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何の為の能力か

エ「今回も、陽祐編。今回のキーワードは、「何の為の能力か」今回のサブタイトルね」

志「……いきなり何が始まったかと言うと、詳しくは作者の最新(3月27日)の活動報告を見てもらいたいのだが。今回より、前書きのページを利用し、今回の内容の補足や関連する話を、アニメでいう「前回までのお話」形式で紹介することになった」

エ「かなめ、どうして隔離空間の中で動けるの?」

志「僕が聞きたい。実行委員として、何か分からないのか」

エ「……隔離空間で動けるのは、「戦い」に関する人間だけ。この事実は決して変わらない」

志「なら、まさかかなめは……」

エ「否定はできない。だけど、それだけじゃない」

志「どういう意味だ」

エ「隔離空間は、その中にいる人間が能力者かどうか、その人間の血で判断している」

志「血?」

エ「能力者や実行委員は、実は少しだけ、普通の人とは血の性質が違う。今の科学では解明できない小さな、けれど決定的な違いが生じる。隔離空間はそれで判断して、「戦い」に関係する人だけを隔離する」

志「ということは、僕も?」

エ「そう。そして、隔離空間の基準は意外と甘い。血が変化していない人でも、変化した血が皮膚に触れたまま残っていたりすると、関係者だと誤認して隔離されてしまうことも稀にある」

志「だとすれば、例えばかなめの皮膚のどこかに、僕の血が付いたまま消えていなければ」

エ「隔離空間が誤認して、かなめも隔離してしまう、こともある。でも、稀なこと。血が大量に付いていなければ、普通は気付かない」

志「かなめの奴……気付かないうちに能力者か実行委員の傷口にでも、触れたんじゃないだろうな……」


エ「本編、始まるよ」

「突然周りの人がいなくなって、外が暗くなって……気味が悪いから、アエリアちゃんは大丈夫かなって……」

震える肩を抑え、落ち着きを取り戻そうと今までを思い出すかなめ。

「そしたら、志輝と陽祐もいて……陽祐の腕に、火が……」

「かなめ、早くここから逃げろ!!」

僕の声にはっとするも、陽祐が作り出した炎の魔神の恐ろしさからか、足がすくんで動けないようだ。

マズい、このままでは!

僕はアエリアを抱え、かなめに向かって一気に走りだす。未来眼のお陰で身体能力が上がり、人ひとり抱えているのに身体が軽い。

「かなめ!」

「志輝っ……」

片腕でアエリアを肩に担ぎ、空いた手でかなめの手を掴むと、校舎の中に逃げ込む。

「逃がすなよ、ヒナタ!」

逃亡という僕の行動に苛立ったか、荒い口調で陽祐を急かすフィアーズ。

「くっ……すまない、かなめ……」

陽祐は炎の魔神の形を解除し、同じ質量のまま圧縮して両腕に覆う。

つららが当たったせいで早く走れないが、それでも駆け足で僕の後を追う。



未来眼の能力に助けられ、運動音痴な僕とは思えない速さで廊下を駆けていく。

「志輝、私……」

「今は待て。どこか、隠れられる場所は……」

教室に逃げ込めば、あの密度の炎で一瞬の内に焼かれる。

いや、実際火を当てずとも、教室の周囲を焼くだけで、熱によって簡単に倒れてしまう。モノを焼いた時の煙も有害だし、酸素だってすぐ尽きる。

やはり、校庭しかないのか。

……竹刀を取り戻しつつ、校庭へ向かおう。

「校庭に逃げるぞ」

「う、うん……」

ところで、さっきから黙ったままのアエリアは大丈夫なのだろうか。

こうして抱えていても、感じるアエリアの体温は冷たい。コールドスリープは、それ程までにアエリアに負荷を掛けるのか。

それなのに、こいつは僕を凍らせようとしていたのか。

多大な負荷を承知の上で、それでも「平和」を求めるというのか。

様子を見る限り……死んではいない、よな?

しかし、さっきから一言も言葉を発しないのが気に掛かる。そこまで衰弱が酷いのだろうか。

滅多にコールドスリープは使わせない方がいいだろう。

今回は僕が促してしまったが、次からは。

そうこう考えているうちに、竹刀を置いている教室に近づいてきた。

……陽祐は、かなめを狙うだろうか。

奴が殺すのは能力者……“戦い”の参加者だ。関係ないかなめを狙うとは考えにくいが。

フィアーズが殺せと言ったとしたら……殺すのだろうな。ケアという“妹”の為に。

今は見えないが、奴は僕を追っているはずだ。僕やアエリアを狙って火球を放たれたら、こうして共に逃げているかなめにも被害が及んでしまう。

……危険だが、かなめにも動いてもらおう。

「かなめ。僕の指示に従ってくれるか?」

「な……何?」

「僕の机の横に、竹刀が置いてある。それを持って、アエリアを連れて昇降口に向かって逃げてくれ」

「竹刀?……でも志輝、アエリアちゃん、私じゃ志輝みたいに運べないよ……」

「時間をかけてもいい、とにかくここから離れるんだ!」

「で、でも、志輝は?」

「僕の事はいい!これはかなめにしか頼めないんだ」

「……わ、わかったっ……」

かなめの返事を聞くと、僕は手を離す。

「あ……」

「早く行け」

「う……うん、任せて」

一瞬見せた寂しげな表情を振り払うように、かなめは頷くとアエリアを抱える。

それを見計らって、僕は来た道を引き返す。少しでも時間を稼いで、かなめとアエリアを安全なところに。

「志輝っ!」

走りだそうとすると、かなめに呼び止められた。

「よくわかんないけど……気をつけてね」

「……ああ」

僕は足に力を込め、力強く廊下を蹴る。

左目の熱が強くなっている。一度能力を解除しなければ、また激痛が走ってしまうが……

この能力が無ければ僕は動けない。もうしばらく、耐えてくれ。



さっき駆け降りた階段に戻ると、陽祐と鉢合わせた。

今は能力を解除しているようだが、ここで炎の魔神を出されたら、今後こそ僕は骨まで焼かれるだろう。

でも、逃げるわけにはいかない。

「志輝、二人は!?」

「お前に攻撃されないように逃がしている」

僕は両手を広げて、この先の廊下を進ませない意志を示す。

陽祐は顔を強張らせると、僕の胸ぐらを両手で掴んだ。

「二人を護らないのか!?」

「僕は、お前から二人を護る」

「違う!忘れたのか、俺はケアをフィアーズに奪われたんだぞ!!」

フィアーズ……奴の能力が作り出す異空間に、ケアを幽閉したと……

「あいつはあの二人も狙っている!どちらか一人でもあいつに奪われたら、お前も俺と同じようになるんだぞ!?」

……そう、だった。

奴はケアを人質にしているから、陽祐は僕やアエリアを狙っている。ケアが、奴に殺されないように。

もし奴がかなめやアエリアを奪えば、僕も……?

二人の命の為に、参加者の命を狙い続けなければならない……?

「あのアエリアという娘はお前の「戦い」での共闘者、かなめは幼なじみだ!どちらも、お前の支えだろう!」

「……支え、だなんて……僕は……誰も、信じない……」

僕は、人を信じられない。

人は、人を裏切るのだから。

僕は、裏切られて生きてきたのだから。

他人を信じる事なんて、僕は……

「志輝ィッ!!」

名を呼ばれたと思った時には、僕は殴り飛ばされていた。

右頬が痛い。口の中が切れ血が滲んでいる。

わざわざ“利き手”で、しかも握り拳で殴ってくるとは。

飛ばされた時の衝撃で左手が左目の前を通過してしまったようで、未来眼も一度解除されてしまった。身体中に疲労感と筋肉痛が満ちる。

「お前は何の為に戦い、何の為に能力を手にした!?常識を覆すこの能力ちからは、誰かを護る為のモノじゃないのか!?」

仰向けに倒れた僕の上にのしかかり、再び胸ぐらを掴んで引き上げ顔を近付けてくる。

「誰も信じられないなら、戦う術を持たないかなめを逃がすなんてできないはずだ!かなめが逃げられることを信じていなければ、自分のそばに置いていたはずだ!」

……かなめの、さっきの顔を思い出す。

一瞬だけ見せた、寂しげな表情を。

「アエリアとだって、お前は凄いコンビネーションを見せてくれたじゃないか!あれは生き抜く為だけに利用し合うような奴らにはできない、お互いを信頼できるからこそできたものだろう!?」

屋上での戦闘を思い出す。

僕の指示を信じて氷壁を解除し、指示以上の動きを見せたアエリアを。

僕は……信じていたのか?

誰も信じないと、他人を拒絶していた、僕が?

「……ゲームはまだ続いているんだぞ、志輝」

最後にそう言い捨てると陽祐は手を離し、僕が塞いでいた廊下を、左足を庇いながら駆けていった。

さっきも言っていたが、ゲームとは何なんだ……

それより、いつまでも寝ているわけにはいかない。

陽祐にしろフィアーズにしろ、かなめとアエリアは狙われているんだ。

軋む腕を持ち上げ、左目に手を翳す。

二回目の発動。左目が熱を帯び、身体中の疲労感や筋肉痛が消える。

こんな事を続けていたら、身体が壊れてしまいそうだ。

でも、行くしかない。

陽祐を追い抜く勢いで廊下を走り、かなめと約束した、昇降口に向かう。



昇降口に来ると、生徒用のロッカーの陰から少しはみ出ている黒髪が目に入った。

そこに向かうと、ロッカーを背に体育座りをしているかなめがいた。やはり、かなめの髪だったか。

僕の足音に気付くと、びくっと肩を跳ねさせてこちらを見る。

「あ……し、志輝ぃ……」

「すまない、待たせた……っ!?」

今にも泣きそうな震えた声で、かなめは僕に抱きついてきた。

剥がそうともがくが、きゅっときつく締めるので離れない。

「こわかった……こわかったよお……」

僕が来た事で緊張の糸が切れたのか、ついにかなめは泣き出してしまった。

あまり長く、ここにいるのは危険なんだが。

女に泣かれると対処に困る。孤児院の娘が泣いた時も、結局泣き止むまで何もできなかった。

かなめがしっかりとしがみ付いてしまったので、仕方なく僕はそのまま今の状況を把握する。

アエリアは床に倒れ、目を閉じている。僅かに呼吸音が聞こえるから、死んではいない。

さっき陽祐を追い抜いてから、ここに着くまで少しかかった。長い時間はかからないだろうが、到着までには少しの時間がある。

「かなめ、竹刀は?」

「……ひっく」

僕の背に回す腕から右腕だけ離して、アエリアとロッカーの間の陰になっている箇所を指差す。

周囲が暗いのもあってすぐには分からなかったが、茶色の長細い袋が見えた。武器の確保も大丈夫だ。

「しきっ……」

「……何だ」

「これ、は……夢、なの……?」

……それが、普通の反応だろうな。

僕が初めて「戦い」を経験した時、僕は隔離空間に閉じ込められても、多少は混乱したものの比較的落ち着いていた。

普通なら、かなめのように、今までとはまるで違う世界に、もっと脅えていてもいいはずなのに。

僕は、普通じゃないから、か。

誰もいない世界で生きてきた僕だから、隔離空間にいてもそこまで動揺しないのだろう。

だから、僕は普段のように落ち着いて、現実を告げた。

「夢では……ない」

「そん、な……」

また大きく泣きだしそうになるかなめ。本当に、どうすればいいんだ。

かなめの対処に追われていると、廊下の奥から大きく響く足音が聞こえてきた。陽祐が来たか!

「かなめ、校庭に行くぞっ」

「ううっ……」

しがみついた腕を離してもらうと、アエリアを抱え竹刀を背負い、かなめの手を握って校庭に走る。

「はいはい、ここまでどーもご苦労サマ♪」

校庭に出れば、骨格標本のような細身の陰……フィアーズが気味の悪い笑顔で手を振っていた。

「志輝!……っ!?」

後ろからも、陽祐が来た。

フィアーズを前にした陽祐は、僕達を殺そうとする。

そうなればこれは挟み撃ちだ。フィアーズから二人を護ろうとすれば陽祐が攻撃する。逆もまた然り。

こういう時にこそ、アエリアの能力が必要なのだが。まだ目を開かない。

「キミ達はなかなか幸運だから、毎度毎度後一歩の……こういうところで、邪魔をされて逃がしちゃったけどサ」

フィアーズが天に向けた人差し指を、円を描くようにくるりと回す。

すると、陽祐が屋上に出てきた時と同じように、虚空に穴が開く。

そこから、何か大きなモノが、どさりと校庭の地面に落ちた。

「ボクは今朝、その可能性を先に潰してきたんだ」

それは、見慣れない色をした鎖によって身体を縛られた……

「一ノ宮……時雨」

能力者、一ノ宮時雨だった。

返事は無く、落ちた時から全く動く様子が見られない。

「彼、一応死んではいないけど。このまま放置してたら死ぬんだよね〜……ボク特製の仕込み毒でさ☆」

ほら、とフィアーズは時雨を縛る鎖を指す。

「あれにはボクが作った毒液が塗ってあってね。丸三日経たなきゃ死に至れない遅効性の毒なんだけど、死に至るまでの病状の酷いこと酷いこと。半日で極度の免疫力低下、一日経てば意識不明、二日もすれば神経麻痺で、三日経つ頃には肉体が腐って死んじゃうんだ」

狂気のような言葉を、嬉々として連ねていく。

そんな存在し得ないような毒が、時雨を蝕んでいるというのか。

陽祐が今朝僕と話をした時、フィアーズがいなかったのは……その時から、時雨を捕らえようとしていたからか。

「貴様っ……」

「おお、その憎悪を抱いた銀の瞳!噂に聞いてた通り、しっかり見ると不気味で綺麗だね……フフフ」

ケタケタ笑いだすフィアーズに驚き、かなめが身を縮めて僕の手を強く握る。

「あ、ちなみに解毒薬はあるんだけどね。ほらココ!イマココに!ボク持ってるよ!」

まるで手品のように、一瞬で奴の手の中に小さな瓶が握られていた。

奴の異空間からの行き来は、本来から一瞬でできるもののようだ。奴自身はわざと、パフォーマンスとして虚空に円を描く行動を取るのだろう。

「さぁて。深い絶望を与えたところで、しっかり殺してあげなきゃ。……分かってるよね?ヒナタ!」

今までフィアーズの話に集中していて、陽祐の動きに気付けなかった。

陽祐は紅蓮拳を発動させると、炎の魔神……火之迦具土を作り出す。

「ひっ……」

後ろから急に熱気が伝わって、かなめが悲鳴に似た声を漏らす。

鬼の形相をかたどる炎は、見るものに恐怖を与える。

陽祐……やはり、僕達を殺すか。

「ささ、さっさとやっちゃってよ!それとも、彼らの周囲を炎で囲ってじわじわ殺すかい?やらしーねえ、ハハハハッ!!」

狂ったように笑うフィアーズと、何も言わない陽祐。

倒れたアエリア、毒に苦しむ時雨、恐怖に震えるかなめ。

竹刀と、かなめの手しか握っていない僕に、何ができるのだろうか。

左目の銀の視界は、何も言わない。

ずっと、僕の見たままの映像が続いているだけで……

……見たままの映像が、続いているだけ?

僕は燃え盛る炎の魔神を見る。

未来眼は……変わらず、そこにあった。

周囲に炎も見えない。数秒先まで、ずっとこのまま、なのか?

「……ヒナタ。どうして、何もしないの?」

流石に静寂が長く続いていることに疑問を覚え、フィアーズは陽祐に笑顔で問い掛ける。

「…………」

陽祐はただ、黙ったまま。

様子がおかしい……

その瞬間、左目に映る景色が変わった。マズい!

「おい、ヒナタ!聞いてんのかよ?キミの“妹”がどうなっても……」

「うおおおおおっ!!」

突然吼えだした陽祐は、空に向かって爆炎を放ち始めた。

左目に映った通り、周囲は炎の光に照らされ紅蓮に染まる。

一体、陽祐はどうしたんだ?

「きゃあっ!」

かなめは驚きのあまり、僕の左腕にしがみついてしまった。

このままでは、満足に竹刀も振るえない。

「ああもう!いいから早く奴らを殺せよ!ボクに手間を掛けさせるな!!」

ずっと真上に炎を放ち続ける陽祐に見かねて、フィアーズがこちらに向かって走りだした。

「面倒だから、仕方なくボクが引導を渡してやるよ!」

解毒瓶が一瞬のうちに消えると、代わりに奇妙な形の大剣が握られた。

その刀身はノコギリのようにギザギザ尖っていて、切っ先が平坦になっている。

色は時雨を縛る鎖と同じで、複数の絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜたような、奇妙な色。

全長1メートル半くらいある巨大なそれを、フィアーズはあろうことか片手で操っている。

「キミは竹刀を持ってるから、ボクとキミでチャンバラだね!」

ふざけるな。こんな圧倒的な差でチャンバラなんかできない。一方的な試合になるだけだ。

あんなものが、重力を無視しているように軽々と振るわれるなんて……

「しーになよっ!!」

大剣が、それを持つフィアーズが、跳躍によって宙に浮かぶ。

僕の未来眼が映す未来。尖った刀身が狙うのは、僕……の左腕?いや、かなめか!?

僕は咄嗟にかなめを庇うように、フィアーズに背を向ける。

しがみついたまま、かなめが離れないのなら……

何故。自分でも何故、こうしたのかは分からない。

ただ、身体が動いていた。

かなめから少しでも離れるように動けば……かなめは真っ二つになるが、僕はこれを避ける事ができたはずだ。

だけど、僕は、自分よりかなめの命を優先していた。

馬鹿だ。どうして、あんなに騒がしくて、迷惑な奴の為に。

僕は……馬鹿だ。

こんな死に方をすれば、あの女……エリクシルにも、申し訳が立たないな。

何せ、参加者ではなく、実行委員に殺されてしまうのだから。

『お前は何の為に戦い、何の為に能力を手にした!?』

ふと、陽祐の言葉が蘇る。

僕は、お前やアエリアみたいに、明確な理由を持って「戦い」に参加したわけじゃない。

エリクシルと偶然出会って、僕の失言から能力を手にして。その流れで、ただ参加していたに過ぎないんだ。

『常識を覆すこの能力は、誰かを護る為のモノじゃないのか!?』

……そうだな。

どうしてそうしたのかは分からないけど……最後に使った未来眼は、かなめを護る為のモノになったな。

攻撃も出来ない、ただ数秒先の未来を見ることしかできない眼でも。

誰かを護ることが、できるんだな。



最後に僕が感じたのは、陽祐が放つ炎の熱気ではなく。

大剣が迫る事で生じたのか……

とにかく強い、風だった。

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