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多田氷雨の作品集

透明の口づけ

作者: 多田氷雨


 いるのに。


 君はそこにいるのに。


 触れられない。


 抱きしめられない。


 君を抱きしめようとすると、体がすり抜ける。


 そこに、いるのに…


 触れられない。


 君は目を細め、悲しそうに微笑む。


 私だって、君に触れたいよ。


 すうっ…と。


 向こう側の景色が幽かに透けて見える。


 僕の恋人。


 幽霊の君。


 通りすぎないように、君の手に手を重ねる。


 ゆっくりと目を瞑る君。


 ゆっくり…ゆっくり…と。


 通りすぎないように。


 君の唇に、僕の唇を重ねる。


 














 感覚はない、けど。


 僕の唇に僕以外の体温を感じた…










 気が、した…













 

あなた様の刹那の時を下さり、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] どれだけの日 願っただろう もう一度、君に会えたなら ひと夏の風 縁側の風鈴 懐かしい音立てて揺れる 君みたいに 涼しい風が吹いて 笑っている 振り向けば、いつも、そこに、 いる気がして─…
[良い点] 幽霊恋詩 ひと夏でも肉体が持てて触れ合えたらいいですね。
2022/07/25 07:10 退会済み
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