表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/42

第一章、異世界ってどういうとこ?

森の中に、銃声が何度も響いた。


ドガガガガガガン!!!


木々が震え、鳥が飛び立つ。


そして――


何度目かの轟音のあと、

森に静寂が戻った。


煙がゆっくりと晴れていく。


「ふい〜〜っ! これで、もう終わりかっ!」


(うん! ケイタ、もうごはんは終わったみたい!)


頭の中で、弾む声。


(結構、たくさん食べれたよっ!)


「……食べれた、って? お前、食ってたのか?」


(うん! 魔物はね、ほとんどがエネルギーでできてるの)

(死んだらエネルギーに戻る!)

(放っとくと消えちゃうから、僕がいただいたの!)


「なんか……お歳暮みたいな回収だな?」


(うん! ケイタと合体して、エネルギーを貯める器ができたの!)

(そこに、エネルギーいっぱい!)


「エネルギーって……それ、う○こみたいなもんか?」


(う○こ?なにそれ?)


「いやっ! あのっ、食べた後に出るやつだ!」


(ふ〜ん……まあ、そんな感じかな?)

(それ! 僕たちの体の材料になるんだ!)


ちょっと嬉しそう。


「へえ〜っ! 循環型社会だな……」


半ば独り言。


だが――


その様子を、じっと見ている存在がいた。


木陰。


細い影。


ひとりの少年が、こちらを見つめている。


「……あのっ?」


小さな声。


「大丈夫ですか?」

「さっきから、ずっと独り言を言われているみたいですが……?」


「うおっ!? びっくりした!」


反射で振り向く。


「えっ? お前は……って、いつからいたんだ?」


少年は少し後ずさる。


「魔物が増えてきたから、動けなくなってしまって……」

「そしたら、あなたが急に現れて」

「魔物をやっつけたら……その、独り言を……」


恐る恐る。


警戒と困惑が混ざっている。


「あっ、そ、そうなのかっ?」

「いやっ、まあ……独り言は癖なんだ!」

「気にするなっ!」


若干、気まずい。


(マスター、バレてるよ)


(黙れ!)


「それより、お前! 名前は?」

「俺は、ケイ……ケイだっ!」


一瞬、間。


少年も少しだけ挙動不審になる。


「僕は、ルカ……と言います」


黒い瞳が、まっすぐこちらを見る。


「じゃあ、ルカ! よろしくなっ!」


ケイは、にっと笑い、手を差し出す。


少年は一瞬ためらい――


そっと、その手を握った。


「あっ、はい……よろしく」

「ケイさん、でいいんですよね?」


その握手は、まだぎこちない。


だが――


確かに、誰かと繋がった感触があった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ