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第三章 17 陽毬(ヒマリ)登場!

ミイアは、

もがいている光の玉のところへ向かった。


ケイタとルカの言葉には、

特に反応しない。


そして、しゃがみ込む。


「あの……ごめんなさい」


少し申し訳なさそうに。


「大丈夫?」


その瞬間。


光の玉の中から怒声が飛んだ。


「ぶっ、無礼者!!」


「なんじゃっ、この結界はっ!?」


ミイアは慌てて手を振る。


「あっ、ごめんね!」


「ちょっと待ってて、すぐ消すから!」


指を軽く動かす。


パチン。


光の結界が消えた。


すると――


そこには。


小さな女の子が、ぺたんと座り込んでいた。


巫女のような衣装。


そして。


その背中――


お尻のあたりから。


ふわふわとした

五本のキツネの尾が伸びている。


ミイアが優しく尋ねた。


「怪我はない?」


しかし。


少女はぷいっと顔を背けた。


「まったく……!」


腕を組む。


「わらわに向かって、無礼なやつじゃ!」


よく見ると。


頭にも――


キツネの耳がぴょこんと生えている。


ケイタが近づき、つぶやく。


「……こいつ、バケキツネ?」


少女がキッと睨む。


「わらわをキツネ呼ばわりするでない!!」


叫ぶ。


……が。


ぜんぜん怖くない。


ルカがしゃがみ込む。


「もしかして……」


優しく声をかける。


「何かの精霊さんですか?」


少女はふんっと胸を張る。


「お主ら!」


小さな背を精一杯伸ばす。


「頭が高いぞっ!」


堂々と宣言した。


「わらわは、この辺り一帯を取り仕切っておる存在じゃ!」


ケイタとルカが顔を見合わせる。


その横で。


ミイアがすっと膝をついた。


「申し訳ございません」


丁寧に頭を下げる。


「もしよろしければ……」


静かに尋ねる。


「貴方様の御尊名をお聞きしても?」


少女は満足そうに頷いた。


「うむっ!」


胸を張る。


「わらわの名は――」


誇らしげに言った。


陽毬ヒマリじゃ!」


そして腕を組む。


威厳たっぷり。


……身長はちっちゃいけど。


ケイタが腕を組んだ。


「で?」


少し首を傾げる。


「なんで、その“この辺一帯を仕切ってるヒマリ様”が」


にやっと笑う。


「俺たちにイタズラしてたんだ?」


ヒマリがむっとする。


「お主は……」


じっとケイタを見る。


「なんか無礼な物言いじゃな?」


ぷいっと顔をそらす。


「わらわは、ただ……」


ぼそっと言う。


「あの無礼者たちの仲間かと思っただけじゃ」


ルカが聞き返す。


「無礼者たち?」


ヒマリの顔が一気に怒る。


「そうじゃ!」


拳を握る。


「最近、あの瘴気溜まりに住み着いた無礼者たちじゃ!」


「まったく、けしからん!」


「この森を好き勝手に荒らしおって!」


ケイタとミイアとルカは――


顔を見合わせた。


ケイタが一歩前へ出る。


そして笑った。


「あのさ」


指を立てる。


「実は俺たち――」


「その無礼者を退治するために来たんだ」


ヒマリの耳がぴくっと動く。


ケイタは続ける。


「もしよかったら」


にこっと笑う。


「ヒマリ様に、その無礼者たちの場所まで案内してもらえないかな?」


ヒマリは腕を組んだ。


「案内してもよいが……」


ちらっと見る。


「その……なんじゃ」


小さく言う。


「礼とかは、ないのか?」


ケイタとルカが顔を見合わせる。


その時。


ルカが前に出た。


「これ」


そっと差し出す。


「珍しいお菓子なんですが……」


ティランの村でもらった。


シュークリームのようなお菓子。


ヒマリの目が光った。


「むっ!?」


「なんじゃこれは!?」


ルカの手から――


お菓子を奪い取る。


そして。


がぶりっ!!


一瞬でかぶりついた。


もぐもぐ。


ごくん。


……速攻で完食。


ヒマリが満足そうに頷く。


「うむっ!」


口元にクリームを付けたまま。


「なかなかの美味であった……」


ルカが微笑む。


「まだまだ、たくさんございますが……」


軽く頭を下げる。


「さっきの件、お願いできますでしょうか?」


ヒマリは腕を組む。


「うむっ……」


少し考え。


そして。


胸を張る。


「まぁ、よかろう!」


こうして――


三人は。


新たな仲間……いや。


〝現地ガイド〟を手に入れたのだった。




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