表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/95

こうして土竜(モグラ)を捕らえるコツを掴んだジョーカーは、おおよそ三日に一度の割合で土竜(モグラ)を捕らえることができた。その間はもちろん虫で飢えをしのぐことにはなるものの、この辺りはオオカミ竜(オオカミ)の群れでも数日獲物が獲れないということは珍しくないので、それに耐えうる肉体はもっていた。むしろそれに耐えられない個体は次々と死んでいく。


なお、土竜(モグラ)はいくつかの種に分かれており、生態や食性も違っていたりするものの、多くは雑食性で土中の虫や草の根や地下茎をモリモリと食べてどんどん子を産む習性がある。なので、どんどん狩られないと、土竜(モグラ)が住み着いた当たりの植物が根こそぎ枯らされてしまうという一面もあり、そういう意味でも積極的に狩っていく必要があった。


もちろん、ジョーカーはそんなことを知る由もないものの、彼は土竜(モグラ)を狩り、食らい、自らの命を繋いでいった。


だが、土竜(モグラ)狩りには思わぬ<罠>が潜んでいることもある。土竜(モグラ)の天敵の一つであるイタチ竜(イタチ)の仲間は、多くの種がその名が示す通り細長い体をしており、そして土竜(モグラ)の穴に潜れる者が多い。こうして土竜(モグラ)を狩るのだが、同時に、土竜(モグラ)を狩ろうとする小型の肉食獣なども襲って食うことも少なくない。


まさに、ジョーカーのような。


そしてこの時も、イタチ竜(イタチ)土竜(モグラ)の穴に潜んでいた。ここまでイタチ竜(イタチ)に遭遇したことがなかったジョーカーはまったく無警戒にいつものように近付いてしまった。そこに、


「ギュアッッ!!」


穴を壊そうとしたジョーカーに、イタチ竜(イタチ)が襲い掛かる。


「ヂッッ!?」


突然のことにジョーカーは咄嗟に飛び退くも、間に合わなかった。イタチ竜(イタチ)に首筋に食らい付かれ、電撃のような痛みが全身を駆け巡る。


『死ぬ……!?』


やはり明確な思考ではないもののそれに近い感覚を覚え、彼は必死で抗った。そうしなければ確実に自分はここで死ぬと思った。


『嫌だ! 嫌だ! こんなのは嫌だ! 俺は何もいい目を見ちゃいないんだぞ? なんでこんな……!?』


そんな感じの憤りが吹き上がり、彼は己のすべての力を振り絞って、両前脚の爪をイタチ竜(イタチ)の顔に突き立てる。


と、


「ギュヒッッ!?」


ビリッとした悲鳴が上がり、イタチ竜(イタチ)の力が弱まった。


「!!」


ジョーカーは地面に転がりながらさらに両方の後脚の爪をイタチ竜(イタチ)の腹に突き立てた。


おそらく、普通にそうしようとしても身をひねって躱されていただろうが、この時、ジョーカーの前脚の爪がイタチ竜(イタチ)の眼球を貫き脳にまで届いていたことで通常の対応ができなかったのだろう。


イタチ竜(イタチ)の腹が、ジョーカーの後脚の爪で切り裂かれていったのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ