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【書籍化】ポーションは160km/hで投げるモノ!~アイテム係の俺が万能回復薬を投擲することで最強の冒険者に成り上がる!?~(WEB版)  作者: 鉄人じゅす
1章 ポーション使いと黒髪少女

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40 最奥地 アメリ視点

【不夜の回廊】の最奥は本当に広い空間が展開されていた。

 王都にある大聖堂に似ているのかもしれない。

 幾多の石塔と中央の奥にある祭壇。綺麗に敷き詰められた石の通路がまっすぐと続いている。


 今まで鋼の通路だった先がこの様相とは不思議な感じだ。


「すげーなぁ」


「ああ、儀式でもやってそうな感じだな」


 ヴィーノの言うことが尤もに思える。

 ぱっと見大聖堂のように見えたこと、儀式のことを考えると……大量の信者がお祈りするような所にも見えた。


「とりあえず、奥まで行くぞ。軽く調査したら撤収だ」


「試験はないのですか?」


 カナディア……もしかしてまだ気付いてなかったのか。

 意外に純真な子なんだな。かわいいやつめ、後でいっぱい可愛がって笑わせてあげよう。


 祭壇に皆で足を踏み入れた時……それは動いた。


『よくぞ……ここまで来た。黒の民の因子を持つ者よ」


 祭壇の上部で映像が流れ始めた。

 古代文明ではありふれた技術だったらしいが今の世では再現できていない。

 真っ黒な人影から重厚な声が響く。


「わ、私……ですか」


「やっぱりカナディアに反応してるんだな」

「あたし達は後ろで見てんぞ」


 ヴィーノを引っ張り後ろへと下がらせる。

 ここはカナディアに喋らせた方がいい。


「あの……教えてください! ここはいったい」


『白の民の侵攻は始まっている。奴らにこの遺産を渡すわけにはいかぬ』


「あのー聞いてます?」


 どうやら録音されたメッセージのようだ。

 カナディアの問いに何も反応はない。


『この遺産を持つに相応しい者かどうか試させてもらう。非戦闘員なら退却せよ』


 映像は消え、地響きでこの場が震え始めた。

 すると空から巨大な何かが落ちてきたのだ。


「魔獣……機械……いや、どうだろう」


「ありゃー、やべぇものなのには違いねぇ」


 四足歩行の獣だ。

 全身が黒い結晶のようなもので覆われている。

 既存の敵で評すならベヒーモスとかそういった類いだろうか。

 間違いなくS級魔獣だ。得体の知れない結晶を纏っているから……S級をさらに超える物と言えるかもしれない。


 さすがにヴィーノとカナディアだけではきついか。あたしは背負うハルバードを手に取る。


「これが最終試験ってことですね!」


 カナディアは鞘を捨て、大太刀を抜く。

 勘違いしている所悪いが試験はもう終わりだ。


 するとヴィーノが横へ来た。


「俺とカナディアの2人でやらしてくれないか?」


「おいおい、マジで言ってんのか……?」


 だが……ヴィーノは楽しそうな顔をしている。


「最近、俺のポーションテクを本気で出したことなかったんだよ。楽しめそうだ」


 ……ったくそんな顔をされたらしゃーねぇな。

 あたしはハルバードを背に戻し、後ろに下がった。


「やばくなったら出るからな! それまでやってこい!」


「おっけー!」


 ヴィーノとカナディアはフィールドに立ち。あたしは祭壇の上で見守る。


 あの獣……何といって評すか。

 結晶獣だな。


 ガアアアアアアア!


 結晶獣は咆吼を上げ、ゆっくりとヴィーノとカナディアに近づく。

 すると結晶獣の体からたくさんの結晶が生まれ、2人に向かって飛ばしてきた。


 100を超える結晶体、防御しても削られんぞ!


「バリア・ポーション!」


 ヴィーノは4本のポーションを抜き取り、地面に向けてたたき割った、

 するとそこから煙が出て、ヴィーノとカナディアを覆う。

 その煙が結晶を全て弾いてしまった。


 ったく……手品かよ。


 結晶体が砕けたのを見てカナディアは飛び出した。


「二の太刀【神速】」


 瞬時に移動し、結晶獣の足に大太刀による一撃を与える。

 結晶に覆われていない所はそこまで肉質は固くないようだ。


 しかし、速い一撃だ。他のS級冒険者にもまったく負けてねーな。


 ヴィーノの奴が大きく振りかぶっている。

 狙いは恐らく結晶獣の頭にある一番大きい結晶、角とも言える部分だ。

 あそこが急所と見て狙っているんだろう。


 ヴィーノはぶん投げた。


 今までの魔獣であればこれで頭を跳ね飛ばして勝利できたはずだ。


 だが……角はびくともしていないのか


「効いてないのか?」


 違う。

 角に到達する寸前にバリアか何かで弾かれたんだ。

 それでポーションの瓶が割れてしまって威力が殺されてしまったんだろう。


「五の太刀【大牙】!」


 カナディアは大太刀を振り上げて、腰を入れて、振り下ろした。

 かなり圧力のある攻撃だがそれもバリアで弾かれてしまう。


 逆にカウンターで大量の結晶がカナディアを襲った。

 大太刀で防御するも幾多結晶がカナディアの肌を傷つけていく。


「カナディア!」


 ヴィーノはカナディアに向けてポーションを投げた。

 ポーションはカナディアの口の中にすっぽり収まり、傷はすぐに回復する。


「ヒーラーの回復魔法が届かない距離でも回復できんのか。とんでもねぇ支援役だな」

 

 でも絵面は最低だな。

 カナディアは瓶を吐き出す。


「女の子にやる技じゃないぜ。さぁ二人とも……あのバリアのカラクリ分かるか?」


 ヴィーノは指でカナディアに指示をする。

 少し距離があるので何と指示したかは聞こえない。

 2人は移動し、結晶獣を挟んでヴィーノとカナディアは対面した。


 ヴィーノがポーションホルダーから大量のポーションをばらまいた。

 空中に何十本のポーションがわらわらと出現する。

 

 「はあぁぁぁぁっ!」


 ヴィーノは一本ずつ速投げでぶん投げていく。

 結晶獣の体にまとわりつく結晶を砕き始めた。それでいい。

まさにヴィーノから飛び立つガトリング砲。弾がポーションなのがおかしな点だ。


 ではカナディアは何をするんだと思っていたら結晶を破壊し、通り過ぎていったポーションを大太刀でたたき返してしまったのだ。

 もちろん全てのポーションは返せない。途中で砕けてしまったりもするんだろう。

 だが返したポーションで結晶をさらに砕いていく。

 戻ってきたポーションをヴィーノが受け取り、再度ぶん投げる。


 ヴィーノの言い方をまねるならノック・ポーションって技になるのか。


 それを繰り返すウチに結晶獣の体の結晶は角以外なくなってしまった。


「仕上げだ!」


「六の太刀【空斬】」


 ヴィーノが結晶獣の上空に投げたポーションをカナディアが放つ斬撃の刃が通り過ぎる。

 ポーションから現れたのは火炎の力、そして斬撃の刃には風属性の魔力が混ざっており、炎が大きく広がる。


 結晶獣の体は炎にまみれて、苦悶の声を上げる。

 この燃え方、ノック・ポーションで使ったポーションに助燃剤を入れてやがったな。差し詰め、オイル・ポーションってか。



 ガアアアアアアアアアアア!


 突如結晶獣の角が大きく光り始める。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


 地響きが鳴り、天から瓦礫が降ってくる。

 古い遺跡だからもろくなっている。


 大技が来る!


 あたしは大声で叫んでいた!


「ヴィーノ、カナディア……ヤツの攻撃を止めろ!」


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書籍版ポーション160km/hで投げるモノ! ~アイテム係の俺が万能回復薬を投擲することで最強の冒険者に成り上がる!?~』
第2巻が7月20日 より発売予定です! 応援よろしくお願いします!

表紙イラスト
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