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33/115

33,連携してね。

 

 パーティというのは連携するものなのだが、今回はタンクのレオナルドが暴走気味。

 気持ちは分からんでもないが。


 対するハーフ・ディアブロは、雑魚枠のアサシンなどとは違って、魔法を駆使するウォーロック・タイプ。


 スゥの戦剣〈荒牙〉にかけた発動準備の『デバフ』も、選別が大事か。


 ウォーロックの一体が、魔杖から氷矢を発射。

 スゥがバカ正直に〈荒牙〉で斬り飛ばすも、氷矢の欠片が足元に落ちて、生き物のように蠢く。

 それから氷の蛇と化して、再度、スゥに襲いかかった。


「聖騎剣術〈うなぎのぼり〉!!」


 スゥが跳躍して、氷蛇を回避。

 さらに壁を跳躍台にして、一気にウォーロック(氷型)へと突っ込む。


 しかしスゥの〈回転斬り〉は魔法障壁に遮られる。

 だがその障壁に対して、デバフ付与。


 第十の型:【弱らせてなんぼ】。


 これは『耐性の弱体化』デバフであり、ようは防御力低下デバフともいえるな。

 敵本体だけでなく、障壁そのものも弱体化できる汎用性の高さが売り。


 スゥは体勢を立て直して、改めてもう一度、〈荒牙〉を叩きこむ。


 防御力低下によって、今回は一撃で魔法障壁を破壊。そのままスゥはウォーロック・タイプ(氷型)へと向かう。


 しかしスゥの足に、先ほどの氷蛇が追い付いて、食らいついた。


「あっ、痛いっ! 痛いものは痛い!」


 もう一体のウォーロック・タイプ(炎型)は、どうしたか?


 視線を転ずると、レオナルドとフライアが、なにやら激しく口論している。


 あれ。てっきりレオナルドは、ウォーロック・タイプ(炎型)と戦っているものと思ったが。


 ふいにおれの身体を、火炎の槍が襲う。

 ウォーロック・タイプ(炎型)は、レオナルドではなく、おれを狙ってきたようだ。


「……そうやってサポーター潰しにくるのは、感じ悪いよ?」


 ビー玉射出機を連射。

 迫りくる火炎槍を凍結状態にしていく。


 その凍結した火炎槍の向こうに、ウォーロック・タイプ(炎型)の姿。


 ビー玉射出の角度を調整して、弧を描くようにした。

 凍結した火炎槍を飛び越えて、ウォーロック・タイプ(炎型)に着弾。


 デバフ付与は、第十八の型【忘れ物だよ】。

 装備の強制解除。


 魔術師にとって命の次、または次の次あたり、に大切な魔杖が強制空間転移。


 あえてウォーロック・タイプ(氷型)の近くに落とす。


 スゥは、燃焼付与のデバフを使って、氷蛇を撃退しているところだった。


 ウォーロック・タイプ(炎型)が、自身の魔杖を取りに走る。


「スゥ! 当てろ!」


 スゥは反射的に、〈荒牙〉を投擲。

 その剣先が、ウォーロック・タイプ(炎型)を襲う。


 直撃にこそ至らないが、ダメージは与えた。

 さらにデバフ付与の発動条件も満たされた。


 同時に付与されたのは、まずひとつめは、第十一の型【弾けとぶときもある】。

 持続ダメージ、爆裂傷の付与。


 さらに第二十の型【嫌なことは分け合おう】。

『付与したデバフと同じものが、隣の敵にも付与される』。


 ウォーロック・タイプ(炎型)に付与した爆裂傷の持続ダメージが、ウォーロック・タイプ(氷型)にも付与される。


 このデバフ伝播を狙って、魔杖を落とす場所などを考えたわけだ。


 ウォーロック・タイプ(氷型)の頭上に、巨大な氷塊が創り出される。


「愚かな人間どもが──」


 瞬間、爆裂傷ダメージの一度目が起こり、(氷型)の胴体を裂いた。

 その隣では、(炎型)も致命傷をすでに受けている。


 スゥは〈荒牙〉を拾い上げる。


「冒険者として、斬り捨て御免だよ!」


 一閃、二閃。

 二体のウォーロック・タイプを屠ったのだった。


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