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今晩は

作者: 成瀬海佳


__いつも通りの日常。

朝寝坊して学校に行って、「またギリギリ登校かよ…」

って言われながら席に着く。もちろん反省はしていない。

そして友達とワイワイ話して、気付いたら授業が終わり、

部活で疲れて帰ってきたと思ったら今度は塾に行って。

とても長く感じる塾が終わったら、

コンビニで揚げ物を買って食べながら帰るのが定番だ。

あ、流石に毎日は買わないよ?

これでも一応女だし、太っちゃうのは嫌だからね。

ここまで聞いたら

「なーんだ、そこら辺にいそうな女子高生だね。

学校は楽しい?どうせJKブランドとかいうやつで

毎日毎日浮かれて過ごしてるんでしょ?」

って思う人が出てくるかもしれないね。



さあ、どうだろう。

あたしは人とは考え方が違う。

自分で質問しておいて、答えが分からない。



あたしが小学生の頃、常に

「自分が主人公」という思いで生きてきた。

そりゃあ、ひん曲がった性格になるのも無理はない。

ただ、あたしはそれを正しいとして生きてきた。

自分が楽しめればいいと思って生きてきた。

何にも考えずに。無意識に。


中学生の時、自分の性格を全否定された。

何が起きたんだろう。ショックで覚えてない。

「あぁ。駄目だったんだ。全部全部。

駄目だ、変えなきゃ。性格も考え方も。全部全部全部。」

この時からかな、人間不信になったのは。


いつからか自分を偽って生活するようになった。

だから自分が分からなくなった。

何も感じなくなった。笑えなくなった。

「今のあたし、ちゃんと笑えてた?」って。

笑顔の練習した日は本気でやばいって思ったよ。

メンタルブレイクするのも時間の問題だった。


このまま気づいたらいなくなりたくなっちゃうのかなって。

怖いけど。

逆に何も考えずにいられたら楽なのかなって。

思ってみたりもして。


__いつも通りの日常。

寝坊している訳じゃない、一日のプランを練っている。

みんなが期待してくれているようなあたしになるために。

コミュニケーションをとるのは、みんなに見えている

あたしのイメージを崩さないため。楽しいからって訳じゃない。

部活なんてもう論外だ。気が遠くなる一方である。

部活にいる時は感情を殺さないとやっていけない。

いつかぶっ壊れる予定でいる。もう壊れかけてるか。

あたしはこんなに疲れているのに、

塾でもっと頭を使わないといけない。

夜は考え事が収まらなくて寝れないのが日課。

年中、睡眠不足を拗らせている。


頑張れば生活できるから、不満は特にない。

いや、感じていないだけかもしれない。

ただ唯一、塾から帰っている時だけは心が暖かくなる。

なんでだろうか、分からないけど。

急にどこかに行きたくなる。

現実から逃げるため?何かを捨てるため?

それは分からない。でも、分からないといけない気がする。


夜って、色々考えちゃうよね。

色々考えすぎて、時には自傷行為に走ったりするんだけども。

窓から見える景色に影響されて、外に出たいなって思う時がある。

ちょうど今がそう。

じゃあ今晩はちょっくら散歩にでも行きましょうかね。

散歩に行っても何も解決しないと思うけど。

ここで考え事をして時間を潰すよりはマシかなって思って。



ねえ、目の前真っ暗になる事ってない?

原因はそれぞれ違うし、絶望度だって人によって違う。

まあ、なんだ。その、適度に生きていかない?

人のこと言えないけどさ。

あたしは自分に対して色々疑問があるから、それを解決するために

日々を過ごしてるよ。

分からないよね、明日の事。一年後の事。将来の事。

だからさ、ゆるーくやっていかない?

今晩は一緒に散歩でもいかがですか?




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