ベツバラ!!
小説家になろう初投稿で、処女作になります。
変化が訪れるのはいつだって特別だという。
変革が訪れるとき人はいつだって突然だと感じるという。
偶然にしても必然にしても、そういうものだ。簡単な変化ですら人間が忌避感を抱くのはそういうものが理由なのだろう。と、言ってはみるものの。
私とてこの世界の変容を外側からただ単に見守っていた訳では無い。私とて世界に訪れた変貌の当事者であり、その世界を担っていかねばならない人間の一人だということだ。
故にこれから語るのは、世界に生きる私が語らなければいけない事なのだろう。
──かつて、世界に訪れた大きな災害。
人の運命を大きく変えた、一種の進化であり、呪い。
極東の島国、日本の東京に突如として現れたソレによって世界は変わってしまった。
ソレが現れたのは人が意識的に数えられる程度の時間でしかない。
歴史というには余りにも短すぎる瞬間的な出来事。
戦争、科学、革命。人が歴史の中で紡いできた事柄とは根本的に大きく異なるソレがもたらした変化はやがて全世界へと広がり、今や世界人口の実に九割以上がこの変化の影響を受けている。
たった数分か或いはそれ以下の時間で人の社会はもう戻れない程に移り変わった。
ソレの登場によって人々が手に入れた変化はたった一つ。
──異能。
人に与えられた超常なる力、物語に登場する魔法の如き力。
たった一つ人間に与えられたその力が、どれ程の変化を世界に強制したのかは想像に難くない。
そして訪れた混乱は、想像通りいや想像以上のものだったという他にない。
技術の進歩、文化の適応。
新たな大陸の出現、別世界の入り口に異界の生物。
国連に代わる新たな連合組織の設立、異能を悪用した犯罪の増加。
天変地異とも言うべき災害。
全て異能によって齎された変化だ。
これから始まるのは異能によって変化した世界の話。
或いは人の話。
超常史に生きる世界の話だ。
よろしくお願いします