美少女好きの俺と新しいクラスメイト
それは俺が美少女を好きになってから初めて経験したショックであり、学年一の美少女美宮舞莉亜との出会いだった。
寛也と担任は誰になるのかとか、いいクラスだったらいいなとか話しながら黒板に貼られた座席表の席に座る。俺は出席番号は前から数えた方が早いから、窓側の席になることが多い。やはり今年もそうらしく、窓側だった。こりゃあ午後は睡魔との戦いで忙しくなる。
「よっす〜!私は石間花比!よろしく!」
(可愛い子だあ!!!)
前の席の子が話しかけてきた。石間花比という彼女は艶やかな髪をポニーテールにしていて、いかにもスポーツ系の部活やってます!みたいな女子だった。なんかサバサバしてそうだし、女子にモテそうな部長タイプだ。しかも可愛い!
「ああ、よろしく!俺は上湧雅隆だ。1年間よろしくな!」
「んー!よろしく〜!!私さ、忘れ物とか多いからたまに貸してーって言ってくることあるけど、その時はよろしく〜」
石間花比はそう言い、大きな目をぐっと俺に合わせてくる。前髪をあげていても、その目の輝きは誰にでも分かる。
「いやいや、それは俺の台詞だよ。俺も忘れっぽいから忘れた時よろしくなー!」
「いやあ、それじゃあ持ちつ持たれつだねぇー」
「だな(笑)」
一応前の席の子に挨拶されたから、今度はこちらから後ろの人に挨拶しようと思い、後ろを振り向く……後ろも女子だった。(しかも可愛い!!)
「俺、上湧雅隆。1年間よろしくな!」
後ろの席の女子は、俺が声をかけると読んでいたから顔を上げて少し微笑みつつ、
「私は栄野望、よろしく」
と、上品さ120%の声はそう言った。声も上品だが、容姿も負けていない。ボブカットの髪はサラサラストレート、シワやシミ1つない制服の着こなし。ピンクのフレームメガネには長いまつ毛に縁取られた切れ長な瞳。その瞳はキラキラしている。(水分量どうなってんだ!!!!)メガネでいるのがもったいない美人だ。いや、メガネでも普通に美人だが。
俺は栄野の顔ばかり見ていて栄野の読んでいる本に注目していなかったが、栄野は何を読んでいるんだろうか?
「何読んでいるんだ?」
「えっと……あ、何読んでると思う?」
まさかこう来るとは!なんだろう?栄野みたいなお嬢様系メガネ文学少女って大体有名な外国の文豪とかだよな?だったら誰だ?シェイクスピアとかか?それとも……??
「私、お堅い本そこまで好きじゃないのよね、私文学少女に見える?」
柔らかなお嬢様スマイルとともに彼女は本のブックカバー(上品なブックカバーだ)を外して俺に見せてくれたその本は、アニメ化もされた有名な異世界系のラノベだった。
「なんか見た目からだと想像できねえな」
「こんな私だけど、1年間よろしくね、上湧君。」
「ああ、よろしく」
爽やかな陽キャスマイルを浮かべ、ご近所さんと挨拶をする。なんだ!?このクラス、美少女多くないか?