第六章 最奥での遭遇
霧のような薄い瘴気を抜け、ケイタとミイアは縫合宮第三階層へと降り立った。
「やれやれ、やっと降りて来たはいいけど……」
視界に飛び込んできた光景に、ケイタは思わず肩をすくめる。
「なんか、すごい事になっているな?」
そこではすでに、巨大な魔獣とガーディアン達の戦闘が繰り広げられていた。
ガーディアン達は数で押し、一体の大型魔獣に対して複数で取り囲む。しかし――それでも戦いは互角だった。
それほどまでに、魔獣の力は強い。
そして何より、その数が異常だった。
「きっと、この魔獣達の存在を感じていたから、急いでたのね……」
ミイアが、小さくつぶやく。
「でっ!ミイアの体がある方向はわかるのか?」
「ええっ!こっちよ!」
迷いなく、空間の奥を指差した。
「じゃあ、ここはガーディアン達に任せて……俺達は先を急ぐか?」
「そおねっ!戦いに水を差しても悪いし!」
二人は気配を消すように、戦場の端を抜けていく。
「じゃっ!ごゆっくり……」
ミイアの場違いな一言が、戦場の喧騒に紛れて消えた。
奥へ進むにつれ、轟音は次第に遠のいていく。
やがて――不自然なほどの静寂が訪れた。
「しかし、この階層……邪魔なエネルギーの干渉がないんだな?」
(うん!おかげで、僕も好きな様に変形できそうだよ!)
「だよな〜っ!これはラッキーだよな?」
軽い調子で笑うケイタ。
だが、その横でミイアは足を止めていた。
「……変だな」
「うんっ?どうした?」
「だって、ここだけエネルギーの干渉が無いなんて……ありえないでしょ?」
「まあな……でも、気にしても仕方ないだろ?」
ケイタはあっさりと言い切る。
「何か起こったら、その時に考えればいいさ!」
(その言葉……完全に伏線だよ!?)と、脳内でライムが突っ込む.....
ミイアはふたりのやり取りを横で聞きながら、小さくため息を吐いた。
(大丈夫かな……この人達)
そして、静かに決意する。
(私が、しっかりしなきゃ……)
二人はさらに奥へ進む。
やがて辿り着いたのは――異様な空間だった。
中央には、祭壇のような構造物。
その周囲には、見たこともない機械が無数に並んでいる。
まるで、この世界のものではないかのような違和感。
「どうやら、この先は行き止まりみたいだな?」
ケイタが呟いた、その時だった。
ミイアが――固まる。
「……ここで、間違いないわ」
声が、わずかに震えていた。
「私の体は……ここにある」
顔面は蒼白。
明らかに、ただ事ではない緊張。
その視線の先――
施設の端に、一人の男がいた。
奇妙な装置を覗き込みながら、何かをぶつぶつと呟いている。
歪んだ服装。
そして――頭には、明らかに異質な“ツノ”。
「おかしいな……核の保持者が、近くに来ているはずなんだが」
男は装置を叩きながら、首を傾げる。
「シグナルが……紫だ?」
「核は本来、シグナルは緑のはずなのに……」
「だが、この探知機が反応している以上……間違いなく“核”だな……?」
その瞬間――
男の視線が、ゆっくりとこちらへ向いた。
――
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