77 そして朝を迎える
「ゆうべはお楽しみでしたね」
「ゆうべはお楽しみだったわね!」
食事が並べられた居間にたどりついた俺は即座にスティーナとスイファンさんに声をかけられることになる。
お、おかしい。なぜバレてるんだ。
「あなた達、声うるさすぎ! あえぎ声が外まで響いてたわよ」
「あ……マジか。カ、カナデは?」
「ヴィーノより30分早く起きてきたから、からかったら真っ赤な顔して出ていったわ」
初めてなのに思った以上に盛り上がっため、部屋の壁が薄いことが影響して響いてしまったか。
ちなみにカナデとの体の相性もばっちりだった。はよ、家帰って続きしたい。
「ふふふ、孫の顔が案外早く見れるかもしれませんね」
子供が出来るとさすがに今のような生活は出来なくなる。
そのあたりはちゃんとしていかないといけないな。
「スイファンさんは13歳でカナディアを産んだのよね? 怖くなかったの?」
スティーナはちらっと聞きづらいことを聞く。
15歳で成人とするこの世で未成年の妊娠はさすがに問題となる。
「怖くなかったですよ。シュウさんを愛していましたから」
「やっぱり愛なのね……ステキ」
「あ、いえ、黒魔術【一発妊娠】を使ったので確実ですよ。あっ、シュウさんには黙っててくださいね」
「うん?」「はい?」
俺とスティーナの声が重なる。
「も、もしかして……シュウザさんが13歳のスイファンさんと結婚したのは……」
「はい、年の差で中々手を出してくれないので黒魔術を使って【暗示】と【一発妊娠】を」
全ての元凶はスイファンさんだった件。
まさかそんなカラクリがあったとは……いや、でも……これなら確実に落とせるよな。
「問題にならなかったの……?」
「シュウザさん側は大変な目に遭ってましたけど支える気でいましたから。今となっては両家の関係はとても良好ですよ。カナディアにみんなメロメロでしたし」
そういう問題ではない気がする。
「亡くなったのですが私の祖母が黒魔術の達人だったので本当にいろいろ教えてくれました。カナディアは黒魔術の才能がほとんどなかったので、孫に期待ですね」
教える気マンマンじゃないか。
娘、息子がそんな技で伴侶捕まえてきたら俺はなんて顔をしていいかわからんぞ!
「カナデはどの黒魔術を持っているのですか?」
「愛した男の居場所を知る【追跡】と……泥棒ネコに呪いをかける【略奪成敗】。あとは夫の関わった女のにおいを感知する【女嗅覚】」
「なんで全部夫婦ネタですか!?」
「にゃあ!?」
そんな言葉もスイファンさんは笑って返すだけだった。
「あ、あたし……まだ何もされてないよね」
スティーナもどこか震えているが……そこは自分で何とかしてもらおう。
スティーナも何か思い当たる節はあるのだろうか……? 疑問だ。
「おぅ、若造。昨日はお楽しみだったようじゃのう!」
「シュ、シュウザさん……。大太刀を持たれて……あと何で俺の胸ぐら掴むんです」
「おい、嫁の父親にはちゃんとお義父さんと呼べと教わらんかったか?」
「あ、じゃあお義父さん」
「ワシはまだ認めとらんわ!!」
どうしろと言うのか。
「ワシが朝食前に婿として貴様を鍛えあげてやる! 来るがいい」
極太の腕に掴まれて俺は成す術もなく連れて行かれる。
朝から大変な目に合いそうだなぁ……。
廊下を歩いていたシュウザさんがピタリ止まる。
見上げると頭をポリポリとかいていた。
「カナディアのこと……頼んだぞ」
「分かってますよ。絶対幸せにしますから」
シュウザさん……口には出しませんが
クソロリコン親父とか思っててすみませんでした。
登場時いろいろ言われていたシュウザさんですが彼は何と被害者だったのです・・・。
黒魔術おそろしい。
現実にあったらマジで大変なことになりそうですね。異世界だからOK






