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3騒目:始騒

「うっ・・・、く!うぅ!あ、頭がぁああ!!・・・痛いぃ!」

今日という朝はなんとも不快だった。―ズキンッ!

「まっ!まだ、起きたばかりだってーのに・・・、くぅ・・・!」

俺は朝から頭痛にやられていた。いつもの頭痛ならなんとか歩けるまではいったもののレベルが違った。例えれば思いっきり誰かに頭をぶん殴られたときのような感覚だ。そんなもんが何度も何度も続く。痛みが来るたびに俺は頭を両手で鷲掴みにする。これが一番楽になる手なのだ。

今は6時。そろそろ準備をしなければいけない。しかしどうしても終わることのないこの頭痛が俺を動かそうとしなかった。

ズキンッ!ズキンッ、ズキン、ズキ・・・・


「と、止まった?よかった・・・―っ!」



ズガンッ!!


俺はなぜ倒れているのかもわからないまま倒れこんだ。


「しぶとぉい」

「まああと少しでしょう」



・・・・・

・・・・

・・・

目が覚めたとき、時間は7時50分だった。

「や、やばい!集会が・・・!」

急いで支度する。いつもは食べている朝ごはんも、いつもはセットしている髪の毛も気にせず、学校へ向かった。

間に合った・・・。生徒達はすでに体育館への移動を開始していた。俺はなんとか自分の定位置に着くことが出来た。


そして始まった。全校集会。


『はい、それではー全校集会を始めますねー。生徒会長ーお願いしますねー。』

ミニカーのコールのあと俺はいつも通りステージの真ん中に向かった。

いつもやるもの。日常だ。もうなにも気にすることはない。

俺はいつものようにステージの真ん中に立ちれいをした。こんなものは普段の出来事などをしゃべればよい、それで終わる。

おれは話し始めた。1分・・・2分・・・3分・・・あ、あれ・・・話が続かない。いつもなら5分は普通なのに。なんでだ?日常が思い出せない・・・。みんなの顔・・・学校の形・・・通学路・・・、おもい・・・だせない・・・。


なにもかもが俺の頭の中から吹っ飛んだ。


そして最後の頭痛がやってきた。



ズガンッ!!ズガンッ!!ズガンッ!!ズガンッ!!!

「が!!?う、ああぁあぁあああぁ!!!!!あ、頭が・・・!頭があぁあああぁああ!!!」

俺は思い切り横に倒れた。体育館は静まり返っていた。それは焦り。不安などからの静寂だった。しかし俺の声だけは体育館を反響する。


ズガンッ!!!ズガンッ!!!ズガンッ!!!ズガンッ!!!!

「かっ・・・!ぁ・・・、いてぇ・・・」



「じゃあラスト思いっきりやっちゃうよー!」

「やってしまいなさい!」


「「せーの!!!」」


ズギャンッ!!!!!!



俺は全身の脱力を感じた。これが死ぬ、ということなんだろうか。それなら死というものはあっけないものなんだなというのがわかる。俺は目を開けていることも出来ず、目を閉じた。これで永遠に覚めることのないだろう目を。しかし、すぐに体に力が入るのを感じた。


え・・・?


「お疲れ様ー。うははは。だいぶ疲れちゃってたみたいじゃん?やっぱり痛かった?そりゃ痛いよねー!自分の頭砕かれたんだからぁ。でもよく耐えたと思うよ、うはは。」


え・・・??

お、女の子が二人俺を見下ろしている。

「そうですね、普通ならすぐに私たちは出ることが出来るはずだったのですが。あなたの意思が強すぎてなかなか時間がかかってしまいました。疲れたでしょうけどもう大丈夫のはずです。私が再生とともに回復させておきましたから」

「これからあんたは私の暇つぶしのオモチャになるんだから、光栄に思いなさいな。うはは」

意味がわからないんだ。この状況はどうやって対処するのか。まったくわからないんだ。

俺がやるべきことといえば・・・

無視だ無視。

考えた末、俺はまずは全校集会を終わらせることにした。当たり前だ。

『これで話を終わります』

俺はステージを降りようとしたとき―

『ちょっとストーップ。あんた達に言いたいことがあるわー、聞いきなさいな。・・・じゃあ、せーので言うよ。練習した通りに。わかった?』

『ええ・・・わかったわ』


二人の女の子はすぅーと息を吸い込むと言った。


              

『『私たちはこの学校を・・・』』『破壊する!』『再生します』

『以上!』

そういうと二人とも姿を消した。

みんなが唖然としている。当たり前だろう。

俺だってしてるというより何を言ってやがるあいつらは。学校を破壊する?再生する?

い、意味がわからない。こ、これは夢なのか?こんなのが現実だなんて・・・ありえない!

おれはすぐにステージを降りた。

『あ、で、ではー次はー校長セセーのお話ですねー』

そして校長の話が終わり集会は終わった。


心配されたのか、今日俺は、学校生活初めて早退させられた。


何者かもわからないあの二人。一体何なんだ・・・。

おれはベッドの上でひたすら考えていた。


「あいつらはいったい・・・なんなん―」

「え?悪魔だよ?」

へ?

「う、うおわあ!」

俺は驚きのあまりベッドから転げ落ちた。

「な、なんでお前らがここにいる!てかいつからいた!」

「えー?当たり前じゃんあんたが家なんだから。それにずっといたよ」

「俺が家!?どういうことだ」

「んーやっぱり私人間苦手ー、うるさいー、ルイ姉頼んだっ。」

「しょうがないですね。私たちは魔界から来た悪魔です。その悪魔は人の体に住み着くことでこの世界に存在することが出来るのです。ですからあなたの体がその役目になっているということです。」

「な、なんとか理解はしようとしているが・・・まてまて、体にいるときはお前らはどうなってるんだ?まさかそのまんま入ってくるんじゃ・・・」

「うふふ、そんなことはしませんよ。私たちは体の形状を変化させることが出来ます。ですのであなたの体に入るときはこの地球上最小の生き物になっています。」

「そ、そんなやつらが俺の体の中に・・・―!じゃ、じゃああの頭痛はお前らの仕業か!」

「そうです。私たちは殻から出てくるひよこのように頭を割って出てくるしかありません。」

「そ、そんなバカな・・・!それじゃあ俺はとっくに死んでるんじゃ!」

「いえ、その心配はいりません。そのために私がいます。」

「どういうことだ?」

「私は再生の力を宿しています。そしてこっちの子は破壊の力を宿しているので、こっちの子が破壊した瞬間に私は破壊された場所を再生したのです。お分かりになられましたか?」

「じゃ、じゃあなんだ!?おれの頭ん中は何度も割られてたのか!?そして再生元通りってか!・・・信じられねー。」

「それもそうでしょう。しかしそれは事実です。だから私たちがここに立っています。それはご理解ください。それに私たちはあなたに危害は加えませんのでご安心を。」

「む、むう・・・じゃあお前らの力を見せてみろよ。そ、そうしたら信じてやる。」

お、おれは一体何を言ってるんだ・・・!何をするかわからないやつらに。もしかしたら殺されるかもしれないんだぞ。しかしこれ以外に信じられる行動はないだろう。いや、もう何を考え―

「ではあなたをこの子が殺しますので。それを私が再生します。ではやりましょうか。サン、頼みますよ。」

え!?

「りょーかーい。じゃあ死になさいな!」

「い、いやいや!ちょいまてちょいまて!なんで殺しますってなるんだよ!なんか物壊すとかでもいいだろ!」

「なにようっさいわなぁ。」

「ああ、そうれもそうですね。でも私たちは悪魔なので。実際にそのあたりを感じてもらえればよろしいかと。」

「ねえルイ姉ぇ?もうやっていい?はやくコナゴナにしちゃいたいんだけど。」

こなごな・・・コナゴナ・・・粉々・・・粉々!?

「ちょっ!どうする気なんだよ!粉々って・・・―いっ!?」

少女の手にはその小さい体には不釣合いな物が握られていた。めっちゃくちゃでかいハンマーだ。あんなの思いっきり振り回されてあたったら粉々じゃすまないぞ!

「さあ、やってくださいサン。」

「りょーかーい、。今度こそやるから。もうなんにも聞かなぁい。」

「わ!おい!待てって!落ち着けよ、おい!―なっ」

「じゃぁーブレイク!」

ぶおん!

ボグリュ!

思い切り振りかぶられたハンマーは俺を簡単に潰した。

「あ、粉々に出来なかった!ショック!」

「まあ見事に潰しましたね。さっさと生き返らせないとうるさそうですね。・・・では。リプレイ」

俺は再生した。

「どうどう?信じる気になったー?まあ信じるも信じないも私たちは悪魔なんだけどな!うはは!。」

俺は放心状態だった。

・・・さっきハンマーが俺の頭に直撃して世界が曲がった。そして俺は死んだのか・・・。そして俺は再生された・・・。こ、こんなもん信用するしかないだろ・・・!

「ご気分はどうでしょう。再生は完璧のはずですが。」

「ああ、なんともない。ちょっと気分が悪いだけだ。」

「そうですか。それで、信じる気になりましたか?」

「ああ・・・信じる。お前らは悪魔・・・なんだな。ほんとに。」

「そうだって。私たちは悪魔!」

「信じてもらえてよかったです。」

なんてこった・・・。でも普段は危害を加えないといっていた。なら少しだけでも信用してやってもいいだろう。

「そ、そういやあんた達の名前はなんていうんだ。ルイとかサンとか言ってたが。」

「はい、私の名はギランティス・ルイバテュン。ルイとお呼びください。ほらあなたも自己紹介しなさい。」

このルイ姉と呼ばれていた女の子は少し大人っぽい感じがする。女の子というより女性だ。真っ黒な髪の毛が膝辺りまでのびている。綺麗な髪だ。顔立ちはちょっと整いすぎているというほどのものだ。まるでどこかの国の人形のようだ。しかし普段は目を開けているかわからないほど細めている。彼女は明るいのが苦手だからーと言っている。

「わかった。私の名はギランティス・サンバテュン。サン様でいいわ。んで?あなたは?」

このちっこいのはミニカーと同じくらいの身長で、ぼさぼさと広がった薄い赤色をした髪の毛をもっている。ルイとは違い明るいのは大丈夫らしい。顔はとても子供っぽい。一体何歳なんだろう・・・。

「あ、ああ俺は真葉習っていう。よろしく。ってかサン様なんて呼ばないぞ。」

よろしく、っておれは・・・。

「では私は真葉様と呼ばせてもらいます。」

「じゃぁ私はー、・・・下僕。」

「なんでだよっ」

「えー?人間だもんあったり前じゃん。」

「何言ってやがる!人間は悪魔より劣ってなんかねーぞ!」

「へーんだ。じゃあ習でいいわよ。はい習習習習習習習。これでいいでしょ。」

「っこんの・・・!・・・まあいいよ。はぁ。」

大分疲れた・・・。

「はぁ、なんか疲れちゃったよ。ルイ姉ーちょっと休んでもいい?」

「そうですね、ちょっと最近は動きっぱなしでしたからね。そろそろ休んだほうがいいかもしれません。では真葉様、お体失礼します。」

「あ、そうだ、一体どうやって体に入るんだ?」

「まあ見てて。ほっ」

ポンッ

「あ、あれ?サンは?」

「あの子はもうあなたの体の中にいるでしょう。」

「え、もういるのか。あ、小さくなるんだったっけか。どこにいるんだ?」

「頭の中です。」

「そ、そうか。じゃあお前も頭にいくのか?」

「そうですね。もう決まってますので。」

「へえ〜。まさかとは思うがお前らの声とか聞こえないよな?」

「いえ。声の大きさは小さくはなりますが聞こえるでしょう。」

「ストップストーップ。何言ってんだよ。それじゃあ俺ずっとお前らの声聞いてないといけないじゃねえか。」

「それはしょうがありません。休むとき意外は外に出ますので。それにもう学校には手続きはしてあります。明日からは私たちも学校へ行くので大丈夫でしょう。」

「そうか・・・ってなに!?学校にいくだと!?マジか!」

「ええ、そうですよ。」

「ああ・・・なんでこうなるんだよ。」

「それでは私も力を使いすぎました。これにて失礼します。では。」

ポンッ

あぁ・・・俺の中に入ったのか。変な感じだ・・・。俺の中に二人の悪魔がすんでいる・・・。そして明日からその悪魔達と学校・・・。うわぁ・・・なんてことだ・・・・。


かすかに寝息が聞こえる。あいつらのだ

「ほんとに聞こえるし・・・。」


俺も寝よう・・・。ほんとに疲れた。

俺はベッドに倒れこんだ。



とうとう始まりました。これからどんどん発展していくのでお楽しみを〜

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