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宇宙人ってホントにいる…の? ―2030年、人類降伏と地球政府の選択―  作者: 羅刹夜叉


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24/30

出現より、はるか以前から……

私は次第にイライラしてきた。


――このような要領を得ない問答に決着をつけて

早く具体的なマッチングの話に持ち込まなければ……


「しかし、人口を削減するために、次々と核爆発をやらかすなんて、

効率が悪すぎませんか?

環境汚染も進むでしょうし、肝心の食糧資源まで損なわれる」


内藤は皮肉な微笑を浮かべた。


「人口を計画的に減らすことは、そんな大技を使わなくても

簡単にできますよ。もっと穏やかに知らず知らずのうちにね。


そりゃあ、彼らだって考えてます。

――実際、あの半年前の五つの都市の消失以来、

核攻撃は起きてないでしょう」


「それは……」


私はちょっと前のめりになって言った。


「地球がオーバーアークの支配を受け入れたんだから

攻撃があるはずないじゃないですか」


「じゃあ篠原さんは、なぜオーバーアークが五大都市を

核攻撃したと思いますか?」


「最初、オーバーアークの要求を

拒絶したからじゃないですか?


だって、彼らは巨大な物体を空中に出現させたんですよ。


確かにあの物体が、都市の一斉破壊に

直接関係しているかどうか、明確な証拠はないとしても、

少なくとも何らかの関係があると考えるのが

普通なんじゃないですか?」


私の居住まいから心中を察したらしく

内藤が丁寧に答えた。


「いや、ご指摘はごもっともです。

すみませんね、長々と……

この話はそろそろ切り上げましょう」


「……」


内藤は、私の目をじっと見据えて言った。


「だけど、一つだけ……

篠原さんは巨大な物体とおっしゃいましたが、

こんな話をご存じですか?


もう今から20年以上前のことになりますが、

似たような事件が起きているんです。


2008年1月、テキサス州に巨大なUFOが

出現したって騒ぎがあったんです。


もしかしたら、ご記憶かもしれませんね。


これは連中による実験だったんじゃないかって見てます。

大衆やマスコミがどんな風に反応するかね。


一時は騒ぎになりましたが、すぐに収まりました。


ごく一部の陰謀論愛好家たちを除いて

誰も、本気で疑わなかった。


まさに『実験成功!』ですよ」


「実験っていうのはどういう意味ですか?」


「あぁ、まさに文字通りの意味ですよ。

私たち人類が、もっと正確に言うと、

当時のマスコミや一般大衆がどういう反応をするか

観察したかった」


「……」


「どんなトリックを使ったかは、私にも

正確なところはわかりません。


たとえば一つの例ですが、

空中に特殊なエアロゾル状の物質を散布しておいて

そこにプロジェクション技術を使って投影する、


あるいは大量のドローンをコンピュータ制御して

一糸乱れぬ空中ショーを演じる

――小魚ならぬ、ドローンのベイトボール、


……そんなところでしょうか」


「じゃあ内藤さんは、あのような巨大な物体は

実は存在しなかった、あれは、私たちの抱いた幻覚のような

ものだったと言うんですか?」


「そこまで断言はできません。

ただ、そういうことも、その気になれば不可能ではない、ということです」


「すみません。私はそういうあいまいな話を前提とした

議論はあまり好きではないです」


私はふと思い立ったことがあった。

これで、ようやくこの議論が打ち切れると思い、

語気を強くして言った。


「でもそれだったら、オーバーアーク、宇宙人と

戦おうと主張して活動している極右のゲリラ戦士たちを

どうして強制収容所送りにしているんですか?


もし偽装なら、むしろ放っておいたほうが

都合がいいじゃないですか?」


――よしっ、これで完全論破だ。ようやくこの話に

区切りがつけられる!


しかし内藤の答えは私の意表を突くものだった。


「篠原さんは、いえ、大半の人々は

すっかりマスコミのペースに嵌められてるんですよ。


そもそもオーバーアークが出現してから一カ月足らずで

立派な収容所施設が整備され、多くの活動家が収容されるなんて、

おかしいと思いませんか?」


内藤はここで言葉を切り、何も言わずに私を見ていた。

そして、一気にグラスの水を飲みほした。


「まるで、ずっと前から準備されていたかのように。

――出現より、はるか以前からです」


「……」


「それも日本だけじゃありませんよ。世界中いたるところです。」


――しまった。また議論がおかしな方向へと向かっている。


「彼らがオーバーアーク支配に反抗しているのは事実です。

しかし彼らは、オーバーアークの真実を明らかに

しようとして活動しています」


ためらいながら、私は言った。


「どうしてあなたにそんなことが断言できるんですか?

マスコミさえ知らないことを……」


内藤は、ようやく話が核心に近づいたという顔で言った。


「どうしてそんなことを私が知っているかって?

――理由は簡単です」

2008年にすでに出現していた謎の飛翔体、

オーバーアーク出現の前には完成していた収容所、

世界同時の整備。


それらは偶然なのか、それとも計画なのか。


篠原はまだ答えを知りません。

しかし内藤は――。

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