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設定ノート  作者: sazanka
3/3

人物名鑑

シリーズ単位で、登場人物の簡単なプロフィールを掲載して行きます。

未掲載作品タイトルや、未登場キャラクターが先に現れる事もあります。

★『BAR「猫町」』シリーズ

谷町(たにまち) 経悟(けいご)

生年月日:1999年7月12日

身長:169.6cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:焼飯/エビピラフ/ポテトフライ(安価なもの)

嫌いな食べ物:椎茸(キノコ類自体は好きな方)/とろろ芋

趣味:古着屋巡り/果実酒(リキュール)のコレクション/マイナー映画鑑賞(洋画中心)/深夜ラジオ聴取

因果震度:E+

BAR「猫町」店員の男性。月・水と、土日どちらかの営業を担当。空き日は運輸会社「ハヤブサ運送」にて、夜勤帯アルバイト勤務。

中背にして痩躯、曖昧模糊なる傍観家。時として他者の記憶や印象から薄れがち。

髪型や身に付けるもの等、定期的に見た目のイメージを変える癖がある。

余談であるが、高校時代は生徒会執行部。役職は書記。

他の登場作品:『サエズる(ハヤブサ)のべつマクナシ!』、『特記事項無し 〜弁天山(べんてんやま)高校生徒会執行部〜』、他。


入矢(いりや) 香澄(かすみ)

生年月日:2000年5月27日

身長:152.2cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:菓子パン/マロングラッセ/グミキャンディ

嫌いな食べ物:海苔/柑橘系フルーツ

趣味:都市伝説系・猟奇事件系webサイト巡り/読書/マイナー系博物館へ行く事(気が向けば)

因果震度:D−

BAR「猫町」店員の女性。火・木と、土日どちらかの営業を担当。

極たまに、少し離れた場所にある小規模イタリアンチェーン「ミケラン」にてアルバイト勤務(「猫町」と同じ通りにあるミケランとは別店舗)。

華奢にして可憐、意味深長なる諧謔(かいぎゃく)家。時として他者の所有欲と嗜虐心を煽りがち。

中退した高校時代の一時期、現在は人気作家となった小説家「戸賀(とが) 梨子(なしこ)」夫妻と親交があった事実を語ることは少ない。

ある理由により、短期間に近距離での転居を繰り返している。

他の登場作品:『ビンゴくんの○○的□□』シリーズ、他。


椎名(しいな) 律果(りっか)

生年月日:1998年11月2日

身長:171.8(2021年秋時点)

好きな食べ物:鴨肉/白髪ねぎ/炭酸飲料

嫌いな食べ物:つぶあん/納豆/辛すぎるもの

趣味:ドライブ/ジョギング/喫煙用具の手入れ/動物動画を鑑賞(サバンナ系)

因果震度:C−

BAR「猫町」店員の女性。チーフ・バーテンダーであり、金・土・日の営業を担当。スタッフ唯一の喫煙者。

女性専用フィットネスチェーン「リベリア」にて、インストラクターとしても勤務。

長身にして淡麗、軽妙洒脱なる毒舌家。時として他者の劣等感を刺激しがち。

小中高一貫の女子校「釈葉(しゃくよう)女学院」出身(高等部から)。三年時は演劇部副部長を務める。

茨城県にある実家は、戦国よりの流れを汲む古武術の道場を経営。

他の登場作品:『カップ&ソーサー』シリーズ、『アクト・アクター・アクトレス』、他。


遠園(とおぞの) 要子(ようこ)

生年月日:2001年9月2日

身長:161.2cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:卵焼き/わさび菜のおひたし/隠れて食べるカップ麺

嫌いな食べ物:タルタルソース/油がきつすぎるもの

趣味:読書/水泳/植物について知識を深める事

因果震度:C−

シーズン1“出奔者(イデハシルヒト)篇”#1にて「猫町」を訪れた女性。沿線にある、昨年より共学となった元女子大「参道辺(さとべ)学院大学」2回生。

ある事情により、非常に強い決意と緊張のもと来店。

当人の自覚は薄いが、イメージに反して運動神経は良い方。

生来の気質としては、感情のタガが外れやすい傾向にある(父方の遺伝)。

他の登場作品:『○○を頂きましょう』シリーズ、『ガール・ミーツ・ボーイ&ガール』、他。


波除(なみよけ) 槙太郎(しんたろう)

生年月日:1993年6月15日

身長:178.8cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:オムライス/ハンバーグカレー/ナポリタン

嫌いな食べ物:焼き魚のワタ(皮は好き)/レバー/苦味の強いもの

趣味:酒場で程々に飲む事/パチンコ帰りの中年男性(おっちゃんら)と世間話をする事

因果震度:C−

シーズン1“出奔者(イデハシルヒト)篇”♯2にて「猫町」を訪れた男性。個人送迎会社「コダマMOVE」勤務のタクシー運転手。喫煙者。

関西の山深い土地の生まれ。上京し、一度は上場企業の商社マンであったが、ふと思い立ち脱サラ。

地元では峠を攻めるタイプの走り屋であった為、道路状況が悪いほど高い運転技術を発揮する。とある縁で巻き込まれた首都高カーチェイスの折、現上司(社長)「木霊(こだま) 克子(かつこ)」にその腕前を見出され、紆余曲折の末、就職。業務の「表」・「裏」を問わず、勤労には意欲的。

現在恋人は居ないが、別に要らないと思っている訳ではない。

余談であるが、妹が2人いる。

他の登場作品:『コダマ還る』、『さやかに吹く風』、『リングワンダリング ―梢の檻―』他。


駒形(こまがた) 希未(のぞみ)

生年月日:○○○○年5月21日

身長:146.2cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:シーフードグラタン/ミルクココア/生八ツ橋

嫌いな食べ物:生の魚介類/熟しすぎたメロン

因果震度:F+

趣味:web掲載の漫画鑑賞/立体迷路/地図を見る事

シーズン1“出奔者(イデハシルヒト)篇”♯3にて「猫町」を訪れた女性。

両親は離婚、弟の「晴希(はるき)」は故人である為、現在は新興住宅地「梅咲台(うめさかだい)」の戸建てにて、母「美晴(みはる)」と二人暮らし。

とある秋の夕方、不安定な日々、存在の耐えられない軽さを憂いて出奔(しゅっぽん)。偶然に扉を押した「猫町」にて、縁もゆかりもない、他者の群れと出逢う。

開き直ると大胆、というよりは、自分を大切にする方法を会得していない人間。

今後、飲酒を嗜好するようになるか否かは五分五分。

キャスケット帽をたくさん持っている(父親に似合うと言ってもらった為)。

他の登場作品:『水底(みなそこ)(むし)の悲愴』、他。


■ヤナ・マテジウス・ヴァインガルテン・行坂(ゆきさか)

生年月日:1999年4月1日

身長:174.3cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:骨付きチキン/お米に合うもの、及びお米/メロンソーダ(ケミカルな緑のもの)

嫌いな食べ物:白和え/ザワークラウト、及びピクルス全般

趣味:人の意表を突く事、及び「生活の全て」。

因果震度:B−

シーズン1“出奔者(イデハシルヒト)篇”♯3にて、「猫町」でいつもの如く(たむろ)していた女性。

同じ通りの、向かいの並びにあるダイニングBAR「Shrimpy(シュリンピィ)」ホールスタッフにして、国内有数の名門大「晴門(せいもん)大学」4回生。

帰化日本人(ルリタニアと日本のミックス)。公言していないがバイ・セクシャル。

絢爛かつゴージャス極まるヴィジュアルと、天衣無縫、奇妙奇天烈に過ぎる言動・振る舞いにて、周囲にファンとアンチの両方を多分に持つ。声質と発声に特徴があり、聞くものを虜にも不調にもする。

それほど長い付き合いではないが、カスミの無二の親友を自称して憚らない。

通りにある幾つかの店舗の、生まれ歳が同じスタッフを集めて「同い年会」を主宰(加盟を認めている人数はゼロ)。

日頃から眩い銀のママチャリ『シルヴァリオンレインドロップⅢ世号』に跨り、出勤に買い出しにと閂橋(かんぬきばし)東通りを疾駆している。

尚、全くの余談であるが、

かつて、第二次ブームを迎え世界規模で熱狂を極めていた競技アクションホビー「バトルミラボット」の世界に於いて、小学生ながらに類稀なる才能を発揮し、JBMA(ジャパン・バトル・ミラボット・アソシエーション)専属のミラボット闘者(ファイター)として、白銀の専用(カスタム)ミラボット『シルヴァリオンレインドロップⅡ世号』を駆り、全日本を股に掛けて活躍していた過去を持つ(現在は順当に卒業)。

ちなみに『シルヴァリオンレインドロップⅠ世』とは、祖国ルリタニア在住時から共に過ごし、ヤナ10歳の折に大往生を迎えた、銀の毛並みの大型犬である。

他の登場作品:『Shrimpy(シュリンピィ・) Days(デイズ)』、『曝闘者(ばくとうじゃ)バトルミラボット!! ―火之倉(ヒノクラ)天摩(テンマ)編―』(全国トーナメントより登場)、他。


安里(あんり) 風香(ふうか)

生年月日:1993年9月10日

身長:164.2cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:焼き鳥/アボカドのチーズ焼き/卵黄の醤油漬け

嫌いな食べ物:茄子の煮浸し(焼き茄子は寧ろ可)/シナモン

趣味:仕事/散財/たまの飲み

因果震度:C+

シーズン1“出奔者(イデハシルヒト)篇”♯1及び♯4にて、「猫町」を訪れた女性。

中小規模の芸能事務所「A()-tension(テンション)」プロデュース部チーフを務める。女性アイドルグループ「少女ラッピング」プロデュースマネージャー。

普段飲みの席で職業を語る事は少ないが、「猫町」では行きがかり上、明かす事に。

高校までを実家で過ごし、大学入学を期に上京。連日の飲み会・各種コンパ等での意気投合(コネクション)がスゴロク式に数珠繫がり、気が付くと今のポストで程よくブイブイ言わせている。基本的には有能な業界人であり、事務所内でも若くしてチーフの役席を任され、現在「少ラピ」を含め3つのアイドルグループと4名の歌手、3名の俳優、1組のお笑い芸人のプロデュース&マネージメントを受け持つ。また、気鋭の覆面作曲家(動画投稿者出身)「Ke-be☆(ケベ・スターライト)」氏(本名:蒲沢(かばさわ))による「少ラピ」への楽曲提供を取り付けた一件は、彼女の2021年度最大の功績である。

現在、2歳下の会社員男性と、そこそこ幸福に交際中。

根はドライ。心の中に無口な子どもを飼っている。

尚、余談であるが、

高校時代、許嫁であり当時交際中であった「南雲(なぐも) 真佐人(まさひと)」青年と、行く先々で様々な「事件」に巻き込まれ、成り行き上捜査に協力、幾つかの事件を解決に導くという経歴を持つ。

他の登場作品:『一番星(トップスター)・トップスタンピード!』、『南雲マサヒト野暮用(やぼよう)顛末(てんまつ) 』(大学生編まで)、他。


安里(あんり) 凪砂(なぎさ)

生年月日:1993年9月10日

身長:162.7(2021年秋時点)

好きな食べ物:(さわら)のムニエル/エシャロット/うぐいす餡

嫌いな食べ物:牛の脂身/カリフラワー

趣味:仕事/散財/たまの晩酌

因果震度:C+

シーズン1“出奔者(イデハシルヒト)篇”♯4にて「猫町」を訪れた女性。安里風香(あんりふうか)の双子の妹。眼鏡着用者。

静岡県は反物川(たんものがわ)に本拠地を置く製薬企業「安里(あんり)製薬」専務取締役。現社長「安里(あんり) 康行(やすゆき)」の実子である故、大学卒業後程なく今の役職に。典型的親族経営とはいえ手腕は本物であり、口でどう言ったとしても、彼女自身、現職にはやり甲斐を感じている。

先々を見据え、我を納めて動かねばならない立場であると自認しているが、本当は、そういう生き方は苦手なタイプ。気質として、自分(及び、自分と一対である筈の姉)の力しか信じられないので、妻という立場や、内助の功の役割には本質的に忌避感がある。

彼女が彼女自身の(しがらみ)から開放される日が来るのか、あるいは柵すら飲み込んで牙と為し、祖母「風貴子(ふきこ)」にも似た怪物となるのか、行方は未だ風任せである。

依存体質。心の中に駄々っ子を飼っている。

他の登場作品:『南雲(なぐも)マサヒト野暮用顛末(やぼようてんまつ)』、『人生に珈琲が足りない』シリーズ、他。


戸張(とばり) 剛次(ごうじ)

生年月日:1987年8月11日

身長:189.6cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:プルーン/デーツ/ブラック珈琲

嫌いな食べ物:クッキー/焼き菓子/口内の水分を持っていくもの

趣味:時代劇鑑賞(CS)/筋力トレーニング

因果震度:D+

シーズン1“出奔者(イデハシルヒト)篇”♯4にて、ナギサと共に「猫町」を訪れた男性。隆々たる筋骨を背広で封じ込めた、山を思わせる偉丈夫。喫煙者。

戸張家は代々、安里家に仕える一族であり、彼はその跡取りである。安里製薬にも社員として籍を置き、専務ナギサの補佐役を務める。

平時は丁寧温和の仮面をかぶっているが、実態は極めてシニカルなペシミストであり、外部者の耳目無き場面では、ナギサ相手にも躊躇なく本性を晒す。そのような図式そのものが幼少期からのものであり、奇妙なバランスながら、現在はナギサ自身の精神的拠り所として機能している。

大学まで柔道に専念し、全国クラスの有望選手だったが、特段迷う事なく、競技者としては引退。衰えぬその腕っぷしは、現在はナギサの身辺警護にあてられている。

病弱であった兄「健一郎(けんいちろう)」を早くに亡くし、何某(なにがし)かの、万人にあるであろう思索と判断のもと、今の人生に不足無し、と結論している。

相手によっては、付き合いやすい人物。

他の登場作品:『人生に珈琲が足りない』シリーズ、『南雲(なぐも)マサヒト野暮用顛末(やぼようてんまつ)』(跡取り息子編)、他。


間宮(まみや) 綺理(きり)

生年月日:1997年11月4日

身長:159.7cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:杏仁豆腐/ヨーグルト/甘いもの全般

嫌いな食べ物:糸こんにゃく/祖父が持ち帰る奇抜な味のもの

趣味:運動/全くの他分野の知識を吸収する事/マレーグマの動画を見る事

因果震度:B−

“お一人様篇”シーズン1♯1にて「猫町」を訪れた女性。理工学系としては国内有数の名門「景格院(けいかくいん)大学」の院生。

代々、光線の屈折・増幅照射研究の権威を輩出し、第二次大戦中に於いては軍部による屈折光爆弾開発にも中心的に関与した「間宮一族」の出身。

父「応理(おうり)」、母「雪江(ゆきえ)」を始め、一族一党、親類縁者に至るまで一人残らず理化学・理工学系の研究者であるという特殊な生育環境ゆえ、一般普遍の常識と大幅にズレた感性を持つ。

際立って容姿端麗の部類だが、表情に乏しい、という印象を与えがち。

東京都と塚淵(つかぶち)県を跨ぐ封済湖(ふすまこ)中央の人工島、その陸地全域に築かれた研究・教育施設群「衾坂学顕都市(ふすまざかがっけんとし)」にて高等部までを過ごすも、学会に於けるポジション、研究に対するポリシーの違いから離反、外部受験にて現大学に首席合格。

奇人変人揃いの研究室にて、現在は比較的のびのびと、自己の研鑽・探求に勤しむ。

外からは分かり辛いが、「誇り高く、人にやさしく、おもしろおかしく」、という一族の教えを、バカ真面目に守って生きて行こうと決心している。

博覧強記、百学千知の学問の巨人こと祖父・「間宮(まみや) 創草(そうぞう)」の土産話は興味深い反面、時間を喰うので、5倍速ぐらいで喋ってくれないかな、と常々思っている。

他の登場作品:『令嬢博士(レイジョウハクシ)些事些難(サジサナン)』シリーズ、他。


(みち) 恵樹(けいじゅ)

生年月日:1999年4月28日

身長:156.8cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:野菜のテリーヌ/マッシュルーム/洋梨

嫌いな食べ物:人工的な味のもの(香料、甘味料等)/鶏の軟骨

趣味:古書店巡り/金属製ボールペン集収/軽い午睡

因果震度:C+

“お一人様篇”シーズン1♯2にて「猫町」を訪れた女性。眼鏡着用者。

品森(しなもり) いさな」、「戸賀(とが) 梨子(なしこ)」、「斎藤(さいとう) (でん)」、古い所では「土屋(つちや) 鞠子(まりこ)」など、錚々たる顔ぶれの作家・文筆家を輩出してきた明治このかたの名門「恩行(おんぎょう)大学」文学部4回生(ちなみにキワモノ系ミステリ作家「伽藍堂(がらんどう) 蝦蟇口(がまぐち)」も同校の出身である)。古書研究会所属。図書館司書志望。

自他ともに認める本の虫。読書は趣味ではなく生活の一部。

本人は認めようとしないが、方向音痴の気がある。

シイナの「釈葉(しゃくよう)女学院」時代の1年後輩(高校受験組)。秀麗な容姿と品格ある佇まい故にあらゆるクラブから熱烈なる勧誘を受けるも、入学前からの予定通り、文芸部に即決。3年時には3誌ある部誌のうち、論評・随筆に特化した「罹患者(りかんしゃ)の手帳」の編集・発行人を引き継ぐ(前代「東雲(しののめ) まひろ」、前々代「叶納寺(かのうじ) 幸架(さちか)」)。

妹の「景花(けいか)」(現在「釈葉」高等部生)とは比較的関係良好、兄の「継土(けいと)」とは没交渉。

由緒正しき旧家の家柄、言い方を変えれば旧態依然とした男尊女卑傾向の強い家庭内に於いて、潜在的に男性不信気味に育つ。現状の自認として、男性は恋愛・性愛の対象ではない。

尚、余談であるが、

シイナ側は新入生歓迎祭の後、演劇部への勧誘に際して声をかけたのがケイジュとの初対面だと記憶しているが、実際はスクールオリエンテーションの折、保護者と逸れ広大な花樹庭園(通称「散花(さんげ)の森」)を独り彷徨い、一陣の風に飛ばされ樹上にかかってしまった麦わら帽子を取れず思案している所を助けてやった、不安気で引っ込み思案な印象の少女こそ、ケイジュその人である事を認識していない。

他の登場作品:『カップ・アンド・ソーサー』シリーズ、『オモいカね図書館』、『古書(こしょ)姫行(きこう)』、他。


賢木(さかき) 千種(ちぐさ)

生年月日:1996年9月25日

身長:155.3cm(2021年春時点)

好きな食べ物:アスパラ/かぼちゃプリン/ミントティー

嫌いな食べ物:カレーライス(強いて言うなら)

趣味:読書

因果震度:C−

“お一人様篇”シーズン1♯3にて「猫町」を訪れた女性。丘の上の白い館で、魔女と暮らしていた娘。

資産家の家系「賢木(さかき)」家の次女として生まれ各種の早期教育を受けるも、両親が期待する程の成果を出せず、劣等感を内面化して育つ。

高校中退の数年後、病身の祖母「千景(ちかげ)」の介護・介助の役を仰せつかり、他親族とも没交渉の中、「魔女」と2人、時が止まったような6年間を過ごす。

現在はその任からもほどかれ、虚脱と放心の果て、「猫町」のドアを押した。

「魔女」との生活で身に着けた家事・炊事・製菓・造園管理等の知識・技術は決して馬鹿にならない水準であるが、当人の肯定感には余り寄与していない。また環境上、痩身に反して腕力が強い。

幼少期のほんの僅かの期間、仲睦まじい関係であったものの、現在は冷え切った仲である2歳違いの姉「千早(ちはや)」が、大学卒業後程なく経営者・飲食店プロデューサーとして頭角を現し、「サカキチハヤ」ブランドの若き女帝として著名となった事も、劣等意識の醸成・固着化に拍車をかけている。

「猫町」を後にし、角を曲がって歩き去る彼女の耳に届いた「とある提案」が、以降の彼女の人生をどう変えて行くのか。未確定の未来へと一歩踏み出す事は、紛れもなく、生きる者の、(のこ)された者の特権である。

元来生まれ持った気質としては、負けん気が強く、攻撃性が強い。

他の登場作品:『緑の丘、銀の風』、『コンビニエント・コミュニケーション』、他。


遊勢(ゆぜ) 真奈子(まなこ)

生年月日:1999年5月20日

身長:161.8(2021年秋時点)

好きな食べ物:カニクリームコロッケ/餡かけ焼きそば/焼きプリン

嫌いな食べ物:オクラ/とろろ/醸造酒全般(苦手な程度)

趣味:ツーリング/ショッピング(古着含む洋服)/プロレス鑑賞(観戦には行かずTV)

因果震度:D+

“お一人様篇”シーズン1♯4にて「猫町」を訪れた女性。保育士。バイク乗り。(意外にも)非喫煙者。

「猫町」から3駅ほど離れた場所にある私立「まごころ保育園」に勤務(2019年度採用)。

現在の服装や印象のまとめ方として、甘めよりは辛め、清楚よりは活発、および遊び慣れたイメージを持たれがち。

親しい知人・友人からは「元ギャル」、「元ヤン」、「いや今も十分ギャル」だのと好きに勝手に揶揄されるが(殺すぞテメー)、ギャルよりもヤンよりも前にまず、生粋の体育会系。物心ついた頃より利発かつ快活な女児であったが、小学4年から友人に誘われ顔を出し始めた地元の強豪女子サッカーチーム「姫足(ひめたり)クイーンズFC」(現なでしこリーグ所属「コンクエスタドール(みね)」の下部組織)にてメキメキと頭角を現す。ポジションはFW(フォワード)

中学の部に上がる頃にはチームの主砲、エースストライカーとして不動の地位を築き、“黄金の右脚”、“姫足の最強鬼ギャルFW”等の異名を取り、地域の女子サッカー界にその名を轟かせていた。

現なでしこジャパンの若きエースにして、各界の若手トップランナー集団「新世紀の11人」にも名を連ねる日本女子サッカー界の至宝「(たちばな) 疾風(はやて)」とも、当時のU15リーグにて試合経験を持つ。

3年時の公式戦での負傷、靭帯断裂を機に、部活・クラブ共に試合メンバーからは外れ、卒業のタイミングで競技自体からも引退。

高校入学後はひょんな事から生徒会活動にやり甲斐を見出し、2年時には執行部会計、3年時には副会長を務め、会長「星野(ほしの) 美予(みよ)」、会計「号田(ごうだ) 弁慶丸(べんけいまる)」、書記「谷町(たにまち) 経悟(けいご)」、庶務「相内(あいうち) エリス」らと共に学内の諸問題解決に精力的に取り組み、持ち前のガッツとサッカー仕込みのバイタリティで面々を牽引する。

生前 保育園経営者であった祖父の影響もあり、卒業後の進路には保育・養育業界を選択。

「東京そとむら短期大学」こども教育学科 保育コースをバタつきながらも卒業、現在に至り、尽きぬ燃料を持つ小さきモンスターたちと共に七転八倒、疾風怒濤の日々を送る。

職場では現状 猫をかぶっているものの、心には学生時代同様、気高き獣が鎮座している。

他の登場作品:『こども共和国(りぱぶりっく)』、『疾風(はやて)たつ!』(地区大会編に登場)、『特記事項無し 〜弁天山(べんてんやま)高校生徒会執行部〜』、他。


火積(ほずみ) (かい)

生年月日:1985年6月17日

身長:182.4cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:海老しんじょ/ゴボウの煮付け/刺身こんにゃく(辛子酢味噌)

嫌いな食べ物:焼き過ぎたトースト/酸っぱいだけのグミ

趣味:高級メタルフレーム眼鏡(グラス)のオーダーメイド/知らない街の縁日を冷やかす事

因果震度:B+

“お一人様篇”シーズン1♯5にて「猫町」を訪れた男性。元・建築/空間/ランドスケープデザイナー、アートディレクター。現・末期的疾患者。

病により痩せ細った風貌が異様な印象を与える為、ここ1年ほどは体型隠しの大振りなトップス、アウターを着用する。

東北地方の出身であり、また同じ郷土出身の著名な陶芸家「不二田(ふじた) 禄村(ろくそん)」を祖父に、造園設計家「不二田(ふじた) 欣一(きんいち)」を父に持つ。美術・芸術分野に明るい人間から見れば己は2世・3世に過ぎない、という自認を語る事は少ない。「火積(ほずみ)」は母「良枝(よしえ)」の旧姓。

実家の機能不全的抑圧とそれによって醸成されたコンプレックスに耐える事を諦め、高校卒業を機に上京。

両親と旧知の仲である建築家「(まき) 順一郎(じゅんいちろう)」氏を頼り、氏が教員を務める「日本新理想造形工芸学院」昼止(ひるどめ)キャンパスに籍を置き、「真なる日本のバウハウス」を標榜し設立された“関東の魔窟”、“建築・造形・工芸界の九龍城”と称される場所でデザインを学ぶ。在学中から綺羅星の如くに注目を集め、各種業界誌、アート誌にも頻繁に取り上げられ、一躍時代の寵児となる(特定の界隈に於いて、ではあるが)。

有名女流作家「土屋(つちや) 毬子(まりこ)」が主宰する会員制文化人サロン「霧心(むしん)(かい)」にも出席を許され、作家、芸術家、演劇人、舞踏家、歌手、プロデューサー、コピーライター、コレオグラファー等、各界気鋭の若手陣たちと交流。

私鉄「元路浜(もとじはま)」駅 駅前ロータリーの巨大水飲み鳥オブジェ、「雨戸宮(あまとみや)プラザ」ビル4階チルアウトスペース、「ホテル晃水(こうすい)」中庭の半球形植栽群、塚淵(つかぶち)県「竹取橋(たけとりばし)」市役所の市章モニュメント、横瀬(よこせ)アクアシアター『大アロワナ展』水槽展示プロデュース等など、規模の大小、公・民を問わず、絶賛の評を(ほしいまま)にすること枚挙に暇なし。

若くして絶頂とも言えるキャリアとステータスを得るも、程なくして医師による確定診断、及び余命宣告。以降は一転、意気を喪失し廃業、世捨て人となり、知人縁者を訪ねて歩く放浪生活に入る。

普通であれば入院を余儀なくされる身体の疼痛・倦怠感を和らげる為、以前より親交のあった起業家「久慈(くじ) 近江(おうみ)」氏経由で非合法医師「真砂(まさご) 絹絵(きぬえ)」と接触、薬事法に制限されぬ量・種の薬類を処方、常時服用。明晰と朦朧のバランスを計りながら、いつ終わるとも知れぬ余生を送る。

実家とは半ば絶縁状態であるが、自身が好物として挙げる料理の殆どが、かつて母親の手で食卓に上がり、また父親が好んで口にしていた物である事を自覚していない。

幼少期は日がな一日庭の土を掘り返し、捏ね上げて、何ともつかない泥の塊を作っているような子供であった。

他の登場作品:『ヘヴンズ・レセプション』、短編『湖畔にて』、他。


義鉢(ぎばち) まりえ


久慈(くじ) 近江(おうみ)


叶納寺(かのうじ) 幸架(さちか)



★『耽溺ちゃんと退廃くん』シリーズ

■多々(たたら) 捧一(ほういち)

生年月日:2001年6月22日

身長:172.4cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:(たけのこ)/バジル/チーズケーキ

嫌いな食べ物:わかめ

趣味:料理

因果震度:C−

恩行(おんぎょう)大学2回生。文学部史学科。

泥の底の奇虫の眼差し。

大学の合格発表の日、同じく合格した高校の同級生「保科君子(ほしなきみこ)」に声をかけられ、彼女からの「頼み事」と提案に応じる形で、大学徒歩圏、JR「朔間寺(さくまでら)」駅近くの安アパート「こまどり荘」にて半同棲生活をスタートさせる。それは偶然からの成り行きであり、また父「報一(ほういち)」母「久美(くみ)」によって出生時から課せられた、「自分たちが送る“筈であった”理想の人生を再現する」という役割を「晴門(せいもん)大学」落第の時点で喪失し、人知れず存在理由(レゾンデートル)の崩壊に瀕していた当時の彼に取って、ある意味での必然であったのかもしれない。

「晴門」にも受かり、現状 (つつが)無く母の「人生再演」を遂行中の妹「供美(くみ)」含め、家族とは実質的な絶縁状態にある。

理路整然とした内容の独り言を言う癖があり、それは自我と認知の均衡(バランス)を調整する為である、と本人は説明する。

家庭環境に由来する自身の歪みと欠落を平坦平静の能面で塗り潰し、反面帳尻を合わせるように、時として他者の人生を破滅的に左右するような、病原体じみたコミュニケーション様式を構築してきた。

基本的には存在感を薄く保っているが、隠し切れず滲む厭世と諦観の臭気は、敏感な人間に対しては嫌悪と忌避を抱かせるに十分である。

生活費補填の為、アルバイト先の24時間営業リサイクルショップ「リンネ堂」にて精力的にシフトを入れている。

他の登場作品:『夢砂星のキカ』、他。


保科(ほしな) 君子(きみこ)

生年月日:2001年10月3日

身長:157.6cm(2021年秋時点)

好きな食べ物:汁系の麺類(ラーメン、そば等)/和菓子全般

嫌いな食べ物:特に無し

趣味:陶器収集/古美術鑑賞/外食

因果震度:A−

恩行(おんぎょう)大学2回生。文学部文化人類学科。

檻の中の(とりこ)の眼差し。

入学当初より、清楚かつ高貴なる美貌と儚げな雰囲気から「聖女」の異名を取り、現在4回生である文学部の孤高の姫「(みち) 恵樹(けいじゅ)」が卒業した暁には、前年度ミス恩行「虎持(とらもち) 優香(ゆうか)」、法学部の氷の微笑「塁堂(るいどう) 都子(みやこ)」の牙城に食い込み、“恩行三大美女”(昭和より続く俗悪なる伝統)の一角に名を連ねるは確実、と噂される。

上記のようなイメージを保つ上で、日々の社交によるストレスと鬱積を解消し、精神の安定を図らんが為、同級生である「多々(たたら) 捧一」に対して一つの「頼み事」をするに至る。結果として、今は捧一の安アパートにて堕落と退廃の(と、本人は呼称している)同棲生活を送っており、一人暮らしの為にと用意されていた近隣高級マンションの一室は現在、無人状態で家賃が払われ続けている。

明治維新、関東大震災、太平洋戦争と、国内に動乱の火が燃え立つ毎に、表裏を問わず暗躍し、その地位と権力を確固たる物としてきた「龍伏(たつぶせ)一族」、その忠実なる臣下・眷属たる“関東(かんとう)守護(しゅご)地鎮(じちん)(つかさ)六家(ろっけ)”が序列五位、「保科(ほしな)家」の次女。特異な家庭環境と親族間の軋轢の中で幼少期より精神を蝕まれ、高校からは姉「浄子(きよこ)」の預かりという形で、「保科」含む“六家”のお膝元である塚淵(つかぶち)県を離れ、東京にて生活する。

達観と幼児性が奇妙なバランスで同居した危ういパーソナリティを持つが、彼女のその本質を知る者は、友人・知人の中に於いては極めて少ない。

近頃、三大欲求を満たす事の快楽に目覚め切ってしまい、色々な意味でヤバいと思い始めている。

他の登場作品:『夢砂星のキカ』、他。

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