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43/115

43,次なる都市へ。

 

 四日後の朝。

 中立都市レグに向かうことになった。


 その前に、まず今回の功績によって、おれとスゥの冒険者ランクが上がることに。


 ランクは最下位から、銅→銀→金→ルビー→サファイア→エメラルド→アレキサンドライト。

 アレキサンドライト・ランクの上はない。が、それでもそこに行きついた者を、便宜上、レジェンド・ランクという。


 ディーンが功績を述べる。


「君たちは神聖聖女を助け出し、ハーフ・ディアブロの暗躍を証明。そして討伐不可能とされていた古神殿のガーディアンを撃破する大車輪の活躍」


 そういや古神殿の宝なんてなかったな。


「冒険者リク、冒険者スゥ。君たちを銅ランクから、ルビーランクへと特進としよう。これからも励んでくれたまえ」


 喜び溢れるスゥ。


「感謝いたします、ギルドマスター。ねぇ、リッちゃん! わたしたち、英雄にこれでまた一歩近づいたね!」


「まぁ給料が上がるのはいいことだよな……いやまてよ。これ、こんなにクエスト強制受注させられていたら、金の使い道がないんじゃないか?」


「老後のために貯めているんじゃないの?」


 と、スゥがとんでもないことをほざいた。


 まだ若いのに、いまから老後のことなんか考えてられるか。

 そもそもレジェンド・ランクになって遊んで暮らす、という初期プランから問題があったよな。

 レジェンド・ランクに至る前に、命がいくらあっても足りない問題が。


 さて。

 休みは三日間しかない。この三日間を有効利用しよう。

 エンジョイ・ライフでいくのだ。


 一日目。

 寝てすごした。


 疲れがたまっていたんで。

 聖都グルガでは、何度死にかけたことか。メンタルもすりへった。


 二日目。

 寝てすごした。


 まだ疲れが取れないんで仕方ない。

 だがもう元気溌剌だ。三日目こそ、勝負のとき。


 ということで三日目。

 意気揚々と娼館に向かったが、そのルート上で、またもスゥと遭遇した。


「なんで……なんで……また見回りしているのか?」


「え、違うよ。リッちゃんの家にいこうと思っていたんだけど。たまには美味しい手料理をご馳走してあげようと思ってね。だけど、何か用事だった?」


「………………いや、散歩してただけ」


 三日目。スゥの手料理をいただく。

 これがエンジョイ・ライフというものだ。たぷんな。


 で、四日目の朝には、出発。


 まずは冒険者ギルド本部で、ディーンからクエスト内容を詳しく聞く。

 前回と同じ流れだな。

 今回で終わりにしてほしいが。


「ギルマス。また世界を救え、という話ですか。とはいえ、聖都でも世界を救ったほどの活躍はしてませんけども」


「謙遜することはないよ、リク。〈封魔〉スキルがハーフ・ディアブロの手に落ちる瀬戸際だったんだ。少なくとも、このアーゾ大陸は救ったといえる。そして人類はこの大陸のみ暮らしており、われわれの『世界』の定義が人類生活圏だとするなら、君とスゥ君は『世界を救った』と言っても、言い過ぎではない」


「はぁ……」


 おれはスゥに耳打ちした。


「世界を救ったんなら、一気にアレキサンドライト・ランクに上げてくれても良かったのにな?」


 スゥはおれの言葉は無視して、ギルマスに尋ねる。


「それでギルドマスター、今回のクエストを教えてください?」


 幼馴染が、仕事する気満々すぎて怖い。


 スゥよ。やりがい搾取という言葉があってだなぁ……。


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