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31 S級冒険者

 応接室の扉を開けた先にはえらくちっちゃい……人が腕を組んでこっちを見ていた。


 子供……? いや、それはないか。


「よく来たな!!」


 やっぱり子供かもしれない。

 変声期を超えていないのかと思うくらい高い声で叫ぶもんだから拍子抜けしてしまった。


 でも……奥に立て掛けられているハルバードはどう見ても子供が持つものじゃないからそうなんだろうな。

 会うのは初めてだがこの少女が誰かは知っている。


「試験官はあなたでしたか【風車(ウインドミル)】」


「おう! あたしのことを知っていたか!」


 まるで子供のように無邪気な笑顔を見せる女の子。

 ちょっとしたアホ(くせ)毛を立たせた青のツーサイドアップをピンクの髪飾りで決めている。

 ぱっと見た感じは12歳くらいの少女にしか見えないが彼女は立派な冒険者である。

風車(ウインドミル)】の二つ名を持つ彼女の名はアメリ。


「ええ、アメリさん。S級冒険者であるあなたを知らない人なんていませんよ」


「そっか! そっか! あたしも有名になったな。えーとヴィーノとカナディアだな。……それとあたしに敬語はいらないぞ。そういうの苦手だしな」


「そうですか。ごほん、ならご要望通りで……でもいいのか?」


「ああ、年も近いからいいだろ」


「そうなんだ? 君は結構若いんだな」


「おいおい、よしてくれよ……これでも25歳なんだぜ。あはは!」


 エッ!?

 それなりに年上じゃねーか!

 この場合どう反応したらいいんだ!?


 そういえば孤児院の子供にもおっさんって言われたし……俺って結構老け顔なんだろうか。


「カナディア!」

「ぷい」


 察してこっちを向いてくれない。

 カナディアは普段敬語口調だから問題ないか。今更、敬語口調やめるのもあれだし、そのままでいこう。


「しかしまぁ……低級冒険者を率いて……破滅級を撃破……か」


 アメリは振り返り……奥のハルバードに手をかける。

 それを持ち上げ……ない!



 パリン!


「へぇよく反応できたな」

「ハルバードがブラフとは焦ったよ」


 アメリはナイフを片手につっこんできた。俺は防御や回避するよりポーションの速抜きの方が早いので何とか受け流すことができた。

 何かやってくるんだろうと思ったが……まさか突っ込んでくるとは。


「……単独でもそこそこは戦えそうだな」


「そりゃどうも」


「でも掃除しろよ」


 パリンの弱点は……ポーションの液体が地面に落ちること。

 室内でやるとお掃除が面倒である。

 はぁ、何でこんなことに……。


 近くにあったぞうきんでフローリングの床を拭き取る。


「んじゃその間にあたしは……カナディアで遊ぶかな」


「きゃっ!」


 アメリは大胆にカナディアの体に抱きついた。

 2人もそれなりの身長差があるのでアメリがしがみついているような感じだ。


「カナディア、あんたいくつになるんだ?」


「じゅ、16ですけど……」


「マジか! 16でこんなドスケベなカラダしてんのかよ! 許せねぇ!」


「な、何するんですか!」


 年齢の割にカナディアの成長は早い。喋ってみると年相応なんだけど、ふと見える胸とか尻とかふとももは16歳のポテンシャルじゃない。圧倒的である。


 2人を見るとアメリの方が年下に見えるけど、9歳も年離れているんだよなぁ。

 アメリはカナディアの体を胸から下に撫でるように触れていき、いきなり脇腹あたりをわしわしし始めた。


「こちょこちょこちょ~」

「ひゃああん、キャハハハハ! ちょ、ちょっと!」


「お、カナディアは相当弱いなぁ? 拷問とかされたらダメだぞ~。おねーさんが今の内にどこが弱いか探してやろう」


 おっさんみたいな言動をする……。

 アメリはカナディアの体中を手でまさぐり、敏感な所を探し出す。

 尻が敏感って言ってたらからドコ触ってもいい反応は見られるだろう。


 カナディアは体をくねらせて身をよじるがたまらず地面に倒れ込んでしまった。

 覆い被さるようにアメリが動き、カナディアの体をくすぐっていく。


「や、やめ……」


「やっぱり腋が一番かぁ。くびれた脇腹も悪くない……。ふひひ……」


「しかしまぁ……手慣れてるなぁ」


「あたしより若くてスタイルのいい女を触らずにはいられねー。その中でもカナディアは……特級だぁ」


「ほぉ」


「おら、ヴィーノ。さっさと拭けよ。あんた待ちだぞ」


 くすぐられまくって淫らな様子を見せ、顔を紅潮させたカナディアは実に色っぽい。

 思わず混ぜてくださいと言いたくなってしまった。

 

 俺の手は完全に止まってしまう。


「いい胸してんなぁ。16歳のくせに何カップだよ」


「やん、もぅ……ドコ触ってるんですか!」


「ん? 胸よりもくすぐってほしいのか? こちょこちょ~」


「ち、ちが……ひゃはははは、ヴィ、ヴィーノたすけてぇ!」


 乱れ、笑い苦しむカナディア。

 仲間が困っているんだ。あとちょっと眺めたら助けにいこう。


 よし、助けるぞ! 3,2,1。


「ひゃあぁん!」


 ……尊い。

 助けるのは止めにしよう。


 じっと眺めていたら相棒にとっても怒られました。

 だが……とても良いモノを見せて頂き、満足でした。

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書籍版ポーション160km/hで投げるモノ! ~アイテム係の俺が万能回復薬を投擲することで最強の冒険者に成り上がる!?~』
第2巻が7月20日 より発売予定です! 応援よろしくお願いします!

表紙イラスト
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