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#001 前期・総集編 ①

これは本編側に投稿していたものとまったく同じものです

【アヤコ】

「A Happy New Year!!

 (老ける年齢に達するまでは)永遠の十八歳美少女であり、キツネ耳がキュートなアヤコ=シューマッハです!」


【イヌ】

「もちゃもちゃ……新年、あけました?

 (作者の都合により)死んじゃったので、永遠の十八歳美少女精霊のイヌです。よろしく……」


【アヤコ】

「イヌ……どうして疑問系なのですか?」


【イヌ】

「だって……こちらの世界の暦は、前期の一周が終った所ですよ? 季節は夏ですし、あむ……はふはふ……新年は半年先のは……」


【アヤコ】

「イヌ、空気を読みなさい。読者のいる世界は、本日から新しい年の始まりです。蛇年です。ケクロブス一世が活躍する年なのですっ!」


【イヌ】

「びよ~~ん……伸び~る。“けくろぶすいっせい”って何?」


【アヤコ】

「ええ~~っと……(ペラリ、ペラリ ← 台本を捲り始める)。

 ……あった、有りました。え~っと……アテナイ(古代アテネ)という国の初代王様で。半人半蛇だって書いてあるわね。たぶん、作者は後半の『半蛇』の部分と掛けたのね」


【イヌ】

「ふ~ん。ずずずー……」


 音を立てるのはマナー違反です。皆さんも気をつけましょう。

(注:作者の統計的に、「大学時代は一人暮らし」&「一人飯が多かった」等の条件が当てはまる新卒・新社会人に割りと居ますね。ここで先輩社員に嫌われる新人も多し)


【アヤコ】

「……イヌ。貴女は先ほどから何を食べているのですか?」


 アヤコさんの質問に答えず、お椀の中身を最後まで飲み干すイヌさん。


【イヌ】

「――ぷはぁ……これ? シラサギ様が作っていた“お雑煮”ってスープ。中身は……オモチと人参、鶏肉の煮物だけ。シラサギ様の実家では他にゴボウや筍と椎茸を入れるって。出汁がとれないので、味噌で代用です。

 オモチは、ミドウ様とフジエダ様が春祭りで買った米の中にあった、もち米を()いたものを使用……」


【アヤコ】

「ああ。この間、若い娘達とワイワイしながら作っていた奴のものですか……。コンニャクほにゃららより喉の詰まり件数が多いという」


【イヌ】

「それよりキツネ。今日は何の集まり? ……そもそも新年早々にこれを読む人が居るの?」


【アヤコ】

「……さあ? でも二日目、三日目に読む人が居るかもしれません。なので、手を抜く事は許されませんよ。

 さて、イヌの言う通り、本日のお題はと言いますと……」


 ゴソゴソ。

 アヤコさんはリディアから預かった手紙を胸の谷間|(お約束ですね!)から取り出しました。


【アヤコ】

「『物語の前半戦が終ったので、ここらで総集編をしておきましょう by:リディア』だそうです。つまりはです。今から見始めた新人読者にも分かるよう……『ズバリ! これを見れば“勇者の活躍の裏側で生活してます”が分かるスペシャル回』

 ……ぶっちゃけ、総集編ですね」


【イヌ】

「総集編って……今更ですね。本編は既に通算百話を超えていますから、今見ている読者は常連さんばかりでは? それに第一話から見れますよ?」


【アヤコ】

「最初の八話ぐらいまでが、説明回で埋め尽くされているので『新人が食いついてこない』と作者が言っていました。一章の三話と四話とで、数にして四十人ぐらい減っているそうです」


【イヌ】

「説明……読者にすれば『何だこれ? ウザクね? もう読むの止めるか』で済みますが、実際に生活するシラサギ様達には重要な情報ですのでカットは無理なのでしょう」


【アヤコ】

「『人の生活あるところに、歴史あり』ですから、仕方ありません。あと登場人物が多いのもネックなのでしょうね。普通の本ならば、わたくしは一巻目は『メイドA』で登場し、二巻目以降に『アヤコ』の名前が出てくるでしょうから

 最初の頃は、『登場人物多いぞ! テコ入れ回が多すぎるんじゃ!?』という感じの暖かいメッセージもありましたね……」


【イヌ】

「人の交わりが少ない日本の大都会で住む読者が多いのでしょう。買い物はネットかコンビニで済まし、スーパーの常連となりレジ打ちのお姉さんと会話をする機会が減っているのですよ。だから登場人物が多い小説は人気が出ないのです」


 台本を捲りながら、淡々と台詞を述べるイヌさん。


【アヤコ】

「……仰る事は理解できますが、イヌ。貴女は台本を見すぎです。記憶力があるのですから、この程度の台詞は全部覚えておきなさいな……」


 アヤコさんはマイペースのイヌさんを見て、溜息を吐いたのであった。




        ★  ★  ★




【アヤコ】

「改めまして、総集編・司会を務めるアヤコです」


【イヌ】

「アシスタント精霊のイヌです」


 ……イヌさん。それだと、アシスタントが専門の精霊ですよ?


【エリス】

「生徒役は三十三歳にして、もうすぐ二〇と十一になる実の娘、二人を持つ母親・エリシア王妃こと、エリスです♪ ひっさしぶりのぉぉ、とうじょぉぉぉぉーー!!」


 二ヶ月ぶりの登場とだけあってか、一人だけテンションが高いエリスさん。

 末娘のリディアから呼び出しを受けて、王様の手を振り切り、翼竜に乗って王都からエリザの街まで、わざわざやってきました。


 しかし、二人はエリスさんを無視しました。


【アヤコ】

「さて、ここでは第一章の復習をしましょう。

 ――と、言いましても、白鷺様・御堂様・藤枝様の三名が“地球”と言う星にある、“日本”という島国から、我が国・エレンシア王国に召還される事になった。これが基本ですね」


【イヌ】

「そうですね。その後は、軽く触る程度に歴史・魔法……等の勉強をし、国神である“豊穣の女神”とお会いしました。そこでどういう交渉が行われたか知りませんが、シラサギ様が奴隷を買うだけの能力とお金を手に入れています」


【エリス】

「ラーメンだね。女神様はコー君が来るまで、しょっちゅう『ラーメンが食べたい』と漏らしていたからさ、渡りに船。インスタント・ラーメンと言えば、安いイメージがあるけど、ここじゃあ、金と同等の価値があるからね~♪」


【アヤコ】

「その通りです、エリス様。天然資源と同様に『産出国では安いけど、輸入国では高くなる』と同じ理論になります。

 その際に女神様のイタズラ? で白鷺様の“格”が規格外レベルになってしまったのは、副産物とはいえ、今後に繋がって行きます」


【エリス】

「そういえばさ。コー君達の世界では奴隷が居ないんでしょう? 彼、あっさり人身売買に手を染めたね?」


【イヌ】

「表向きは居ないだけで、実際は居るそうです。疑うのならば『アフリカ・中南米に行ってこい。もしくは有給を取らせてくれない企業に勤めてみろ!』との事です」


【アヤコ】

「その辺りは個人の感覚でしょうね。白鷺様、曰く『当時は、リディア達の言動を信頼できる理由が無かった。自衛の為には奴隷もやむなし』と仰っていましたから。彼なりに先を見据えて行動していたのでしょう。……二人――しかもコブ(リオ)付を買うとは吃驚でした。そこで子供は要らないでしょう? ってね」


【イヌ】

「『生意気オッパイ』こと、ルツィア様。『自信の無い美人なキツネ』こと、セディア様と、その娘のリオ様ですね。ま~、美人で腕も良い奴隷が売られていたものです。セディア様は分かりますが、ルツィア様は何で? が先に立ちます」


【アヤコ】

「それは本編をお読みください。まあ、運が良いのか、悪いのかは分かりませんがね」


【エリス】

「まあまあ。子狐ちゃんのお陰でリディアちゃんの情緒教育になったから、一矢二殺だよ♪ リディアちゃんが笑顔を見せるなんて、ママは吃驚だよ!

 そう言えばさ、何で一線越えないんだろうね? 二人とも美人でオッパイ大きくて――セーラちゃんは二人のオッパイ見て、呪詛吐いていたしさ――、しかもコー君を慕っているのにね」


 エリスさんが「うーん」と人差し指を下唇に当てて悩みました。

 こちらの世界の感覚だと、愛し合う男女がエロイ事をするのは当たり前の事であるからです。別に愛し合わなくても、奴隷を抱くと言う事は、格を上回る主人の特権にもなります。


【イヌ】

「そう言えば……シラサギ様は胸やお尻を触っても、最後まではしないね?」


【アヤコ】

「そ、その辺りを申し上げますと……え~っとですね……」


 しどろもどろになるアヤコさん。

 しかし、二人の「じー」っという視線に耐え切れず、覚悟を決めました。


【アヤコ】

「ええ、わたくしの犯した罪の所為です。白鷺様の動向をチェックしていた際にポロッと発した言葉の所為なのです」


 それは白鷺紅が溜まった性欲を左手の恋人で解消した次の日の夜。とある事件の結末を聞いた際にアヤコさんから、その解消した事実を知っている事を聞かされてからは、屋敷内で抱く事を止めたのです。

 まあ、その前から「エロはしばらく禁止」と決めていたから、理由としては弱いけどね。


【イヌ・エリス】

「あんた……やりすぎじゃね?」


 二人からの指摘に、アヤコさんは一度、口を紡ぎます。

 二人の言い分は分かりますが、自分の思惑もあるのだと……


【アヤコ】

「……仕方が無かったのです。話の成り行きでついポロッと……。コホン! ん、んんっ! 話を戻しましょう。

 白鷺様はその後、買った奴隷達に対し、武器やら服やらを買ってあげます。護衛用に買ったのですから武器は理解できます。しかし、『服や、酒や』と奴隷に対して与えすぎのような気もしますね」


【イヌ】

「本人は『信頼を得る為だ』と言っていますが、格で縛られた奴隷契約に信頼の有る無しは関係ないのですけど、シラサギ様らしいと言えましょう」


【エリス】

「サラちゃんやツバッキーは、その間に何をしていたの?」


【アヤコ】

「王都の観光をしながらも、情報を探っていたようです。余談ではありますが、二人に付いたコードネームが『黒いビッチ』と『茶色の堕天使』です」


【イヌ】

「どちらも男性・女性問わずに、巧みに近寄りながら情報を集める所から付いたようですね。ミドウ様は時にナンパに乗る振りをしたり、誘ったりしながらしていましたので、特に酷い名前が付きました」


 因みに、イヌさんも監視に参加していたそうです。


【アヤコ】

「御堂様のフォローになりますが、白鷺様が生活・実力の面で力を手に入れようとしたのに対し、彼女は情報力を手に入れようとしての行動です。

 ……あの二人、会話を交わさなくても阿吽の呼吸で動きますからね~。御堂様は白鷺様を全面で信頼していますし、白鷺様は御堂様の指示に逆らいません」


【エリス】

「その割にはお風呂事件の際に……」


【アヤコ】

「あれはお香――風呂の湯に含まれた成分の所為です。まあ、彼女なりに白鷺様がこの世界に残るのではないか? と危惧した為でしょう。それが今では、『白鷺さんは必ず帰る』と信じています。セーラ様達の行動を『お手並み拝見』と上から目線状態で見ていますからね」


 アヤコさんは台本を思い出しながら、次の項目に移りました。


【アヤコ】

「さて、白鷺様はなにやら作ったり、資格を取ったりします」


【イヌ】

「対動物用魔法や、オモチャやお菓子を作りあげ。某人材派遣会社に登録したりしました。資格を得る際に戦ったリップルですが、実は強いです。我が国の兵士でもなかなか勝てませんし、命を落とす者もいます。私も苦戦しました」


 田畑を荒らしたり、柵を壊したりと、リップルは国の一級指定害獣です。


【エリス】

「そう言えば~、姉さんも従軍時代に何度か殺されかけた、って言っていたような……。コー君の作った物は再現できるの?」


【アヤコ】

「魔法に関しては現在、王都の魔法開発部が研究中です。理論は分かっても、使い所や自分達の防ぐ方法も同時に検討しなければいけませんので。

 遊具は、領内の工場で生産中です。夏の中ごろには王都と古都で販売される予定ですね」


【イヌ】

「キツネ、料理は?」


【アヤコ】

「これが中々……。どうも白鷺様は料理に関して――御自分の生命線の為か――は、最後まで教えてくれないのです。

 それに種族ごとで微妙に味付けを変えていたり、独自配合のミラクルスパイスを用意したりしていて、盗めないのです」


 それはそうだよ。そんな簡単に真似されてたまるものですか。


【エリス】

「アヤちゃん質問です。どうして料理とか技術とかを銀月の大陸内で広まらないの? 余所の国にも、コー君の世界に負けない技術や似たような料理も有るんでしょう?」


【アヤコ】

「よい質問です、エリス様。……しかし、本日の趣旨から離れるので回答を拒否します。本日、夜の総集編・二部で解答されるでしょう」


【エリス】

「ええー! 今、話してよ! ぷんぷんっ!」


 お菓子を買って貰えなかった子供のように寝転がり、じたばた暴れます。

 少なくとも三十路を超えた女性のすることでは無いのに、キャラクター的にOKなのです。あと、時々チラリと見える黒の下着が目の保養になって良いですね!


 アヤコさんは「コホン」と咳を吐くと、再び無視しました。


【アヤコ】

「話しません。さて、無事に派遣資格を取った白鷺様ですが、何故か尊きお方達に絡まれます」


【イヌ】

「契約の神、銀月の女神……」


【エリス】

「どっちも会った事がないね~。二人は?」


【アヤコ・イヌ】

「どちらもありません」


 アヤコさんも無いんだ。


【アヤコ】

「契約の神様は白鷺様たちと同郷の人間という事もあり、会ってもおかしくはないのですが、ラスボスである“銀月の女神”はどうなのでしょうか?

 しかも抱きつかれたり! 頬擦りされたり! 挙句に、胸の谷間で顔を挟まれたりします!」


【エリス】

「……何で怒っているの?」


【アヤコ】

「キャラが被るからです! そういうお茶目なお姉さん役はわたくしの仕事の筈ですよ! どういう事か、作者説明しろっ!?」


 アヤコさんの叫びが響き渡ると、天井から紙がひらり、ひらりと舞い降りてきました。

 それを拾ったイヌさんが、


【イヌ】

「『作者です。その頃のアヤコさんは主人公を疑問視していたので、そういう役目はしませんでした。そのアヤコさんが心変わりしたのが、あのお――』」


【アヤコ】

「ぎゃあぁぁぁぁっっっ! ストップ! ストップなのです! 心の入れ替わり時期を読み上げないで下さい!」


【エリス】

「気になるけど……ま、いっか。でも、その前に重要イベントが発生したよね? 国家の未来。その存亡に関わる出来事が!」


【イヌ】

「某王女の初恋ですね」


【アヤコ】

「あれには吃驚しましたね~。降りてこない白鷺様を呼びに行き、帰ってきて早々『わらわはコウと結婚するぞ!』……でしたからね。移動の準備をしていた所にその宣言を聞かされた、わたくし達も粗相をしてしまいましした」


【エリス】

「ちなみに、その話を聞いた旦那様はというと、某国の大使と会食中で、口に含んでいたワインをその大使に霧吹きのようにぶっ掛けてしまったんだよね♪

 私も吃驚だったし、姉さんなんか引退して仕舞っていた剣を磨き始めたからね~」


 なに、その話。特に後半に関しては俺聞いて無いよ!


【イヌ】

「“実力主義”と言えば、聞こえが良いのですが……。実質は男嫌いであり、自分より強い男性としか結婚しないと、周囲には仰られてましたから。

 それがいきなり“結婚宣言”と来ましたからね。監視していた私も屋根から落ちかけました」


【アヤコ】

「それに、どういう訳か、前日までツンケンしていたルツィア様がデレデレ状態になっていましたし。セーラ様とルツィアさまで白鷺様の寵愛を奪い合う、骨肉の争いに発展して行きます。

 今、思い出したら白鷺様の誑し伝説はここから始まったのですね……

 ここで一章は終りますね。次からは、リディア様が領主を務めるエリザベス領に舞台を移します」


【エリス】

「あんまり、詳細に説明しないんだね」


【イヌ】

「詳しくは本編を参照してください」


 はーい、一旦休憩に入りますので、出演者の皆様も休憩に行ってください。

 あちらに甘い物を用意していますので……


【三人】

「は~い♪」


 とてとて、と駆け足で食堂に向かう三人。

 ぐだぐだ感満載の総集編でしたが、あと二章分続きます。




        ★  ★  ★




【アヤコ】

「ああ……♪ イチゴ大福♪ アンコとイチゴのハーモニーが……」


【イヌ】

「……くりきんとん、やばすです」


【エリス】

「……愛しの梅昆布茶さまぁ♪」


【アヤコ・イヌ】

「「え?」」


 お三方! 始まってますよ!


【アヤコ】

「え!? ああ、はいはい。コホン! さて、ここからは第二章の総集編を行います」


【イヌ】

「舞台はエリザベス領・領都であるエリザの街。領都と言われてますが、寂れた田舎町です。人も少ないし……」


【アヤコ】

「寂れたは不要です。白鷺様は到着早々、家令であるエルフっ子と喧嘩したり、家探しをしたりしましたね。家探しは不作に終わり、しばらくは屋敷で逗留することになりました」


【エリス】

「そんなに空き家が無かったの? ぶっちゃけ、エリザって家……余っていたでしょ?」


【アヤコ】

「いえいえ。本当は裏から手を回して、買う気の起こらない物件ばかりを紹介したのが真相です。金貨五枚も出せば、そこそこの中古物件を買えますからね。

 まあ、当時のわたくし達も白鷺様の性格等を掴めていなかったので、野に放すのを躊躇ったのが真相です」


【イヌ】

「続いて、初仕事ですね。我が国の天然記念物――ハニービーの冬越え用巣作り」


【アヤコ】

「白鷺様。蜂相手にも全力で対応していました。何も知らない人間から見れば、阿呆ですね」


【エリス】

「そして、色々物作りを始めるんだよね? 今もやっているの?」


【アヤコ】

「時間を見つけて、続けていますね。まあ、よく続くものだと感心します。

 しかも、微妙に役立つ物ばかり」


【イヌ】

「私もこの間、手伝った。あの発想は反則。でも、彼からすれば既にあるものを再現しているだけだから、『凄くは無い』と謙遜ではなく本気で言っていました」


【アヤコ】

「何を作ったのかは気になりますが、いずれ本編で出て来るでしょう。……まあ、それを見ていた過激派の一部が暴走し始めます」


【イヌ】

「……私登場」


 Vサインを見せるイヌさん。


【アヤコ】

「暴走したのは侍従隊に所属する十名ほどの若い子たち。一部の人間は家からの命令で動いていた者もいました。

 まったく、子供に男子がいないにも関わらず、セーラ様の夫の心配をする必要はないのです。まあ、家を断絶させられたようですね」


【エリス】

「まあ、そんな彼女達にも慈悲深さを見せたコー君は聖人ではなく、変人だね。捕まった彼女達はどうなったの?」


【イヌ】

「……大半が研究材料行き」


【エリス】

「……ああ。侍従隊に所属する子は、魔力量が一級品だもんね」


【アヤコ】

「奇麗事ばかりでは国家は運営できませんよ。あの子達は文字通り、血肉一滴残さず国家の繁栄の柱となったのです。

 さて、白鷺様は登録会社からお仕事を請けました」


【イヌ】

「キノコ採り。傘は焼いて、柄は三ヶ月~半年ほど干してからスープにします。柄一本で一〇〇リットル寸胴鍋、一杯の出汁が取れて、味は美味しいです」


 傘の開いた巨大マッシュルーム――ワスプ(の模型)を何処からか取り出し、前に掲げるイヌさん。


【エリス】

「王都だと高級品だよね~。エリザの近くでしか取れないし、干し方一つで味が変わるもん。コー君は一本五〇(リラ)で取引していたけど、乾燥ワスプは一本・銀貨一〇枚(一〇〇〇R)ぐらいに跳ね上がるよ♪」


【アヤコ】

「乾燥作業が上手く行けば、という前提条件がありますけどね。白鷺様はそのワスプで鍋を作ったりしました」


【イヌ】

「残り汁で作った、おじやが美味しそうだった……ぐすん」


【アヤコ】

「まあまあ。その際に同じ派遣仲間のトウジョー一味と仲良くなり、豆腐と味噌で物々交換を開始します。交友は今も続いていますし、某女性から狙われています。ストーカーでしょうか?」


【エリス】

「豆腐……私、食べてないよ。コー君て、何でも作るね。何で?」


【イヌ】

「お祖父様と過ごしていた家の周囲にはお店がなく、出張スーパーが月に一度来るぐらいだったので、自分達で作っていたそうです。

 材料さえあれば、味噌や醤油、ドブロクも作れると言ってました。

 あと、本人はお酒に強いです。一升は余裕だとか。一番好きなのはア○ヒ・スーパード○イだそうです」


 田舎&老人しか居ないので、大らかなのです。未成年の飲酒は駄目ですし、密造酒も駄目です。


【アヤコ】

「密造酒まで……とまあ、幅広く作れますが、料理本に載っていたものは作れるけど、創作料理は苦手だそうです」


【エリス】

「ふ~ん。最後にまた女神様が登場したけど、何の勝負をしているの?」


【アヤコ】

「話の根幹なので秘密だそうです。まあ、女の子ニャンニャン禁止ではないとだけ言っておきましょうか。

 ……二章はあっさり終りましたね」


【イヌ】

「話数や文字数は兎も角、短編三本分ですからね」


【エリス】

「じゃ、次は三章だね」


 はい、再び休憩に入りま~す。

 お疲れ様でした。




        ★  ★  ★




【アヤコ】

「三章です。お祭りをして、家を建てる計画をしても横槍で破棄され、白鷺様が行方不明になります」


 ちょ、ちょっと、ちょっと。

 一気に流しすぎですよ、アヤコさん。


【イヌ】

「……疲れた。収録、長すぎ……」


【エリス】

「コー君が戻ってきた後は、何時もの『ほのぼの?』に戻ったよね」


【イヌ】

「私は異国で死にましたしね。しかも一行で」


【アヤコ】

「作者としては予定通りだったので“問題無し”とのことです。まあ、予想以上の反響と人気には吃驚した、とも言っています」


【エリス】

「でも、戻ってきたよね~。忠犬『イヌさん』の誕生だよ」


【アヤコ】

「白鷺様は行方不明中もマイペースで過ごし、心配していたわたくし達が馬鹿みたいでした。なにドラゴン親子と仲良くなっているんだか……」


 ファンタジーと言えば、エルフとドラゴンですから。

 それに話が通じる以上、会話を試みるのは普通です。


【イヌ】

「まあ、仲良くなったことで色々貰っていました。ここだけの話、私が暴走精霊から解放されたのは、お鍋の所為だそうです」


【エリス】

「どうして?」


【イヌ】

「お鍋の材料は『金月の石』。……つまり、光属性であり、最高級の材料。魔を祓う副効果があります。その鍋が封印された指輪をした手で頭をナデナデしたのですから、暴走精霊の魔素ぐらい祓っちゃいます」


 裏設定ですので、本編では知られていません。


【アヤコ】

「本当は油や傷が付かない事を狙った材料なのですがね~」


 深々と溜息を吐くアヤコさん。

 ほのぼのファンタジーらしくて良いじゃないですか。


【エリス】

「旦那様と文通をしているみたいなんだけどさ。私や姉さんよりも仲良いし、最近はやりあう量も増えたよね」


【アヤコ】

「何時の間にか国家の中枢人物と仲良いですよねー。ハバネロ卿やレオン王子なんかも仲が良いみたいですし」


【イヌ】

「侍従隊の小隊長達とも仲が良いですしー、百合っ子、小隊員たちから睨まれてます」


 人の事はほっといて下さい。あと、百合っ子たちとは話がついてますよ。

 それより、エリスさん。何かイヌさんに聞きたい事があると言ってませんでしたか?


【エリス】

「そうそう! イヌはセーラちゃんやルツィアちゃんのライバルになるの?」


【イヌ】

「私の立場はシラサギ様のペットですから……ヒロインにはなれません」


【アヤコ】

「え~っと……作者の中で決まっていたヒロイン(&エロイン)は――

 ・ルツィア

 ・セディア

 ・リディア(没)

 ・シエナ

 ・アナスタシヤ

 だ、そうです」


【エリス】

「うちのセーラちゃんは? あと、最後のアナスタシヤって、誰?」


【アヤコ】

「王族だから、エロイ事はしないそうです。せいぜい、キス止まりだとか。御堂様は帰ってからが本番だそうです。

 アナスタシヤ様は、御堂様たちが商っているカフェの料理長をしている女性ですね」


【イヌ】

「予定は未定。『これを決めたのは小説を書く前だから、現在は変わっている』と、ページの下のほうに注意書きがある」


【アヤコ】

「あ、本当ですね」


【エリス】

「あれ? アヤちゃん、ホッとしている? コウ君の腕の中に入れる可能性が残っているって?」


【アヤコ】

「な、なにゅを仰られますことやら……」


 あさっての方向を向き、口笛を吹き始めるアヤコさん。

 噛んだ時点で動揺している事がばれてますよ?


【イヌ】

「私は嬉しいです。キツネ、正直になった方が良いですよ?」


【アヤコ】

「~~~~っ。こ、これで総集編は終わりでしゅ。皆様、今年もよい一年である事を異郷の地から願っています。それでは解散です!」


 アヤコさんは強引に幕を引いて、逃げていきました。


【イヌ】

「では、また総集編・後編でお会いしましょう」


 イヌさんも立ち去っていきました。



【エリス】

「ところで、コー君?」


 はい? なんですかエリスさん。お土産ならあっちに置いてますよ? 終ったから良いものを、撮影中は話しかけないで下さい。


【エリス】

「君の本命は誰かにゃ~? お姉さんに教えてみ」


 さあ? 誰でしょうかねぇ~……あ、皆の事は好きですよ? 自宅に引っ越せばエロイ事する予定ですし。


【エリス】

「その辺りが四章以降の要になるのかな?」


 それは創造主(さくしゃ)様、次第ですよ。




        ★  ★  ★




 どうも、主人公を演じる白鷺紅です。


 総集編・二部は一月一日の夜二十三時に投稿する予定です。


 そこで、何気ない質問や素朴な疑問があれば、本日の二十時までに作者宛にメッセージ(●●●●●)を送るか、活動報告のほうにお書きください。


 一人二つまでです。三つ目以降は除外します。


 必ず答えるとは限りません(ネタバレ系は特に)が、一通ぐらいは来て欲しいです。


 下記にある感想欄(●●●)では駄目ですから、ご注意してください。


 以上です。


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