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終幕 恋愛小説を書いてみよう


 俺はノリちゃんの墓石の前で手を合わせると語りかける。

「あれから4年、色々あったけど優子も随分と大きくなったよ。ノリちゃんと暮らした楽しかった思い出も、優子との忙しい日々の暮らしで薄れていってしまう。ノリちゃんは笑って許してくれるだろうけど、俺は時々、忘れてしまう自分に腹がたつよ」

 ちらりと横を見ると、優子が退屈なのか、飛んでいる蝶蝶を捕まえようと追いかけてる。

 微笑を浮かべて墓石に目を戻すと、いつものようにまた考えてしまう。

 はたして、ノリちゃんは幸せだったのだろうか。俺はノリちゃんと再会して救われたけど、ノリちゃんは俺と出会わなければ、また違った人生を歩んでいたのでは。そこでは幸せに、今でも笑っていられたのではと考えてしまう。もっと早く再会していれば、いや、高校生の時にノリちゃんと……ふと気付くと、娘の優子が俺のシャツの裾を握って俺を見つめていた。

 それは、まるで幼い頃のノリちゃんを見ているようだった。

 俺は思わず優子を抱き寄せると、ふと思い付いた。そうだ小説を書いてみよう。最近は小説を投稿するサイトなんかもあるらしい。高校を卒業した後、遊び回る言い訳に小説家になるなんて言っていたけど、今なら書けそうな気がする。ノリちゃんの事を忘れないためにも、俺とノリちゃんの思い出のつまった小説を、「恋愛小説を書いてみよう」

 思わずこぼれ落ちた呟きに、優子が不思議そうな顔して俺を見上げていた。



私はもういい歳のおじさんです。

今までの人生、過去を振り返って見ると、何気なく過ごしていた日々が、大切だったのではと今は思います。

若い頃は退屈でつまらない日々に嫌気をさしていましたが、その退屈な日々こそが一番の幸せだったのではと。


皆さんの中にも、俺には何かもっと凄い事がとか思っている人もいるかと思います。冒険や何かに挑戦するのも良いことですが、退屈で平穏な日々も十分に楽しんでください。



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