

 教室にはまだ先生はいない。よし!席に着こう。みんなすわりかけてることだし。

席に着く直前に三浦が話しかけてきた。

「おい恵輔。お前うけたぜ、今そこで女子にぶつかられてやんの。笑いが溢れてきたぜ。」

こいつとは四年間の仲だが相変わらず腹が立つやつだ。・・・ん?もうそんな経つのか。初耳だ。

「は?俺は好きでぶつかられた訳じゃない。」

「意味解らん言葉を吐くな。要するにあっちからぶつかんだろ?別にお前のせいじゃないわけだろ。」

「そうそう。」

席に座り後ろの三浦と話ていると

「集会なので廊下にならんでください。」

学級委員の伊勢野夢加が言った。しかし、みんな聞こえてない。すると

「集会があるから廊下に並べ!!」

もうひとりの学級委員、草深直也がでかい声で言った。すると、みんなぞろぞろと廊下へ向かいはじめた。さすがだ!草深。

「何の集会?」

山咲翼が草深に訊いた。

「ゴリラに必要なものについて。」

「嘘ついたらお前魚雷になるって俺、いったよな?」

「知らない。」

「しらばくれるな!」

 お前ら誰だ。前になにがあった?

「てか、並んで。」

「だから何の集会?」

「ゴリラに」

「いいよもう、わかんねーだろ?お前。」

「並らべよお前ら。」

 伊勢野がキレたか。・・・じゃあ早く並んだ方がいいな。

 数分後俺らは体育館でゴリラの話をされ、謎の集会は午後四時半まで行った。ほぼゴリラの話だったが・・・。

 ・・・あんなに急ぐ意味なかった。くそくそくそくそくそくそ。

教室に着くと、担任の縞田が敵当に話を済ませてくれた。すると三浦が

「七組に転校生来たらしいよ。」

「ふぅ〜ん。男?」

「女。バド部だってさ。」

「そいつ干物になる覚悟あるかな?』

「知らんが、結構強そうなきがする。」

「名前は?」

「・・・たしか相原だっけ?相原綾花って言う人。」

ん?相原?さっきの奴じゃねえか。どうりで知らない訳だ。

「それあれだ。さっきぶつかった奴。」

「・・・。おpschdfんcgjあ!」

「何語だ?」

「それは愉快だぜ。転校日にお前とぶつかるなんて。レッドなsfひおdっh。」

「何語だ?最後の。」

「今度からお前のこと、『ゴリラ』って呼んでやるよ。」

「じゃあ俺はお前のこと『魚雷亜種』ってよぶ。」

「冗談だ。」

「で?」

魚雷亜種は放っとき部活へ向かおうかな。あいつ帰宅部だし。

 俺は荷物を持ち階段へ向かった。未知の世界を見るような顔した一年どもをどけ下駄箱で靴を履き替える。

「全く。なんなんだよ。」

 自然とこの先のことを考え言葉が漏れた。


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