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31/115

31,7層の速さで。

 


 マイリーの動きが、さらに速くなる。


 いまので、行動速度UPのバフ重ねがけが、5層くらいか。


 ハーフ・ディアブロたちは、すでにマイリーの神速についていけない。

 そして刀が振るわれるたび、致命的な肉体切断となっていく。


 ただし、一撃で屠れるのは、アサシン・タイプのみ。


 ちらほらいるバーバリアン・タイプは防御力が高く、マイリーの斬撃では致命傷とはならない。


 ただし斬撃さえあてれば、的確に、第十一の型【弾けとぶときもある】が発動。

 爆裂傷デバフを付与していく。


 爆裂傷は、持続ダメージデバフ。

 ただほとんどのバーバリアン・タイプは、一度目の爆裂傷ダメージのタイミングで、バラバラになっていった。


 マイリーの刀に埋め込んだ発動準備中のデバフは、オート発動。

 ようは必要なデバフを、必要なときに付与していく。


 このオート機能、おれが作成したものではある。

 が、マイリーの性格にも影響を受けているな。


 たとえばスゥも、敵ならば容赦はしないが、とはいえ凍結デバフあたりを好みそうだから。

 あそこまで盛大に敵がバラバラというのは──マイリーらしい。


 とはいえ、この戦い、おれのデバフは脇役。

 主役は、いまや速度UPバフ7層に至り、黒い影程度にしか目視できなくなったマイリー。


 このマイリーの黒い影が駆け抜けると、ハーフ・ディアブロたちが無残に斬り殺されていくわけだ。


 となりで眺めていたスゥが、溜息をついた。


「リッちゃん。リッちゃんの妹弟子さん、ちょっと強すぎるんだけど?」


「うーむ、そうだな」


 しかもマイリーの奴、おれたちが見ているものだからと、かなり手の内を隠しているな。

 そもそも、あいつが全力でやれば、デバフ付与の助太刀がなくとも、無双できただろうに。


 マイリーがとまる。

 ハーフ・ディアブロの死屍累々を見回し、物足りなさそうな顔。


 それに応えるかのように、大空洞の別の接続口から、わらわらとハーフ・ディアブロたちの第二波。


 スゥが声をあげた。


「あ、まだまだ洞窟内には、ハーフ・ディアブロがいるようだね!」


 しかし、最も脅威であるウォーロック・タイプが出てこない。

 ほとんどがアサシン・タイプで、ちらほらバーバリアン・タイプがいるだけだ。

 ウォーロック・タイプは、全体からして数が少ないのか?


「よし。スゥ、レオナルド。いまのうちにおれたちは移動するぞ。マイリーにはこのまま陽動役として機能してもらうとしよう」


「え、置いていくの?」


「レオナルドの姉さんを保護するにあたり、マイリーがその場にいないにこしたことがない。こっちに枝分かれしている道がある。こっちから先に行こう」


 しばらく進むと、また変なところに出た。


 それなりに広い空間。

 マイリーが暴れている大空洞に比べると手狭だが、それでも標準の酒場くらいの広さはあるな。


 さらに前方には、祭壇がある。

 ルシファーを祭っているようだ。


 この祭壇の近くで、人間の女が一人、難しい表情で座っている。


 その近くには、二体のハーフ・ディアブロ。

 魔杖を装備していることから、二体ともウォーロック・タイプなのは間違いない。


 ……え、ここに大物が二体もいるのか?

 まだ気づかれていないので、回れ右しておく?


 ただこの案は、すぐに却下することになった。

 レオナルドが、


「姉さん!」


 と声をあげたので。


 まぁ、だろうなぁ。

 あの女が神聖聖女だと思ったよ。


「サボることをサボるなという師匠の教えとは、程遠いところにきてしまった感」

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