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エピローグ

 こうして、神殿はその力を失い、単なる象徴と化した。神は相変わらず人々の心の中に存在し続けたが、それは奇跡を起こしてくれるものではなく、彼らの傍に寄り添い、ただ『在る』だけのものに過ぎなかった。

 人の中に留まった月の神の娘は、人の心が落ち着きを取り戻した頃、忽然こつぜんと姿を消した。

 民は皆、神の娘は神の元に還ったのだと、信じた。夜空に浮かぶ月のように、神々の世界から、自分達を見守り続けてくれるのだと。

 月日は流れる。

 人々の中から選ばれた者の集まりが国の中枢を担うようになり、やがて彼らの中でも力の優劣が付き始め、そして、特に際立った者が頂点に立つようになった。それは『王』と呼ばれ、かつての『神』と同じように人々を支配するようになる。

 だが、歴史は流転するもの。

 国は爛熟らんじゅくし、王はいつしかおごたかぶり、腐敗するのは必然だった。

 そしてまた、一つの国が消え、新たな国が起る。

 繰り返し、繰り返し。


長いお話を最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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