ぼっちです。あのぅ、誰かいませんか
見渡す限りの視界には木、木、木。そして草、草、草。
これほどの自然は生まれてこのかた一度も目にしたことはないのではないだろうか、というほどに溢れ返るザ・大自然。
とりあえず、今言いたい事は――
「ここ、どこですか?」
……。
えー、わたくし、名を藤田大樹(ふじた だいき)と申しますれば、本日もこの上なく平凡で平和な日常を――
「……いや、落ち着こう、自分」
えーっと、つまり、藤田大樹こと俺は、ごくありふれた日常を送る高校生だ。
成績も普通。身体能力も普通。顔立ちも醜くはないが美しくもない。特技もこれと言ってなし。
まあ、健康だけが取り柄と言っても構わないほど特徴のない、どこにでもいる日本人である。
……ちなみに、生まれてこれまで彼女も無しなのである。
まぁ、そんなことは今はいいんだ。うん。
そんな俺は今、動物どころか虫さえもいない森の中にいます。
聞こえる音は、風にさざめく木の葉や草の音のみ。とっても静かです。
視界の全てが緑と茶色だらけ。…あ、花もあった。でも、それだけ。
自らの力で動くものがいない。
俺以外には。
……うん、何もわからない。
とりあえず、一番最近のことを思い出してみよう。
現在→森の中。
その前→朝、新聞を取りに自宅の玄関。
昨日の…夜→カラオケで…ヒャホゥ?
おと…と…い…→思い出してはいけない気がする。
も…っと…前…→%$#&*?!
…うん。
こっこぉわぁ〜どっこぉかなぁ〜♪
貴重な時間を割いて読んで下さったあなたに心からの感謝を捧げます。
本当にありがとうございました。