前へ目次 次へ 23/74 第23話 『王様の食卓』 小さなテーブルがある。 洗い晒した麻のテーブルクロスの上には、一人分の食器と二つのグラス。 「なぜ二人分の杯を」 献立を抱えた小さなギャルソンが怪訝な顔で私を見る。 なるほど彼の疑問はもっともだ。 私は小さな水差しに薄荷葉を沈めた清水を注ぎ、ギャルソンにグラスを渡した。ギャルソンはグラスを数度傾け、そして小さく驚いた。 グラスの底には小さな星が一つ、輝いている。 「ひとりで食うのは味気ないからね」 輝く星をテーブルに載せて、私は食事を愉しんだ。