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Take3 アセン決定!

『おお、なんと・・・また来たんですか?』

「システムはどうしたシステムゥウゥゥウ?!」


死ぬや否や不機嫌そうな“天国”受付窓口第3041号の顔。

死ぬや否やって表現すごいな、僕しか使えないんじゃなかろうか。


「はぁ、私に黙ってズルしようとするからですよ」

「反省してます・・・」


女はカリカリと何かを書いている、ああ、クロスワードだ。ピンボール飽きたのかな。


「うわっ」


黄ばんだ僕のハナマルをつけた紙が未だにちり紙入れに入っている。

今度こそ失敗しないように慎重に選ばねば。

複数選択できるという事がわかった事は大きい。


「オプションウィンドウとか出せないの?」


女は頭にクエスチョンマークを浮かべている。


「アレだよ、STRとかDEXの数値とかランク的なさ!」

「出せますよ、それもまた一つの能力です。見るまでもなく貴方は

全てDなんですけど。あ、MPは1ですね。」

「1であの威力出たって流石は最強魔法・・・」


魔力を全て使い果たし、それを最高効率の爆炎へと変換する魔法。

それが最強魔法の正体だった。

もし、成人男性の魔力で使ったのなら・・・威力を想像し震える。


「それにしても、死ぬことに慣れて貰うのは困りますね、次からペナルティを

考えましょう」

「それはやだな・・・次は慎重にいこう、因みにチェックボックスって

何個まで選択可能とかあるの?」

「5つまでですね」

「ふむ・・・最強抗体が必須枠になるの結構辛いね・・・」


紙を眺めていく。


「やっぱ、時間停止はロマンだよなぁ~!」

「エロガキ」

「え?なんかボソっといわなかった?」


ツッコミは無視され、視線を戻す。

紙の能力は大別すると三種類に分かれるような印象だ。


①概念系の能力  例えば時間停止や、時間逆行、想像を創造する能力などなど

②自身の強化能力 例えば単純に火炎系魔法ランクSSS、筋力SSSなどなど

③スキル     先ほどの最強魔法や最強魔法(火)などなど


「せっかくのファンタジー世界なんだしやっぱ最強魔法の一つでも覚えたいよなぁ」


しかし概念系の能力の強力さを捨てる事も・・・。

でもでも時間逆行が出来ればリトライしまくってここに来ることを無くすって選択肢もアリだ。

待てよ、発動条件はなんなんだ?あの女は能力を選んだときにしかロクな説明しない。

もし死んで発動なんかじゃ絶対嫌だぞ、メチャ痛いし。

現在進行形で死人なのだが。


「早くしてもらえます?」


女がポテチを食べながらキーボードを叩く。

コラ、キーボードが油まみれになっちゃうでしょ。


「こ、こほん。大体決まったよ」


黄ばんだ紙に赤マルをつける。


「僕・・・いや、俺は――」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


俺の名前はトーマス・ラインベルク。


6歳!!


病気に一度もなったことのない超健康優良児であり、超美形だ。


今日は学院の入学試験。


「ふぅ・・・」


俺はそっと、左手の人差し指で空間を三度叩く。

すると古めかしい黒背景に白文字のステータス画面が開いた。


・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・

 トーマス・ラインベルク AGE:6

 Lv:1

 HP:10/10

 MP:9999/9999

 STR:D

 DEX;D                   ≫

 INT:D

 POW:D


 特殊:最強抗体・バファ・リン

    最強魔法(雷)

    時間停止

・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・


「うん・・・うん。五個って少ないよな・・・というかステータス画面開くの

絶対いらなかったよなぁ・・・」


俺は前回の反省を活かし、最強魔法は外した。

そして最強魔法(雷)がいかなる物かもこっそり裏山で試してみると

威力の調整は使用者側に委ねられており、MP100消費で山肌を天からの雷撃で

焦がし尽くす程度から、MP1消費で目の前の木を焼き焦がす程度までの調整が

可能であった。

裏山が突然禿山となったことはちょっとした地面になっていたが、今は別の話。


「MPってそもそも普通の人間はどれくらいなんだよ・・・」


ふと「≫」に気づく。


「なんだこれ」


押してみると、


・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・

 マリアナ・ラインベルク AGE:27

 Lv:13

 HP:35/35

 MP:120/120

≪STR:D

 DEX;D                   

 INT:C

 POW:B


 特殊:母の一撃

・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・・―・


これは、母だ!

母の学歴は僕が今まさに行こうとしている学院。

冒険者になったわけでも、兵士になったわけでもない。

そんな彼女はこれくらいのステータスなのか。大変参考になる。

たぶん弱いな。


どうやらある程度近くにいるのか、もしくは何らかの条件で他人の

ステータスが覗けるようだ。意外に捨てたものじゃないかもしれない。


「トーマスー!準備できたのー!」

「ああ!」


俺はジャケットに袖を通す。

さあ、ここから俺の最強異世界転生生活が始まるのだ!


紆余曲折、は無い。規定路線。


前回と同じく木人と向かい合う。

まずい、前回のド派手な失敗と本当にうまく出来るだろうかと・・・滅茶苦茶緊張する!

俺の手に魔方陣が展開される、一枚、二枚、五枚!十枚!


MP:9980/9999

MP:9880/9999

MP:8880/9999


周りがどよめき、俺の周りをバチバチと稲光と稲妻が纏う。

異常なほどの魔法陣の数。


「やばいやばいやばい、MPめっちゃ減ってる」


MP:8780/9999

MP:8550/9999

MP:7820/9999


撃ち方はわかるけど戻し方なんて調べてなかった!!

集まっていた生徒候補と保護者は逃げ始める。

もう出してしまえ!


終焉の雷撃(アポカリプスブリッツ)!!」


雷がまるで竜のようにうねり、地を焦がし、木人を灰に帰し、学院を破壊する。

天井は崩れ悲鳴が聞こえる。

雷撃は運よく上方向を向いていたため空高く跳び、雲を引き裂いていた。


「あわわわわわわ」


チョビ髭が小便を漏らし震えている。みっともないやつめ。

俺の脚はタップダンスを踊るが如く震えている事は見なかったことにした。


「はは、ははははは・・・皆驚いてるのって・・・弱いって意味だよな」

「アホーーーーーー!!!」

「げふーーーーーー!」


母の一撃が俺の脳天に直撃した。

母は強かった。

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