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前編:緩やかな始まりと絶望に至る未知

色々更新遅れてごめんなさい投稿です。

お詫びとしてというかせっかくなので何が起きたのか書きましたのでせめて楽しんで下されば幸いです。



 これを書いている時にはわかりませんが、こうしてこの文章を皆様が見ているという事は、最悪の状況は避けられたのだと思います。


 今回、色々な事情が重なり更新速度が低下し、片方に至っては更新が数か月完全にストップしてしまいました。

 そのお詫びと共に事情説明をしつつ、私の不幸を供養がてら晒そうなどと考えこうしてエッセイ形式にて書かせて貰おうと思います。


 物書きさんとして遅れや更新停止など、もう間違いのないお詫び案件とは言え、私は少しだけ自分を褒めようと思います。

 ボロボロになって、命まで係わる状況になって、それでも一本メインの更新は極力止めなかった。

 遅れても短くなっても続きを書き続けました。

 そんな私を自分で褒めたいと思うというか褒めます。

 偶には自分に優しくしたいから褒めちゃいます。


 まあ、この文章が出ている時点で命にかかわる(笑)でしかないので甘やかすもクソもないのですが……。




 さて……無駄な前話はさっさと終わらせ、悲劇の始まりから。

 始まりは、七月位だったとか思う。

 日にちを調べる事は容易いが、自分だけでなくお医者さん等諸々の個人情報を避ける為あえて曖昧なままに。


 夕食を終え、片付けにせかせか移動する嫁を見て少しでも手伝わないと思い、私は食器でも洗おうかと考えた。

 そして皿を片手に前かがみになって――『こきっ』と、軽快で警戒な音が私の腰から鳴り響いたのを、確かに私は耳にした。


 そして直後に鈍い痛みが――。


 それは誰もが耐える事が出来ず、そして誰もが恐れおののく物。

 古来より語り継がれ、現代に至るまで忘れられぬ畏怖の象徴、それ故『魔女の一撃』と呼ばれる。


 つまり――『ぎっくり腰』である。


 まあそんなこんなで過去に経験のある二度目の激痛に苛まれながら、私は病院へと足を運んだ。


 どうせただのぎっくり腰だろうし癖にならない様に気を付けよう。

 そんな事を考える私に医者は無慈悲はMRI検査を提案。

 涙ながらに高いたかーい検査費を私は払う羽目となる。


 ただのぎっくり腰なのにわざわざ高い金を……なんて、この時の私はそう思いこんでいるが、今の私は二つの意味で自分の間違いを知っている。

 一つは、『思い込みで決めつけてなく、検査をしてくれて良かった』という意味。

 もう一つは、『この程度の費用などどうでも良くなる位後々払う事となる』なんて非常に悲しい意味で。


 そして検査した結果――。


「ヘルニアですね」

 思い込みは良くない。

 医者の言う事はちゃんと聞こう。

 そう私は固く誓った。


 体が弱く入院がちだった子供の頃の頃を忘れていた自分に、ほんの少しだけ情けなさを覚えながら。


 そうして、私の一つ目の悲劇が顕現する。


『椎間板ヘルニア』

 しかも困った事に治療らしい治療はない。

 大量の痛み止めを抱えながら一月事の経過観察。

 それは、時間が解決するのを待つしかなかった。


 手術とか必要ないのか尋ねたのだが……。

「痛いだけなら大丈夫です。痺れがあったり麻痺したりしたら不味いですが」

 その言葉に少しほっとした事を覚えている。

 もし手術した場合骨を削るから将来的な後遺症へと繋がるかもという言葉でまた恐怖を取り戻したが。


 そうしてしばらく、痛みと友達になる辛い日々が始まった。


 普段使わないからか、痛み止めは良く効いてくれた。

 だが、切れた時が地獄だった。

 腰だけでなく尻や膝、酷い時には脛や足首付近まで痛みが移動する。

 耐えられない程ではないが、何かが出来る程でもない。

 そして当然、椅子になんて座れない。

 つまりトイレも地獄の苦痛に耐えながら。

 日常生活のほとんど困難となり、当然仕事や何かも一切手が付かない。


 そんな日々が一月続いた頃……ありがたい事に軽度だったらしく、痛みや状況は徐々にだが改善されつつあった。

 医者からも思ったよりも経過が良い事に驚きと共に喜びを見せてくれる。


 家の事を全て父や母に任せ、子供の事は嫁に任せ罪悪感に苛まれつつも、家族の協力のおかげで私は案外早く復帰出来そうだななんて思って『いた』。


 そして夏休みももう終わりという頃には、多少なら椅子に座れるまで回復した。

 この調子なら秋が終わるまでには日常に回復出来るだろうという希望も見えた。


 だから、私は家族に対しこれまで何も出来なかったお詫びと手伝ってくれたお礼も兼ね、車を出し子供行事に子供達を連れて行く事にした。 

 いや、子供の為でもあるが父親として何かしたかったという義務感と想い出が欲しいという我欲があったのも確かだ。


 そして……そのイベントの日こそが二つ目の不幸であり、本命の、最悪でかつ恐ろしい、苦しみが始まる日となる。




 その日、何の前触れもなく唐突に歯が痛み出した。

 虫歯とも違う鈍く同時に鋭い痛み。


 実の事を言えば、私はこの痛みを一度経験している。

 その際は捻挫の様な物と、医者からは説明を受けた。

 だから寝ている時にでも食いしばり過ぎたかぐきっと曲げてしまったのかなんて思っていた。


 腰の時で思い込みは止めないとなんて思ったばかりだというのに、再び私は過去の経験からそうだとほぼ決めつけていた。


 そんな訳で大した事がないと勝手に決めつけ、その日私は子供達と嫁と共に地方の小さなんイベントに参加する。

 食事が楽しめないながらも、一応子供と触れ合い遊び、そして帰った。

 最低限だが夏休みにそういった事をする事が出来た。


 そしてその日の夜、私は四十度の原因不明の謎の高熱に襲われる。

 意識さえ朦朧で、痛み止めが解熱剤の効果もあるという事で飲みながらただ寝て……。

 そんな高熱は、恐ろしい事に僅か二日で平熱に戻った。


 そう、ここまで急に上がったのに僅か二日で治ったのだ。

 少しだけ不気味ではあった。

 あったのだが……まあそう言う事もあるだろうと流していた。

 そのタイミングで歯茎が腫れだしたから、まあ炎症反応やらが原因なんだろうと考えて。

 

 とは言え熱は下がったしやっと歯医者に行ける。

 多少何かあっても何とかなるだろう。


 そして歯医者に電話をすると、腫れが酷い事と熱が出たという事で、緊急としてその日の内に見て貰える事となった。


 そして診断を受けて――。

「うちじゃあみられんね。『近所の大手総合病院』の方に行ってくれるかな。紹介状書いておくから」

 そう、歯医者は私に伝えて来た。


 これは症状の一つに顎の痺れがあったからだ。

 腫れにより痺れに近い症状が起きているのだが、痺れの場合は色々と不味い可能性がある。

 だから、そう言う診断になったのだろう。


 少しだけ、本当に少しだけ不安な気持ちを抱えながら総合病衣の方に予約をする。

 運良く数日後に見て貰える事になった為、私はその日まで頬に保冷剤を当てて痛みを誤魔化しながら日々を過ごした。


 そして数日後、複数のレントゲンとおよそ二月ぶりのMRIを受け――。


「これは、ちょっと診断出来ませんね」

 近所の総合病院の医者であろう者の口からとは思えない言葉が飛び出てきた。


 この近所の大手総合病院は我が田舎にある唯一の大きな総合病院なのだが……正直あまり評判が良くない。

 内科はとんでもないのが混じっているし頼りになっていた医者はどんどん止めている。

 田舎の典型的な、昔は良かったけれど徐々に衰退し予算が減っているというジリ貧の病院だった。


 だからだろう。

 ここには、詳しく画像を判断出来る人がいなかった。

 総合病院である為、レントゲン技師等技術的に行う事が可能な技師はいる。

 だけど、この人達はどうも画像から診断が出来るという訳ではないらしい。

 いや、正しく言えば……難しい症状を判断する事が困難と言った方が良いだろう。


「だから大きな病院に画像を提出して聞いてみるから一週間位後にまた来て」

 この痛みのまま一週間放置に少しだけ私は落胆を覚える。

 更に言えば、雑な診断の中腫れた歯の神経が死んでいる事もわかり落胆している最中だった。


 そして、一週間と言いながら何故か次の予約が二週間程先だった辺りで尚落胆が加速する。


 そうして恐怖と落胆と痛みの中、状況が変化した。

 口の中に奇妙な味が混じり、唾に白濁色が混じっていた。


 腫れが悪化し、とうとう膿が漏れ出ていた。


 気づけば歯茎はパンパンに張れ、周りの歯を圧迫する程となっていて、そして当然痛みも酷い物となった。


 早く二週間経ってくれ。

 せめて原因だけでもわかってくれ。


 そんな事を願いながら、私は日々をただ無為に過ごす。

 今年は年男なのに厄年だ、なんて考えて。


 この時点では、まだ厄の半分も出そろっていないというのに。




 そうして苦痛の二週間を過ごし、微妙に信用出来ない医者の回答は――。

「調べて貰ったのですが、画像だけでは良くわかりませんでした」

 内科だけじゃなくて、歯医者も藪なのか。

 

 そう思ったが、良く聞けばそうじゃない。

 要するにだ、この時点で医者が安易に答えられない様な、そんな問題となっていた。

 前回の診断の時もぽつりと言ったのだが、今回はちゃんと、レントゲン越しに何故診断出来ないのか説明してくれる。


「これ、レントゲンの顎の部分。ここ本来網目状の線になるんだけど、そうじゃない。もっと根本の部分から……」

 色々と、言葉を変え直接は避けるが、結局言いたい事は単純だった。


『この大きいのが腫瘍である事は確かなんだけど』


 つまるところ、そう言う事。

 安易に答えが出る問題ではなく、更に言えば口腔外科とは専門が少々異なる内容。


 そして一週間と言いながら適当に二週間待たせる様な、そんな雑な年取ったお医者さんが。

「明日『県で一番大きい大学病院』に見て貰う様ねじ込んだからすぐに行って」

 そう言葉にする辺りで、私が思う以上に、状況が良くない事を、ようやく私は理解する。





ありがとうございました。

更新は体力に余裕のある近日中に。


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