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p.2

 ある時、紬は友人に誘われて、初めてお泊まり会をした。


 時刻は22時を少し過ぎたところ。


 入念に化粧水と美容液を肌へと染み込ませ、髪を乾かすと、歯を磨き、友人宅の脱衣所を出る。


 ワンルームで暮らす友人は、脱衣所を出たすぐの部屋に布団を1組敷き、自身は、ベッドに腰掛けて、ビールを美味しそうに煽っていた。


 紬は、持参した青汁を友人宅の小さなキッチンで1杯作ると、コクコクとその場で飲み干す。


 飲み終わったグラスをすすぎ、流しの横にコトリと置くと、紬は、友人へと声をかける。


「お風呂ありがとう。もうそろそろ……」

「いえいえ。どういたしまして。そろそろ時間ねー」


 ほろ酔い加減の友人は、ベッドをポフポフと叩く。


「な、何?」


 友人の行動の意図が掴めず、少し身を固くして問い掛けると、友人は、一人楽しそうに、軽やかな声を出す。


「女子のお泊まり会といえば、やる事は1つよ。はい、ここ座って」


 そう言いながら、友人は、再びベッドをポフポフと叩く。


 しかたがないので、紬は、友人の隣へと腰を下ろす。


「やることって、何? 私は、そろそろ……」

「女子のお泊まり会でやること! それは即ち! 恋バナ大会です!!」


 友人は、手にしていた缶を高らかと掲げ、そう宣言した。


 しかし、そんな宣言をされたところで、紬には、話のネタなど何もない。なぜなら、異性とのお付き合いどころか、初恋すらまだなのだから。


 結局、紬は、友人の擦った揉んだの恋バナだけを聞かされる羽目になった。

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