その雑誌の名はGoodTEEN
さらに悩む展開になってしまった……
まさか学年一の美少女、美宮舞莉亜が雑誌を読みながらブツブツと呟いてる。しかも、つぶやきの内容は美少女かわいいという内容。そして俺はスマホをとるために教室へ1歩踏み出したところだった。美宮舞莉亜は、学年一の謙虚な美少女。そう俺は思っていた。だからこの状況が信じられない。そして、美宮舞莉亜は俺の存在に気づいていない。
これ以上彼女のつぶやきの内容を聞いていると、彼女が俺の存在に気づいた時、俺がどう反応していいか難しくなる。だからこれ以上聞いてはいけないのだ!!俺!!!だが気になる、学年一の美少女が可愛いと言っている美少女は……?
「やっぱ比奈実ちゃん可愛い……」
満足そうな彼女の声、可愛いが、このつぶやき、なにか引っかかるものがある。
比奈実、聞いたことがある名前だぞ??
ここで俺の話に入る。
俺の名前は上湧雅隆であり、5人家族。家族構成は父、母、俺、妹1、妹2である。妹はそれぞれ中3、小4がいる。妹たちはオシャレに目覚める年頃、ファッション雑誌を読み始める時期だ。そこで母親がファッション雑誌を買った訳なのだが……
「あ〜、可愛いけど、私には似合わない格好だな〜(妹1)」
「私はまだお母さんが買った服しか着ないから。(妹2)」
上湧長雨(妹1)は運動系の部活に所属していて運動のことしか考えていない。という妹なので髪型はベリーショートで常にジャージでいつも外にいてランニングしているやつだ。実際部活でも実績をちゃんと残していて高校はスポーツ推薦で入るのだろうと思っている。
上湧和美(妹2)は親の趣味が現れたような見た目をしている。(特に母親の趣味) 長雨とは異なり、直毛のサラッサラストレートの髪の持ち主であり、主張がほとんどないような子なので母のおもちゃのようになっている。黒髪ロングの前髪ぱっつん、そしてレースの多い可愛い服を着せられている。本人何も気にしていない。むしろ「このドレス可愛いね」なんて言っている。まあ、似合っているからな。母親の和美ちゃん人形はファッションに興味が無いのだ。
そんな妹たちはせっかく母親が買ってきたファッション雑誌を全く読まなかった。せっかく買ってきた雑誌を読まずに捨てるなんて可哀想だ、だから捨てる前に俺もパラパラとめくる感覚で読んでみた、そして俺は女子の読むファッション雑誌に、そして美少女にハマってしまったのだ。今では俺が母親に雑誌を買ってくれと言っている次第だ。
その雑誌の名前はGoodTEEN